いまやすっかり定着した、ノンアルコールビール。そのパイオニア「キリンフリー」を生み出したキリンが、この市場に新たな商品を投入します。それが4月3日に新発売となる「キリン グリーンズフリー」。
本稿では、発売する背景や理由、製法や味わいといった商品特徴を、市場を取り巻く状況とともに解説していきたいと思います。
ノンアルビールには積極的に飲みたくなる“革命児”が必要だ
誕生の理由には、ノンアルコール飲料市場のトレンドがあります。ノンアルコールのドリンクは世界的な潮流であり、アルコールを使わないカクテル「モクテル」が日本でもじわじわ話題になるほか、ハイネケンの地元オランダで「ハイネケン0.0」が発売されるなど、広がりを見せています。
開発の背景には、健康志向の高まりや嗜好の多様化のほかに、適正飲酒の啓発もあるとか。また、昨今SDGs(持続可能な開発目標)が提唱されるなか、その目標のひとつは「すべての人に健康と福祉を」。嗜好を満たしながらも健康を目指すことが、より大切となってくるのです。
そのうえで、なぜ新作なのでしょうか。これは前述した嗜好の多様化というより、ニーズの多様化が関係しています。キリンの既存商品には、日中や運転があるときなどに飲まれる「キリン 零ICHI(ゼロイチ)」と、休肝日やダイエット中などに飲まれる機能性表示食品「パーフェクトフリー」と「キリン カラダFREE」があります。
とはいえ、そのニーズには消極的な側面が否めません。というのも、これらはビールの代わりにアルコールや糖質などを我慢して飲むといったイメージがあるからです。そこで新しく提案するのが、ノンアルコール飲料市場の枠を超える、積極的飲用という新提案。「キリン グリーンズフリー」の誕生へとつながります。
香ばしく甘いジューシーな麦汁感に驚かされた!
では「積極的飲用とは何ぞや」というところ。これは、「キリン グリーンズフリー」最大のウリが、“自然派ビールテイスト炭酸飲料”であることに関係しています。よりストレートに健康ニーズに目を向けるのであれば、無添加であるべきでは? ナチュラルな製法のビールテイスト飲料があれば、健康志向の消費者に積極的に飲んでもらえるのでは?といった仮説です。
事実、その製法は既存のノンアルコールビールとは一線を画すもの。通常は香料や人工甘味料などを使い、ビールに近い味を再現するところを、技術革新によって添加物を使わずとも可能に。たとえば、麦本来のうまみは「一番搾り」の醸造法を応用。ホップ由来の爽やかな香りは、「淡麗グリーンラベル」などで使っている製法を一部に採用し、新たなおいしいビールテイストを実現しているそうです。ということで、いよいよ試飲へ。
第一印象は、あふれる麦汁感。「一番搾り」の製法を応用しているからなのか、キリンのビール工場などで体験できる麦汁の味わいに似た、香ばしい麦のジューシーな甘味を感じます。タッチは爽快で、軽やかなホップの苦味と香りが鼻に抜け、のどごしも良好。全体的にピュアというか、すっぴんな味わいだと思いました。
飲む前は、“これはノンアルコールビールというよりも、自然派ビールテイスト炭酸飲料なんです”的なブランディングの側面が強いのかと思いきや、味わいは確かに自然派。香料や人工甘味料を使わなかったことが、かえって新発想のおいしさにつながったともいえるでしょう。
発売は4月3日。ふだんからノンアルコールビールを飲んでいる人はもちろん、春のBBQや花見でドライバーを担当する人も、この機会にナチュラルな麦汁感をぜひご賞味あれ!
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