たまにはちょっと贅沢な食事をしたい。ってとき、ありますよね? そんなときにふさわしいお店を探しているなら、明確にこだわりを打ち出した“コンセプト和食”はいかがでしょう。今回紹介するのは、本格的でありながらも大胆な発想で新たな和食の可能性を楽しませてくれる一軒。2017年10月5日にオープンした、自由が丘の「和食や ちそう」です。どんなコンセプトなのか、料理と一緒に解説していきましょう!
出汁を生む食材の選び方と活用法に流儀あり
「和食や ちそう」が最も大切にしているのは“お出汁”。ただ、和食であれば出汁にこだわるのは当たり前といえるでしょう。ほかと大きく何が違うのか、それは元となる食材と活用法にありました。たとえば、料理によって出汁に使う素材を変えることで味付けに広がりを持たせています。また、西洋の食材を用いて和食で表現するのも同店の特徴ですが、その際に和食としてうまく味わいが調和するように出汁を使い分けている点も秀逸。メニューで見ていきましょう。
和食の献立の顔となるのがお椀です。同店では旬に合わせ2~3週間で内容が変わり、この日は焼き葱と鱈の白子が具の中心に。そして合わせる出汁は、メジマグロの削り節を使用。これによって口当たりをまろやかにして、全体的によりふんわりとした優しい味わいに仕上げています。
こちらの出汁は、カツオと昆布をベースにイワシとサバ節を加えて調合。ここまではオーソドックスな出汁ですが、トマトのなかに鶏と豚の合い挽き肉を詰め込んでいるのがポイント。さらにトッピングのおぼろ昆布やとろけるチーズと合わさることで、日本酒にもワインにも合う和洋が調和した味わいになるのです。
才能あふれる若き料理人の自己の集大成が出汁の店だった
でも、なぜ出汁をコンセプトにしたのでしょうか。その背景には、同店誕生のストーリーが関係していました。「和食や ちそう」のオーナー・関 斉寛(なりひろ)さんは1984年生まれと若いながらも、28歳の時に独立して「創業5年で5店舗出店する」という目標を掲げて切磋琢磨してきた料理人。その5年目の2017年にオープンした記念すべき5店舗目が「和食や ちそう」なのですが、それ以前の4店舗も、それぞれにコンセプトがあったのです。
1店舗目は各地の鮮魚と地酒をカジュアルに楽しめる「等々力 うおいちばん」。2店舗目は旬の食材と魚料理が豊富な「自由が丘 魚斉」。3店目は本格的な”すし”と”天ぷら”をリーズナブルに堪能できる隠れ家的 懐石料理屋「二子玉川 せき亭」。4店目は鰹の藁焼きや炭火焼きにこだわった「上野毛 魚光」。それらの集大成となったのが、和食の基本である出汁を主軸にした「和食や ちそう」なのです。なお、お出汁料理以外でも独自性を感じることができます。
伝統的な和食の調理法と出汁の風味を大切にしながら、時に洋風のエッセンスなどを加えて現代的に落とし込んでいく。そんな一皿は、きっと前衛的な日本酒やワインとも美味なるマリアージュを楽しませてくれるでしょう。
明かりが落とされた空間は、凛とした雰囲気で非日常感も満点。職人の動きや会話を楽しめるフルオープンキッチンカウンターのほか、まったりくつろげる個室やテーブル席もあります。接待やデートなど、特別な会食にもオススメなのでぜひこの冬に訪れてみてはいかがでしょうか!
【SHOP DATA】
和食や ちそう
住所:東京都目黒区自由が丘1-26-14 オクズミビル 地下1階 北側
アクセス:東急線「自由が丘駅」正面口徒歩3分
営業時間:月~土17:00~23:30(L.O.22:30)、日祝16:00~23:00(L.O.22:00)
定休日:なし