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2019/6/10 22:57

「完全ブラインド」で決めた「世界一の日本酒」がコレだ! 「SAKE COMPETITION 2019」結果速報

「SAKE COMPETITION(サケコンペティション) 」は、市販酒を対象とした世界最大規模の日本酒コンペ。事実上の「世界一の日本酒を決める大会」として知られています。同コンペは2012年からスタートし、今年で8回目。総出品数は年々更新されており、今回も昨年(1772点)を上回る1919点が出品されました。

 

完全ブラインドで審査した「世界一の日本酒を決めるコンペ」の結果を発表!

その審査の特徴は、技術指導者、有識者、蔵元からなる審査員が、銘柄を隠した「完全ブラインド」の状態で審査する点。一切の先入観なしに評価されるため、無名の銘柄でも味さえ良ければ1位になれるわけなのです。

↑審査の様子(写真は昨年のもの)

 

審査部門は純米酒、純米吟醸、純米大吟醸、吟醸、Super Premium、スパークリング、海外出品酒の7部門。5月に予審48名、決審52名の審査員による審査が行われ、6月10日、ザ・ペニンシュラ東京にてその表彰式が行われました。以下で一気に見ていきましょう!

 

【純米酒部門】

GOLD 10点/SILVER 43点/予審通過 170点/部門出品数 495点

第1位 宝剣酒造株式会社

宝剣 純米酒 レトロラベル

 

第2位 有限会社濵川商店

美丈夫 特別純米酒

 

第3位 宝剣酒造株式会社

宝剣 純米酒 広島夢酵母

 

第4位 有限会社濵川商店

美丈夫 純米 慎太郎

 

第5位 合名会社大木代吉本店

自然郷 芳醇純米

 

第6位 峰乃白梅酒造株式会社

峰乃白梅 純米

 

第7位 松崎酒造株式会社

廣戸川 特別純米

 

第8位 今西酒造株式会社

みむろ杉 ろまんシリーズ 特別純米 辛口 露葉風

 

第9位 合資会社廣木酒造本店

飛露喜 特別純米

 

第10位 今西酒造株式会社

みむろ杉 Dio Abita

 

【純米吟醸部門】

GOLD 10点/SILVER 52点/予審通過 201点/部門出品数 578点

第1位 合資会社廣木酒造本店

飛露喜 純米吟醸

 

第2位 磯自慢酒造株式会社

磯自慢 純米吟醸

 

第3位 清水清三郎商店株式会社

鈴鹿川 純米吟醸

 

第4位 株式会社虎屋本店

七水 純米吟醸55 雄町

 

第5位 清水清三郎商店株式会社

作 雅乃智

 

第6位 仙台伊澤家勝山酒造株式会社

勝山 純米吟醸 献

 

第7位 青木酒造株式会社

御慶事 純米吟醸 雄町

 

第8位 高橋庄作酒造店 会津娘

純米吟醸酒 羽黒西64

 

第9位 高木酒造株式会社 十四代

中取り純米吟醸 愛山

 

第10位 今西酒造株式会社

今西 純米吟醸 朝日

 

【純米大吟醸部門】

GOLD 10点/SILVER 40点/予審通過 148点/部門出品数 480点

第1位 清水清三郎商店株式会社

作 朝日米

 

第2位 小玉醸造株式会社

太平山 純米大吟醸 天巧35

 

第3位 萩野酒造株式会社

萩の鶴 純米大吟醸

 

第4位 株式会社土井酒造場

開運 純米大吟醸 波瀬正吉

 

第5位 株式会社木村酒造

福小町 純米大吟醸

 

第6位 株式会社外池酒造店

燦爛 純米大吟醸 山田錦

 

第7位 酒井酒造株式会社

純米大吟醸 五橋 錦帯

 

第8位 株式会社湯川酒造店

木曽路 純米大吟醸 山田錦 磨き35

 

第9位 磯自慢酒造株式会社

磯自慢 純米大吟醸40 西戸

 

第10位 亀泉酒造株式会社

亀泉 貴賓

 

【吟醸部門】

GOLD 10点/SILVER 11点/予審通過 69点/部門出品数 206点

第1位 株式会社中勇酒造店

天上夢幻 大吟醸 山田錦

 

第2位 宮下酒造株式会社

極聖 大吟醸

 

第3位 合資会社廣瀬商店

白菊 特別限定 大吟醸

 

第4位 金光酒造合資会社

桜吹雪 大吟醸

 

第5位 豊國酒造合資会社

學十郎 大吟醸

 

第6位 桃川株式会社

桃川 大吟醸 山田錦

 

第7位 小玉醸造株式会社

太平山 大吟醸 壽保年

 

第8位 株式会社木村酒造

福小町 大吟醸

 

第9位 北西酒造株式会社

文楽 大吟醸 袋吊無濾過原酒中汲み

 

第10位 若戎酒造株式会社

若戎 大吟醸

 

【SUPER PREMIUM部門】

GOLD 3点/SILVER 3点/部門出品数 64点

第1位 高木酒造株式会社

十四代 龍泉

 

第2位 秋田清酒株式会社 刈穂

滄溟海 純米大吟醸

 

第3位 清水清三郎商店株式会社

作 智

 

【スパークリング部門】

GOLD 3点/SILVER 4点/部門出品数 68点

第1位 秋田清酒株式会社

出羽鶴 awa酒 明日へ

 

第2位 来福酒造株式会社

SPARKLING RAIFUKU

 

第3位 八鹿酒造株式会社

八鹿 スパークリング Niji

 

【海外出品酒部門】

GOLD 1点/SILVER 2点/部門出品数 28点

第1位 Sequoia Sake Company

Coastal Ginjo

 

【総評】

蔵元の本当の実力が問われた年

冒頭のコンペ紹介ビデオで、ある審査員は以下のように語りました。

 

「全体的にレベルが高い。ただ、オフフレーバー(異臭)がかなりはっきりしているものと、非常にクオリティが高いものにわかりやすく分かれた気がしています」

 

これに関連して、ビデオでは同コンペ主催者のひとり、はせがわ酒店の長谷川浩一社長のコメントが紹介されていました。

 

「今年は米が難しかったかなと思います。難しい年でもみなさんテクニックでなんとか修正されるんですけど、ちょっと今年は、うーん…という感じでした」

 

カリスマ杜氏として知られる「十四代」の高木顕統(あきつな)氏も、「時期によって米の硬さが違う点が難しかった」と語っており、その意味で今年は、蔵元の本当の実力が問われる年だったようです。それを象徴しているのが純米吟醸部門で、1位「飛露喜」、2位「磯自慢」、3位「鈴鹿川」(「作」の蔵元の別銘柄)と、定評のある蔵元の銘柄が並びました。

↑「十四代」の高木顕統氏。自身はSUPER PREMIUM部門で1位を獲得

 

↑「飛露喜」の杜氏、廣木健司氏。注力する純米部門で9位に入賞し、ほっとしていたところ、直後の純米吟醸部門で1位となって「頭が真っ白になった」とのこと

 

トレンドは主張しすぎず、料理を引き立てる食中酒にシフト

一方、冒頭のビデオである審査員は、コンペを総じて「食事と合わせて飲むお酒としては、良好なお酒が多かったなという印象」と語りました。「香りは少し抑え気味にして、飲みやすさ、あと味の軽快さを重視。主張しすぎず、キレイでお料理と合わせてもおいしさがわかる」というお酒が多かったとのことで、近年のトレンドは、華やかな香りで主張する方向から、落ち着いた酒質にシフトしているのがわかります。

 

こうしたトレンドを象徴するのが純米部門。1位、3位を獲得した広島の「宝剣」は、辛口の食中酒を貫いてきた銘柄ですし、2位、4位を獲得した「美丈夫」は言わずと知れた高知の辛口酒。8位、10位の奈良「みむろ杉」もシャープな切れ味で知られています。

↑通称「呉(くれ)の土井鉄」こと宝剣の土井鉄也さん。受賞の挨拶の際、「苦しかったです…苦しんでよかったです」と声を詰まらせていたのが印象的でした

 

複数入賞を果たした奈良「みむろ杉」と秋田「福小町」に注目

個別の銘柄を見ていくと、注目したいのは奈良県の「みむろ杉」。純米で8位と10位に入賞したほか、純米吟醸部門でも別銘柄の「今西 純米吟醸 朝日」が10位となっています。

 

このほか注目は秋田の「福小町」。知名度はそれほど高くないものの、今回は純米大吟醸部門で5位、吟醸部門で8位に入賞。過去には「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2012」で大吟醸がSAKE(日本酒)部門の最高賞を獲得していることもあり、高級酒が得意な蔵元として、今後は人気を集めていく可能性があります。

 

また、昨年10位入賞を逃した「十四代」「磯自慢」といったビッグネームが10位以内に返り咲いたのが印象的。一方で、福島の「寫楽(しゃらく)」、山口の「東洋美人」、宮城の「あたごのまつ(伯楽星)」などの実力派が10位以内に入れなかった点、同コンペのレベルの高さがうかがい知れます。そんなレベルの高いコンペを勝ち抜いた入賞酒、お店で見つけたら、みなさんもぜひ楽しんでみてください。

 

なお、近日中に蔵元のインタビューを含めた「SAKE COMPETITION 2019」詳細記事も公開予定。「苦しかった…」という胸の内を明かした宝剣・土井鉄也さんのインタビューなど、胸に迫るエピソードは必読です。ご期待ください!