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2018/11/2 17:30

ビアジャーナリストに訊いた「秋の夜長」に味わうべきクラフトビール10選

日に日に夜が涼しくなり、「のど越し」を楽しむ季節から「味」を楽しむ季節に移り替わりました。すなわちそれは、個性豊かなクラフトビールを楽しむのに、よりふさわしい季節の到来とも言えます。ここでは、そんな秋の夜長にぴったりのクラフトビールをビアジャーナリスト・佐藤翔平さんが厳選して紹介します。

 

【紹介してくれた人】

ビアジャーナリスト 佐藤翔平さん

主にビールのペアリング記事を執筆。インターナショナル・ビアカップなど各大会審査員も務めています。

 

 

秋はのど越し一辺倒ではなくゆっくり味わうのがオススメ

「ビール=夏」のイメージが強いですが、実は秋も絶好のビールシーズン。ビアジャーナリストの佐藤翔平さんは次のように語ります。

 

「秋は鮮烈なホップの香りを楽しめるフレッシュホップビール(その年の夏に収穫したホップで造ったビール)の季節です。新米や新そばのように注目が集まります。また、のど越しの良さを重視する夏に比べ、止渇需要の少ない秋は、ビールをゆっくり味わうのに適した季節でもあります。アルコール度数が高いビールや、色の濃いビールがオススメですよ」

 

せっかくなので秋に合うビールをより楽しむコツも聞きました。

「ビールの色は、麦芽のロースト具合で決まるので、色の濃いビールほど香ばしく香ります。グラスを手で温めて香りを楽しみましょう。そして秋の味覚とのペアリングもぜひ。例えばさんまは、ペールエールと好相性。柑橘に似た香りが、臭み消しで搾るレモンの代わりになります。いろいろな組み合わせを試したら意外な発見があるかもしれません」(佐藤さん)

 

【01】ビアスタイル・原材料で選ぶ

深まる秋のように味わいが変化していくビンテージビールや、旬の食材を使った個性的なビールなど。ビアスタイルや原材料がユニークな一本を味わいます。

 

【その1】さつまいもの甘味と香ばしさがユニークな無ろ過ビール

コエドブルワリー

COEDO -Beniaka-

421円

赤みがかった琥珀色と香ばしい甘味が特徴のプレミアムエール。上質な麦芽とブルワリーのある川越産のさつまいもから生まれた類い稀な一本です。無ろ過の芳醇な味を楽しめます。333㎖。【ビアスタイル:オリジナルエール】【アルコール度数:7%】【液色:赤褐色】

<味の分析>

焼き芋の香ばしさと甘さに酔う

「今年は焼き芋を『飲んで』みませんか? 原料に焼き芋を使用した秋にピッタリのビールです。芋焼酎を連想させる香ばしさと甘味にうっとりするはず」(佐藤さん)

 

【その2】赤味噌のうま味を感じるビール界の個性派

金しゃちビール

赤味噌ラガー

実売価格483円

尾張名古屋のブルワリーが醸造。麦芽と名古屋名物の赤味噌のうま味を融合した、深いコクとマイルドな飲み口が特徴です。ほのかな醸造香がします。330㎖。【ビアスタイル:フリースタイル・ダークラガー】【アルコール度数:6%】【液色:赤褐色】

<味の分析>

コクのある料理と相性抜群!

「すっきりとしたのど越しに味噌の風味がアクセントとして効いています。味噌田楽や豚汁といった、コクのある秋冬料理に合わせると箸が進みます!」(佐藤さん)

 

【その3】見かけたら即購入すべし!秋にしか飲めない味わい

オラホビール

ビエール・ド・雷電

360円

長野県の醸造所が造る季節仕込みのビール。毎年秋限定で発売されます。ホップはカスケードとチヌークを使用。雑味がなく芳醇な味わいが特徴です。数量限定だから見かけたらラッキー。350㎖。【ビアスタイル:インディア・ペールエール】【アルコール度数:5%】【液色:ライトブラウン】

<味の分析>

 

自社栽培ホップを使ったIPA

「四季に合わせてビアスタイルを変え発売されるビールです。秋にしか飲めない『秋仕込み』は、同社が栽培したホップを使っていて、香りと苦味が特徴です」(佐藤さん)

 

 

【その4】時が経つほどおいしくなる!味の変化を楽しむ長期熟成スタイル

那須高原ビール

ナインテイルドフォックス

1999年発売 19年熟成

1万2960円

世界初のビンテージビール。那須地方に伝わる異次元のパワーを持つ「九尾の狐」伝説にちなんで命名されました。透き通った琥珀色と甘い香りが特徴で、時間とともにおいしさが増していきます。【ビアスタイル:バーレーワイン】【アルコール度数:11%】【液色:ライトブラウン】

<味の分析>

ワイングラスでゆったり嗜む

「アルコール度数はなんと11%! ワイングラスで飲むのがオススメです。とろりと濃厚な口当たりと熟成された香りをチビチビと楽しんでください」(佐藤さん)

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