ドイツ伝来の“3回注ぎ”が名物のビアレストラン「キリンシティ」。同社が今冬、恵比寿にオープンした新業態に世間がざわついています! ブランド名は「クラフトマルシェ」。
恵比寿らしい隠れ家ビストロ的な小規模空間には、筆者を含め多くの報道陣がパンパンに。TV系の大型カメラも多く、注目度の高さを物語っていましたが、では何がそんなにスゴいのか。特徴を紹介します。
最大16種のクラフトビールを高級グラスで楽しめる
冒頭で述べたように、「キリンシティ」といえばドイツ伝来の“3回注ぎ”。伝統の技でビアマイスターが丁寧にサーブした、こんもりとした泡のビールが魅力です。
ところが新業態で提供されるビールは店名に“クラフト”が用いられている通り、伝統のビールではなく斬新なクラフトビールのみ。あえて伝家の宝刀は使わずに勝負するというのです。
またご存知の人は、「マルシェ」にもピンときたことでしょう。こちらは、生のクラフトビールを大掛かりなサーバーがなくても抽出できるようにした「タップマルシェ」に由来するものです。
「クラフトマルシェ 恵比寿店 by Kirin City」には1台で4種のクラフトビールを抽出できる「タップマルシェ」を4台設置。つまり、ビールに関してはすべてこのサーバーを使って16種を提供するのです。
ただ、それだけでは一般的な「タップマルシェ」提供店とそこまで変わりはありません。同店はドイツの名門「シュピゲラウ」のグラスを3サイズ用意。そこから好きなサイズを選んで楽しめるのもウリです。個人的に筆者が驚いたのはこの点にあり!
というのも、「シュピゲラウ」は値段がなかなかするうえに薄張りでデリケートなため、クラフトビール専門店でもあまりみかけません。つまりここまでこだわるには費用と勇気が要るのです。
同店のビールを飲んで、「あれ? ここのクラフトビールはほかのタップマルシェの店よりおいしい気がするぞ」と思ったら、それはグラスの影響だと思ってほぼ間違いないでしょう。クラフトビールは味わいが個性的なぶん、グラスによってそのポテンシャルがいっそう大きく花開きますから。
LINEと連携した近未来型のセルフオーダー&ペイ
前半ではあえて、一般的なニュースではあまりスポットが当たらなかったクラフトビールとグラスの話をお伝えしました。ここからは、システムに関する同店のトピックスを紹介します。
ポイントは、スマートフォンを活用した「セルフオーダー&ペイ」を導入していること。この“スマートフォンを活用”というのは店の端末ではなく、お客自身のスマホを使う点が新しく、初来店の場合は用意された案内に従って簡単な登録をするという流れとなります。
外食業界におけるセルフオーダー&ペイは、これが初ではありません。一部の飲食店ではすでに取り入れているところもあります。ただ、「クラフトマルシェ 恵比寿店 by Kirin City」のシステムは「LINE」と連携しているところが画期的。
また、来店時でなくてもLINEからコンテンツを呼び出して、メニューを閲覧したり店のインスタや食べログに飛んだり、予約ができるのも特徴。しかも予約システムは業界内でも最新鋭の「TableCheck」を導入していて、ユーザーとお店側がよりスムーズにやりとりできるようになっています。
料理についても紹介しましょう。二大看板は低温調理で仕込んだ「チキンコンフィ」と、ホーロー鍋で野菜のうまみを引き出す「ベジ煮込み」。
ほかにもポテト料理やタパス、サラダ、スキレットを使った一皿など、ビールに合う料理をラインナップ。また、ドリンクはクラフトビール以外にも、ビアカクテル、サワー、ハイボール、ワイン、ノンアルコールカクテルなど約20種がそろいます。
外食業界は特に人手不足に悩まされているカテゴリー。同店がセルフオーダー&ペイを導入した背景には、注文や会計時の人的リソースを削減する狙いがあり、こういったシステムの導入は、今後必要不可欠と言われています。
「キリンシティ」ほどの有名店が、LINEと連携して画期的なセルフオーダー&ペイを導入した新業態。となれば、大きく報道されるのは必然でしょう。同社代表は「2020年には2号店も」と意気込みを見せていましたが、まずは恵比寿で激ウマクラフトビールと最新システムの体験、いかがでしょう!
【SHOP DATA】
クラフトマルシェ 恵比寿店 by Kirin City
住所:東京都渋谷区恵比寿1-15-4 メゾン115 B1
アクセス:JRほか「恵比寿駅」東口徒歩3分
営業時間:17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:なし ※ただし年末年始等、休業あり
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