実物の蒸留機の見学で新たな発見が
座学が終わると、いよいよ実物の蒸留機を見学。頭上のはるか向こうまでそびえる連続式蒸留機を前に、興奮を隠せない。案内してくれた宝酒造の生産課・堀江俊輔さんによると「上に向かって一定間隔でいくつもバルブがついているでしょう? 実は、このバルブの位置に棚があって、その棚によって取れる焼酎の味が違うんですよ」とのこと。なんでも、ブレンドに必要な味わいのある焼酎を狙って、最適な棚から製品を取り出すのだとか。
「ええっ! ピンポイントで味を狙って造ってるわけ? しかもブレンドするって? ただ機械で造っておしまい、ってわけじゃないんだ…」。こだわった造りに、驚くばかり。
宝酒造のこだわりが詰まった聖地、樽貯蔵庫へ
続いて、熟成酒が眠る樽貯蔵庫へ。実は宝酒造、クセのない甲類焼酎の銘柄でも、樽で寝かせた熟成酒をブレンドして発売することが多い。それが宝焼酎のおいしさのヒミツであり、多彩なラインアップが用意できる理由でもある。そして、樽貯蔵庫は同社のこだわりが詰まった聖地ともいえる場所。ふだん、外部の人間に公開することはないというが……。中に入ってみると、一瞬で芳しい香りに包まれて、ああ、これはもうたまらない……。そして、はるか上まで積み上げられた樽、樽、樽! 圧巻の光景を目にして息を飲む松井であった。
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