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2020/1/10 19:07

両国駅「幻の3番線ホーム」が「酒飲みの聖地」に! イベント「おでんで熱燗ステーション」体験記

おでんと熱燗。寒い日にはたまらない組み合わせを、非日常の空間で満喫できるイベント「おでんで熱燗ステーション」がJR両国駅で開催されています。イベントが行われる場所は、電車好きには有名な「幻の3番線ホーム」。ふだんは入ることはできないこのホームがイベント用に特別に開場され、通過する電車を眺めつつ、おでんと熱燗の至福のマリアージュが楽しめるというわけです。メディア向け先行体験会のレポートを通して、その内容を紹介していきましょう。

↑会場の入口は両国駅の西口から入ってすぐの場所にあります。一般向けのオープン前には行列もできていました

 

ふだんは入れないホームで、チケット制のおでんと熱燗を楽しむ

「おでんで熱燗ステーション」は、2020年1月9日(木)から12日(日)までの開催で、各回50分入れ替え制となります。各回のスタート時間は、9日、10日が17:30~/18:45~/20:00~。11日が12:30~/13:45~/15:00~/17:30~/18:45~/20:00~、12日が12:30~/13:45~/15:00~となります。

↑会場には全国10蔵のブースがズラリ。9日&10日と11日&12日で出店する酒蔵が替わります

 

参加費は前売り券が2500円で当日券が3000円。入り口でトレイ・ぐい飲み・試飲券(10枚つづり・おでん券1枚付き)がセットになった試飲キットを手渡されます。試飲券に付いたおでん券1枚で紀文のレトルトおでんを受け取り、試飲券1枚と引き換えに燗酒をぐい飲みに1杯ずつ注いでもらうという流れ。

 

しっかり味がしみこんだおでんが5種類から選べる

実際に、おでんとお酒を注文してみました。まずはおでんから。こちらは紀文の「ご当地おでんシリーズ」から好きな味を選べるシステムになっていて、同行した編集部員の小林は「東京下町風おでん」を、筆者は「名古屋風味噌煮込みおでん」をチョイスしました。

↑おでんは「だし自慢おでん」「東京下町風おでん」「静岡風おでん」「名古屋風味噌煮込みおでん」「赤からおでん」の5種類から選べます

 

おでんの味は市販品とはいえ、おでん種が長時間つゆに使っているパック商品のため、味の染み込み方が抜群。種も豊富に入っているので、満足できる内容になっています。

↑おでんは温められたレトルトの袋で手渡され、中身を器に移して頂きます。筆者が選んだ「名古屋風味噌煮込みおでん」にはたまご、こんにゃく、ちくわなどの定番のほか、ホルモンなどの変わり種も入っていました

 

「全国燗酒コンテスト2019」で入賞した10蔵が熱燗を提供

そして熱燗は10蔵が出店するブースのなかから、好きな銘柄を選べるシステム。出店しているのは「全国燗酒コンテスト2019」で入賞した実力派の酒蔵です。

↑小林は、一杯目に広島県「賀茂泉酒造」の「賀茂泉 山吹色の酒」をチョイス

 

↑編集部小林がチョイスした「東京下町風おでん」と「賀茂泉 山吹色の酒」。酒器なかにはかわいらしいスマイルマークが入ったものも

 

筆者が個人的においしいと思ったのは、長野県「喜久水酒造」の「本醸造にごり酒 白貴天龍(しろきてんりゅう)」。その名の通り、粗くしぼった白濁のにごり酒で、米の鮮烈な甘味やどっしりとしたうまみが際立ち、温められることで、よりまろやかな味わいに。

 

「本醸造にごり酒 白貴天龍」は9日、10日の出店酒ですが、11、12日には兵庫県「大関」の「辛丹波にごり」が登場するので、ぜひお試しを。

↑「本醸造にごり酒 白貴天龍」

 

↑別途1000円で楽しめるトリュフ酒は各回10杯のみの提供。こちらはNYで人気の飲み方とのこと

 

「幻の3番線ホーム」は両国の魅力のひとつ

会場ではJR両国駅の駅長、西山和弘さんにお話を聞くことができました。

 

「かつての両国駅は、房総半島へ向かう総武本線の急行列車の発車場だったんです。かつては通勤客や千葉へ向かう海水浴客などでにぎわったものですが、1972年に東京駅の地下ホームが開業したことでその機能がそちらへ移動して役目を終え、残ったのがこの3番線ホーム。現在、ホームに行くまでの通路は『両国ステーションギャラリー』として、写真とともに歴史を学べる場として楽しんでいただいていますが、ホーム自体は閉鎖中。東京と房総半島を結ぶ自転車&サイクリスト専用の電車『B.B.BASE(BOSO BICYCLE BASE)』が運行する限られた時間に開場しているだけです。

 

このほかに3番線ホームが限定的に開場するのは、こうしたイベントがあるときですね。このおでんイベントは2回目で、ほかにもフード、お子さま向け、スポーツなどさまざまなイベント会場として利用いただいています。国技館や江戸東京博物館をはじめとした、両国の魅力のひとつとして、ぜひ訪れていただけたら」(西山駅長)

↑JR両国駅の西山和弘駅長。2016年より現職を務めています

 

歴史ある駅のホームで過ごす時間には、特別な癒やしがある

イベントの雰囲気については、体験した編集部の小林が以下のようにコメント。

 

「いや~、いいですね! 駅のホームだけに、ちょっと寒風が吹き込んで寒いんですけど、コートをかき寄せながら熱いおでんと熱燗をハフハフやるのが、風情があっていいじゃないですか。あと、普通ならホームで堂々とお酒を飲むなんてできないけれど、ここなら大手を振って飲めるのが貴重。たとえば、ほら、この提灯が下がっている鉄の構造物を見てください。駅長によると、これって電車のレールを再利用したものだそうですよ。それもまた、歴史ある駅ならではの魅力ですよね。3番線ホームは現役の2番線ホームを見上げる位置にあって、発着する電車やホームで待つ人々をぼーっと眺められるのもいい。一人で飲んでも癒やされそうです」

なお、各回3席限定で4名ぶんの「こたつマス席」もあり、こちらは1万2000円。これらのチケットは全国燗酒コンテスト公式ホームページか、両国観光案内所で購入できます。この「おでんで熱燗ステーション」は1月12日までの開催。おでん好き、日本酒好き、電車好きは要チェックです!

↑筆者も、GetNavi web編集部員の小林史於と「こたつマス席」で特別にパチリ。はんてんや撮影用パネルなどの小ネタも充実しているので、このシートはプラチナチケットになることは間違いないでしょう

 

↑もちろん、一人で来てもOK。SNS投稿にぴったりな小道具も用意されています

 

【EVENT DATA】

おでんで熱燗ステーション

場所:東京都墨田区横網1丁目 JR両国駅3番線ホーム

期間:2020年1月9日(木)〜12日(日)

時間:50分入替制

・9 日(木)・10日(金) 17:30〜 / 18:45〜 / 20:00〜

・11日(土) 12:30〜 / 13:45〜 / 15:00〜 / 17:30〜 / 18:45〜 / 20:00〜

・12日(日) 12:30〜 / 13:45〜 / 15:00〜

料金:

・一般券 前売券 2500円 / 当日券 3000円

・こたつマス席(4名分) 1万2000円〈各回3席限定〉

※各回開催時間までに購入が必要

 

撮影/我妻慶一

【ギャラリー】