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2019/12/13 20:00

「日本酒安すぎる問題」をぶっこわす! 「15万円の日本酒」を飲んだら「神々の遊び」という結論に

 

24年ものの熟成酒「現外」は、選ばれた人が飲むにふさわしい

最後に試飲したのは、なんと500mlで15万円の「現外 -gengai-」。1995年の阪神淡路大震災によって倒壊した兵庫の酒蔵、沢の鶴株式会社で、奇跡的に残った酒母を搾って清酒にしたという稀有なストーリーをもつ逸品です。醸造設備の被災によって一般的な工程を経ることができなかったこのお酒は、当時、不均衡な甘味と酸味を有していましたが、24年の熟成を経てあらゆる要素が調和。だれもが予想し得なかった絶妙な味わいへと変化し、「SAKE100」での商品化が実現したのです。

↑「現外 -gengai-」は500mlで15万円、100本のみという限定の品。24年という歳月の熟成によって甘味・酸味・苦味・うまみが複雑に絡み合い、それでいて豊かな調和を実現しています

 

「うわー独特! 熟成酒ならではの濃縮感のある味、香りは共通しているのですが、やっぱり違う。最初に酸味が来て、次にうまみが来て、同時にブワっと香りがふくらんで、最後には香ばしい余韻が……。でも、これらの要素がバラバラにならずに、なぜかまとまっているのが不思議……。いままで飲んだことがない味なのは確かです。お金持ちは自家用ジェットを買って移動時間を短縮するとか、『時間を買う』ことにお金を惜しまないといいますが、思うに『現外』を飲むことも、また違った形の『時間を買う』行為かと。味そのものというよりは、24年という歳月に価値を見出し、愛でる行為は、まさに『神々の遊び』。情緒を解する、選ばれた人が飲むにふさわしい品ですね」(小林)

 

世界中に日本酒のおいしさを伝える「成功例」になりたい

最後に、生駒さんに「SAKE100」の今後の取り組みについて聞いてみました。

 

「ひとつはブランドの権威性。購入における安心感や、所有することに肯定感をもっていただくためにも、全方位的に攻めていこうと思っています。アワードへのノミネートを積極的に狙っていくほか、本当にコンセプトに共感してくれるブランドアンバサダーを起用する、などもありえるかなと」(生駒さん)

 

提供レストランについても同様。高級ホテルやミシュランガイド掲載店のみという条件は変えず、飲める店を増やしていきたいと言います。

 

「あとはブランド認知の拡大ですね。ラグジュアリーブランドであればあるほど、認知度と普及度にギャップがあることが重要なんです。つまり、みんながいいモノだと知ってるけど、希少性だったり、金額的なハードルがあったりでなかなか手に入らない存在になること。持っている、飲んでいることで他者から羨ましいと思われる――。『SAKE100』のブランドパーパスは“心を満たし、人生を彩ること”ですから、その価値をいっそう高める活動をしていきます」(生駒さん)

↑現在「SAKE100」のラインナップは4種。「天彩 -amairo-」はデザインがリニューアルしました(新デザインは右から2番め、中央は完売した初回生産分のデザイン)

 

ラインナップの数に関しては、際立った個性と最上級のレベルを両立させるとなると、最大で10~15種ではないかと生駒さん。そのなかで、現在も新たな商品を届けるべく開発に取り組んでいるそうです。2020年からは輸出日本酒のトップマーケットであるアメリカを皮切りに、いっそう本格的に海外展開を加速させるとのこと。

 

「海外は巨大なマーケットですが、ラグジュアリーブランドで挑戦している日本酒はほとんどありません。それもあって、大きなチャンスだと。いまだ切り拓かれていないラグジュアリーマーケットを『SAKE100』が開拓することで、世界中の人々に日本酒のおいしさを知ってもらえる成功例になれれば、と考えています。次も最上級においしいお酒をお届けしますので、楽しみにしていてください!」(生駒さん)

 

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