昨今のワイントレンドのひとつが、日本産のブドウで造られる「日本ワイン」。品種改良や醸造技術の向上で世界的な評価も高くなり、今後ますます目が離せないといわれています。
そんななか、最大手の一社であるメルシャンが新たに「シャトー・メルシャン 椀子(まりこ)ワイナリー」を長野県上田市にオープンしました。目玉のひとつが、施設内外の見学や試飲などをできるワイナリーツアーです。また、周辺は観光地としての魅力もたくさんあるということで、取材ついでに巡ってきました。レポートしていきます!
新しいだけでなくワインファン垂涎の特徴も
ツアーは予約制となり、約60分で4種のワインテイスティングもできる1500円の「椀子スタンダードツアー」をはじめ、全4プラン。予約なしでも醸造施設の見学や、一杯からテイスティングなどを楽しむことができ、今回体験したのは約90分で3000円の「椀子プレミアムツアー」です。
案内してくれたのは、椀子ワイナリーでマネージャーを務める山田基之さん。1階のメインエントランスで、この地にヴィンヤードが作られた背景や歴史に触れながら、土壌やワインの特徴などを解説してくれました。
次は外へ出てぶどう畑へ。そう、ヴィンヤードです。開園から徐々に拡張し、現在は29haと広大。筆者らが足を踏み入れたのは建物のすぐそばにあるシラーの畑でしたが、ここには黒(赤ではなく黒ぶどうといいます)白計8種のぶどうが育てられています。
畑をあとにして向かったのは、館内の醸造現場。ここでは設備やワイン造りを見学できるのですが、特徴的なのが「グラヴィティ・フロー」を取り入れていること。これは機械を使わず、自然にかかる重力で果実や果汁を移動するシステムのことで、高低差を利用していることが目で見てわかります。
このあとは、約1000本の木樽が熟成されているセラーへ移動。樽はフレンチオーク製で、室内温度は13℃とやや低めに設定されていました。そして次はいよいよワイナリーの2階へ。ショップやテイスティングエリアなどが設けられたフロアです。