Makuake発の日本酒を試飲してみよう
では、そんな個性あふれるお酒にはどんなものがあり、どんな味なのでしょうか。特徴的なものをいくつか試飲させてもらいました!
こちらが冒頭で触れた、日本酒プロジェクトにおける支援金1位の「農口尚彦研究所 本醸造酒」(石川県・農口尚彦研究所)。フルーティな香りときれいな余韻が感じられ、それでいてキレもある、飲み飽きない味わいです。
シャープの液晶技術から生まれた蓄冷材料を保冷バッグに応用した、埼玉県・石井酒造の純米吟醸酒「冬単衣(ふゆひとえ)」。冷たいながらも豊かな甘味を感じられ、キリっとした飲み口が絶妙です。
飲む時間をコンセプトにした「HINEMOS」(神奈川県・井上酒造)。ボトルの前衛的なデザインも特徴ですが、味も斬新。スパークリングの「7時」(左)は甘味と酸味がキレイに両立。赤色酒の「0時」(右)は甘美でフローラル。
東京・三軒茶屋で自社どぶろく醸造所と併設飲食店をオープンし、さらに今夏はフランス・パリに酒蔵を開設予定の「WAKAZE」。その原動力となったのもMakuakeでした。和柑橘やハーブが華やぐ「FONIA」(写真右)など、創造的で自由な味わいが特徴です。
「酒造りはボランティアだ」と言われる現状を変えていきたい
最後に、Makuakeの日本酒プロジェクトの今後のビジョンについて聞いてみました。日本酒は手間ヒマがかかるわりに価格設定が安いため、「酒造りはボランティアだ」と言われる側面も。坊垣さんは、そういった酒蔵が抱える厳しい状況を変えたいのだと力説します。
「働き手が不足している問題や原料費の高騰もありますし、設備投資もしなければなりません。でも日本酒自体の価格は安いですよね。私は、もっと高くていいと思うんです。職人気質の方が多く、たくさん売ろう、高く売ろうという気持ちが少ないのは事実ですが、良いものづくりのために利益は必要なはず。単価を上げることで蔵元さんにしっかり還元されるようにしたいですし、そのためにも、もっと日本酒自体の価値や地位を上げていきたいです!」(坊垣さん)
フランスへ進出する「WAKAZE」をはじめ、蔵元が躍進するきっかけにもなっているMakuake。今回、100蔵を超えたと伝えましたが、現在進行形で新規の日本酒プロジェクトが次々と生み出されています。その可能性は無限大。衰退が懸念される日本酒業界が一転、活気に満ちた産業になるかも…取材を通して、そんな希望の光が見えた気がします。みなさんも、今後Makuakeから生まれる日本酒に注目してみてください!