2019年は、年初からビール系新ジャンル(第3のビール)の新作ラッシュが目立ちました。10月には消費増税となり、ビールより安く飲める新ジャンルが再注目されたのも記憶に新しいところ。では、2020年はどうなるのか――。そう思っていた矢先、トップバッターで新ブランドを発表したのがサッポロビールです。その名も「サッポロ GOLD STAR」(ゴールドスター)。
コンセプトや商品特徴などは各所で大きく報道。本記事ではより深掘りして、味わいを中心とした魅力を伝えたい! そこで、既存ブランドとの飲み比べなどを絡めた詳細レポートをお届けしたいと思います。
「黒ラベル」と「ヱビス」のDNAが宿る
まずは改めて商品特徴から。最大のポイントは、サッポロの二大ビールブランドである、「黒ラベル」と「ヱビス」の技術と信念を注ぎ込んでいるところ。前者のDNAは、香味耐久性の高い「旨さ長持ち麦芽」。後者は華やかな香りの「ドイツバイエルン産アロマホップ」です。そのうえでさらに、両ブランドの仕込方法である「ダブルデコクション製法」を採用し、力強く飲み飽きないうまさを実現したのが「サッポロ GOLD STAR」です。
飲んでみて感じたのは、バランスのよさに由来するドリンカビリティの高さ。ドリンカビリティとは、「おかわりしたくなるおいしさ」のことで、「飲みやすさ」とも似ています。麦のうまみ、ホップの苦味、炭酸の爽快感、余韻のキレなど、これらがほどよく調和していて、飲みごたえはありながらゴクゴクいける――そんな印象を受けました。
個人的に気になっていたのは、同社新ジャンルのエース的存在である「サッポロ 麦とホップ」との違いや住み分け。ここについては登壇した高島英也社長が解説してくれました。
「GOLD STARは当社のDNAすべてを注ぎ込み、さらに上のおいしさを目指しました。コアターゲットは、信頼できる確かなモノを求める30~40代の方々です。お酒を飲み始めたとき、すでに新ジャンルがあった層ともいえますね。一方の麦とホップは、ビールに近い味わいを求める層に向けた味わい。お酒を飲み始めたとき、新ジャンルが世に存在しなかった50~60代の方々ですね。このツートップ戦略が、当社の新ジャンルにおける考え方です」(髙島社長)
「サッポロ 麦とホップ」が登場した2008年のキャッチコピー、“私にはビールです”が好きだった筆者としては、不変のマインドがあるのは嬉しいところです。ただ、味については両者の違いをもっと知りたいというのが本音。場所を変えて飲み比べを行いました。