食欲の秋。各地ではグルメイベントが真っ盛り。「どれに行こうかな?」なんて考えている人もいるのでは。そのなかでイチオシしたいのが「東京ラーメンショー2018」だ。今回で10周年というのもあるが、ほかにもここだけの魅力が満載らしい。
そこで、毎年行っているラーメン好きミュージシャン、サニーデイ・サービスの田中 貴さんと参加。3つの魅力と楽しみ方を聞いてみた。田中さんオススメの出店店舗とともにお伝えしよう!
【プロフィール】
田中 貴
サニーデイ・サービスのベーシスト。年間600杯以上を食べ歩くラーメン好きとしても知られ、TVや雑誌などでそのマニアぶりを発揮することも多い。バンドとしては今春、配信とアナログでニューアルバム『the CITY』をリリース。また6月13日にはアナログで『FUCK YOU音頭』と『DANCE TO THE POPCORN CITY』を2タイトル同時リリースするなど、精力的に活動している。また個人としては、音楽監修を務めるアニメ「ラーメン大好き小泉さん」のオリジナルサウンドトラック『ラーメン大好き田中さんと細野さん』が発売中!
【その1】18種類(期間計36種)ものラーメンが楽しめる
「東京ラーメンショー2018」は駒沢オリンピック公園の中央広場で11月4日(日)まで開催中だ。アクセスは駒沢大学駅から徒歩約12分。会場は約2万平方メートルとかなり広く、ラーメンブースには18もの店舗がズラリと並ぶ。
11日間のイベントは10月25日(木)~30日(火)の1幕と10月31日(水)~11月4日(日)からなる2幕の2部制。18の店舗が入れ替わる形で、計36種類のラーメンが楽しめる。これはつまり、選ぶ楽しみが広がっているというわけだ。
「ラーメンを主体としたグルメイベントとしては日本一でしょう。ラーメンの種類もさることながら、出店店舗も有名どころばかりだし、なかには有名店の店主も。過去には『東池袋大勝軒』の山岸一雄さんや、『支那そばや』の佐野 実さんといったレジェンドもいましたし。10周年は感慨深いですね」(田中さん)
「思い出深いのは、林家木久扇師匠との対談。師匠はラーメンがブームといわれるずっと前から全国でラーメンイベントを開催していた功労者なんですよ。だから、2年前のラーメンショーで『日本ラーメンファンクラブ』の名誉会長に就任いただいたんです。そのときに作ったパネルは今回もあるので、ぜひ写真を撮ってほしいですね!」(田中さん)
【その2】ここだけの限定ラーメンが盛りだくさん
では、ラーメン自体の魅力は?と聞くと「限定ラーメンがハンパない」とのこと。まず訪れたのは「DDTコラボ」という店名のブース。ここは東京・新宿にあるプロレス居酒屋が、とある有名店舗とコラボしているとのこと。提供ラーメンは「アサリの旨味 塩中華そば」だ。ちなみに、ラーメンはすべて一杯850円(食券制)。
「プロデュースしているのは、鮮魚系で有名なラーメン店主。彼、負けず嫌いなところがあって、この味もいい意味でやりすぎなぐらいトガってますね。1杯100個以上のアサリを使っているみたいですが、確かにダシのうまみが超パワフル!」(田中さん)
海の恵み全開な味わいだが、「東京ラーメンショー2018」の1幕ではほかにも伊勢海老、カキ、毛ガニ、ウニなど、贅沢な魚介を使ったラーメンが満載。2幕でもサンマや甘海老を使ったラーメンが登場するので、要チェックだ!
今回は10周年ということもポイント。ラーメンもよりスペシャル感が増しており、過去9回に登場した333のラーメンのうち、ファン投票で選ばれた上位のラーメンがアンコール出店している。ということでその店舗に向かった。すると、とある有名店主に遭遇!
味わったのは、「らあめん元&麵屋あがら」による「和歌山ラーメン」。2015年開催時に提供したアンコールの一杯だ。豚の骨髄からうまみを抽出した濃厚スープに、和歌山の老舗「カネイワ醤油本舗」の天然醸造醤油を合わせている。
「20年ほど前に和歌山ラーメンのブームがあって、東京にも専門店がいくつかできましたが、今も残っている店は少ないです。その意味では、この一杯はかなり希少。僕はツアーでたまに和歌山に行くんですけど、やっぱり現地にはラーメン屋が多くて、白濁した豚骨スープの濃厚系と、醤油がビシッと効いた黒いスープの2タイプが主流です。今回のは前者。豚骨のうまみがたっぷりで、地元の醤油の香りと甘みが楽しめる一杯です」(田中さん)
「ご当地のアンコールでもう一杯、注目すべきは竹岡式ラーメンですね」と田中さん。ついていくと、この日は平日ながらなかなかの行列。“本家 梅乃家 公認”とあって、お墨付きの店舗のようだ。
「竹岡式は、千葉の有名なご当地ラーメン。富津市竹岡は港町で、朝早くから漁師さんに親しまれてきた歴史があるんです。ただ、早朝から営業するってのはなかなか大変なので、パートのおばちゃんでも簡単に作れる必要があった。そこで、素材を炊いたスープではなく、チャーシューの煮汁を湯に溶いてラーメンにしたんです」(田中さん)
「有名な『梅乃家』は、地元メーカー『宮醤油』の濃口醤油と『都一』のノンフライ麺を使っているんですが、ここでもちゃんと同じものを使っているようです。作り方自体は難しくないので再現性も高いですね。あと、チャーシューをたくさん煮込むんですが、その肉がたっぷり入っているのも地元同様です」(田中さん)
なお、第2幕でも福岡の久留米、熊本、広島の尾道、京都醤油、新潟の燕三条などのご当地ラーメンが出店。そのなかで田中さんが特に推すのはふたつある。
「イチオシは山形の酒田ラーメン。あとは岡山の笠岡ラーメンもオススメです。このふたつはご当地系のなかではマニアックですが、だからこそレア。僕が第2幕でまたここに来たら、間違いなくこの2杯から味わいますよ」(田中さん)
【その3】つまみもあって“ラ飲み”が楽しめる
田中さんがラーメンショーでこっそり楽しみにしていること。それが酒とつまみだ。しかも、今回からはつまみがよりグレードアップしているという。
「今回から『なると亭』っていう酒&つまみのブースが出てるんです。つまみは餃子やラーメンのトッピング的なものですが、どれも有名店によるものでウマい! 『なると亭』は夕方からの営業ですが、酒はドリンク販売ブースでオープンから購入可能。ラーメンを食べて、飲みながら休憩してまた食べて、飲んで最後はラーメンでシメるってのが最高の楽しみ方でしょう」(田中さん)
3つのポイントとは、ラーメンのバリエーションが豊富で、ここだけしか味わえない限定が多く、ラ飲みも楽しめるということ。つまり、最高のイベントが駒沢公園で開催されているのだ。休日にゆっくり楽しむのはもちろんだが、穴場は平日の夜。週末は大行列の人気店も、比較的並ばず食べられるので、仕事帰りにちょいと立ち寄る人も多い。「東京ラーメンショー2018」は11月4日(日)まで。ぜひ足を運ぼう!
【EVENT DATA】
東京ラーメンショー2018
住所:東京都世田谷区駒沢公園1-1 駒沢オリンピック公園 中央広場
アクセス:駒沢大学駅 駒沢公園口より徒歩約12分
開催期間:2018年10月25日(木)~ 11月4日(日)11日間(2幕制)
開催時間:10:00~21:00 ※10月30日、11月4日は18:00終了(雨天決行)
撮影/我妻慶一