グルメ
お酒
2019/7/9 18:00

このプロジェクトは納得! 人気バーボン「アーリータイムズ」が起業家応援する取り組みが面白い

ウイスキーと聞くと、30代以上の大人のお酒というイメージが強いと思いますが、なかには若者に人気の銘柄もあります。そのひとつがロングセラーバーボンウイスキー「アーリータイムズ」。2018年は販売量が前年比115%と好調でしたが、そのうえで今年4月にデザインを一新し、若年層からより高い評価を得ています。

↑デザインの刷新以来、20代ユーザーの購入意向率が約10%アップしています

 

そんな同ブランドが人気にいっそう拍車をかけるべく、意欲的な取り組みを今夏より開始。若き起業家やビジネスパーソンを応援するというものですが、なぜお酒が起業家と? 背景や取り組みの中身を深掘りするべく、発表会に行ってきました。

 

【関連記事】

今年の「贈答ウイスキー」に最適解! 人気銘柄に加わった新作4本のブランドと味わいを解説

 

「アーリータイムズ」には開拓精神が込められている

本題にいくまえに、まずは「アーリータイムズ」の基本情報を。蒸溜所は1860年、アメリカのケンタッキー州で設立されました。名称の由来は、“Early Times Method”(昔ながらの製法)でウイスキーをつくるという信念から。また、「アーリータイムズ」には開拓時代という意味もあり、創業当時のフロンティアスピリットへの想いも込められています。

↑ラベルには、キャラクターのサールズ・ルイス・ガスリーが描かれています。彼は、1920年の禁酒法で蒸溜所が存亡の危機に瀕した際、私財を投げ打って商標権と在庫を買い取り、伝統を守った人物

 

従来からのフロンティアスピリットは、新たに掲げられたコンセプトにも通じています。そのブランドメッセージは「時代を拓く挑戦者」。この挑戦者が若き起業家やビジネスパーソンにあたり、彼らを応援するプロジェクトに至ったのです。

 

そこで「アーリータイムズ」を販売するアサヒビールがタッグを組んだのが、起業家支援企業であるプロトスター社。手始めに、同社が運営する起業家支援メディア「起業LOG」内に、次世代を担う起業家を紹介する「アーリータイムズ」の特集ページを開設。新規事業の内容や、挑戦する起業家の思いを紹介しながら、「アーリータイムズ」のブランドメッセージを伝える記事を配信するとのことです。

 

併せて、同内容は7月に創刊される日本初の起業家向けライフスタイルフリーマガジン「JUMPSTART JAPAN」内にも掲載。また、最近のスタートアップにはバーを設けている企業が多いことから、そこにアーリータイムズを提供して社内交流促進を支援していくそうです。

 

 

ITを駆使する老舗のリンゴ農家がスゴい!

会のなかでは、プロトスターの支援する起業家のひとりが登壇。青森県でリンゴなどを栽培する、もりやま園の森山聡彦代表を交えたトークセッションが行なわれました。

↑左が森山聡彦代表。右がプロトスターの前川英磨代表取締役CEO

 

森山さんは100年以上続くリンゴ農家である一方、ITを駆使してアプリを開発。農作業の効率化をはかる画期的なシステムを構築しました。ユニークさや、着眼点の鋭さに感銘を受け、プロトスターも支援するに至ったそうです。

 

「リンゴって、様々な品種が混在して栽培されているんですが、木を見ただけではなかなか区別できないんですよ。なので、畑を管理している人が現場にいないと、人に任せての作業も難しいんです。そこで、各木に固有番号とQRコードを記したタグを付け、アプリで管理できるようにしました。これを使えば、だれがどの木にどんな作業したかがわかるんです」(森山さん)

 

ある程度、蓄積したデータを分析した結果、なんと75%の時間はほとんど捨てる作業だったことが判明。これは剪定や摘果(てきか:育ちの悪いリンゴを摘み取り、残ったリンゴがよりよく育つようにする作業)といった、おいしさのためには必要ながら、もったいない一面も。なんとかできないかを考えた結果、摘果の際に間引かれるリンゴの活用を発案しました。

 

↑摘果された、完熟前の小さいリンゴ。渋味や苦味、酸味が強いものの、ポリフェノールが完熟リンゴの10倍も多く含まれているとか

 

そこから生み出された商品が、「テキカカジュース」と「テキカカシードル」。どちらも摘果リンゴの特徴を生かした甘さ控えめな味わいで、爽快感が引き立つおいしさです。

↑もりやま園では「テキカカジュース」「テキカカシードル」のほか、干しリンゴやリンゴのキクラゲなども販売しています

 

プロジェクト発表の終了後には、「アーリータイムズ」も試飲。甘やかなフレーバーは干しリンゴとの相性もよく、個人的には青リンゴとシナモンのフレーバーが香る「アーリータイムズ ブラインド アーチャー」を思い出しました。

 

↑「アーリータイムズ イエローラベル 瓶700ml」1728円(参考小売価格)。ライトな口当たりと甘い香り、キレのいい後味が特徴です

 

↑「アーリータイムズ ブラウンラベル 瓶700ml」1728円(参考小売価格)。イエローラベルの原酒に、マスターブレンダーが厳選した原酒をブレンド。通常のろ過に加え、ピートをベースにした活性炭のろ過も行い。豊かな香りあふれるまろやかな味わいに

 

 

「アーリータイムズ」はハイボールで飲んでも絶品。イエローとブラウンでキャラクターが分かれていながらも同価格で選びやすく、比較的リーズナブルなのも魅力です。バーボン初心者の人はもちろん、しばらく飲んでいなかったというお酒好きも、リニューアルしたこの機会にぜひ!

 

【ギャラリー(本サイトからご覧いただけます)】

 

宝酒造