サードウェーブコーヒーのブームから早数年。街には気鋭の焙煎所やコーヒースタンド、カフェなどが増え、こだわりのおいしいコーヒーは身近なものになりました。そしてその余“波”が、ついにイエナカにも。サードウェーブクオリティのコーヒーを家で楽しむための商品が続々と登場しています。本誌ではこの動きを“フォースウェーブ”と定義し、その乗りこなし方を伝授します！
本記事では、マシンや器具を使わなくても、簡単においしいコーヒーライフを楽しみたいーーそんなものぐさな望みを叶えるドリップバッグにコーヒーバッグ、さらには最新ペットボトルや缶コーヒーも紹介していきましょう。
【解説する人】
フードアナリスト
中山秀明さん
GetNaviやGetNavi webで様々なグルメ、ドリンク、お酒記事を執筆。コンビニドリンクをはじめ、ソフトドリンクにも造詣が深い。
【ドリップバッグ編】専用ツールなしでハンドドリップ
最近では、ドリップバッグにもシングルオリジンの豆を使った商品が登場。これならこだわりの味を手軽に楽しめます！
【その1】加熱した果物に似た甘やかなフレーバー
キントー
ドリップバッグ
コスタリカ（5個入り） 972円
贅沢なシングルオリジンの豆を使用。加熱した桃やアプリコット、シロップのように、長く続く甘やかなフレーバーが魅力的。光を遮断するフィルムで個包装し、中に窒素を充填して酸化を防いでいるため、いつでも挽きたてのおいしさです。
【SPEC】●生豆生産地：コスタリカ（エル コンキスタドール）●処理方法：ウォッシュド●焙煎度合い：中煎り●1杯あたり約194.4円
【中山さんの分析】余韻が広がる上品で心地良いテイスト
「明るく温かい果実を彷彿とさせる、フルーティな甘味と酸味が印象的。アフターにはコク深い余韻がふわっと広がります。上品で心地良い一杯ですね」
【その2】苦味と酸味が好バランスで香ばしく甘やか
関西アライドコーヒーロースターズ ダ ラゴア農園コーヒー
シングルオリジン ドリップコーヒー（20袋入り）
1077円
厳しい基準の国際認証を得た、ブラジルの農園のコーヒー豆を100％使用。ローストナッツのように香ばしく甘く香ります。苦味と酸味のバランスが取れた味わいで、口当たりも良い。ロハコ限定販売中です。
【SPEC】●生豆生産地：ブラジル（ダ ラゴア農園）●処理方法：ナチュラル●焙煎度合い：中煎り●1杯あたり約53.9円
【中山さんの分析】後味スッキリで食事にも合う飲み口
「酸味も苦味も適度で、トゲがなくスムースで飲みやすいです。後味はスッキリ。合わせるならピザやサンドイッチなどの食事がオススメですね」
【その3】柑橘系の酸味と深いコクでリラックス
キーコーヒー
ドリップ オン トアルコ トラジャ（5杯分）
実売価格429円
インドネシア・スラウェシ島トラジャ地方の希少な「トラジャコーヒー」を使用。芳醇な香りと柑橘類を思わせる酸味、そのあとを追いかける深いコクと甘味が、ゆったりとした時間を演出します。
●生豆生産地：インドネシア（パダマラン農園）●処理方法：ウォッシュド●焙煎度合い：中煎り●1杯あたり約85.8円
【中山さんの分析】エレガントな風味で満足度高し！
「豊かなコクがありながら、エレガントな香りとフルーティな酸味で、すっきりと飲める贅沢な味わい。満足度が高いです。冷やして飲んでも良さそう」
【コーヒーバッグ編】湯や水に浸すだけで完成！
紅茶のティーバッグのように、気軽にお湯を注いで抽出できるのが魅力。水出しもできて、アイスコーヒー好きにも人気です。
【その1】明るく爽やかな余韻のアメリカンコーヒー系の味
猿田彦珈琲
猿田彦のコーヒーバッグ（5個入り）
691円
滑らかな口当たりとサラリとした飲み心地が特徴で、中深煎りながらアメリカンコーヒーのような軽やかな味わい。オレンジやキャラメルの風味と、明るく爽やかな余韻を楽しめます。
【SPEC】●生豆生産地：ブラジル、コスタリカほか●焙煎度合い：中深煎り●処理方法：ウォッシュド●1杯あたり138.2円
【中山さんの分析】シンプルなパンに合うビター系
「全体的にマイルドながら、適度にビターでバランスが良いです。明るめのスムースな飲み口は安定感のあるおいしさ。シンプルなパンに合いそうです」
【その2】深煎りの華やかな香りが特徴の大人気ブレンド
丸山珈琲
コーヒーバッグ（丸山珈琲のブレンド）
999円（5個入り）
創業当初から愛され続ける人気ナンバーワン商品が、コーヒーバッグに。豊かな香りや深いコク、チョコレート感を楽しめる深煎りブレンドで、シーンを問わず楽しめる完成度。
●生豆生産地：インド、エルサルバドルほか●処理方法：ウォッシュド●焙煎度合い：深煎り●1杯あたり約199.8円
【中山さんの分析】余韻が長くコク深いリッチな味わい
「豊かな香りと深いコク、ふくよかなボディで、ほど良い苦さも好印象。余韻も長く、リッチです。チョコレート系の甘く香ばしいスイーツのお供に◎」
【その3／コチラもオススメ】アソートパックならいろんな味が楽しめる！
堀口珈琲
コーヒーバッグ アソートセット（6袋入り）
993円
爽やかな酸味系、上品な香り系、コク深いナッティ系など、6種のフレーバーをひと箱に。堀口珈琲の入門に最適な、飲み比べが楽しいアソートです。
【ペットボトルコーヒー編】ミルク入りコーヒーが豊作
「ちびだら飲み」派に人気のペットボトルコーヒーはいま、カフェラテが豊作。各社のコールドタイプの新作の味わいをマッピング付きで紹介します！
【まず最初に味わいマッピング】
【その1】黒糖のほど良い甘さが日本人の味覚に合う
伊藤園
TULLY’S COFFEE JAPAN TASTE 黒糖ラテ（500mℓ）
172円
香味豊かなアラビカ種のコーヒー豆を国内で焙煎し、まろやかなカフェラテに。日本人の繊細な味覚に合わせて黒糖を使用し、ほど良い甘さですっきりとした味わいです。
【中山さんの分析】おしとやかな甘さにコーヒーがマッチ
「控えめな甘さがミルクのマイルドな味わいと調和しつつも、コーヒー感はしっかり。どら焼きやカステラなど、和菓子に合わせたい」
【その2】ヘルシーな豆乳を使ったさらりとやさしいラテ
アサヒ飲料
「PLANT TIME」ソイラテ（415mℓ）
162円
牛乳を一切使用せず、植物ミルクだけで作られたラテ。豆乳とコーヒーをバランス良く組み合わせ、さらりとしたやさしい口当たりに仕上げました。豆乳由来のイソフラボンを含んでいます。
【中山さんの分析】口当たりはライトでもコーヒー感アリ
「ミルクとは異なるまろやかさ。さらりと軽やかな口当たりながらコーヒー感も十分あり、紙パック系の豆乳コーヒーよりも大人な味わいです」
【その3】新技術によってやさしく広がるミルク感が美味
コカ・コーラシステム
ジョージア ラテニスタ カフェラテ（280mℓ）
150円
ミルクを注ぎ入れた直後のような豊かな味を実現する、「ミルクブースト技術」を新開発。これまでのペットボトルコーヒーにはない、やさしく広がる滑らかなミルクの後味を楽しめます。
【中山さんの分析】ミルク感が豊かでアロマもしっかり
「コーヒーのアロマがしっかりしていて、濃厚なミルクとのメリハリがイイ！ ビターな余韻も豊かで、完成度がピカイチです」
【コチラもオススメ】ほど良い苦味のビタータイプも登場！
「ビターラテ」も同時発売。ディープローストの焙煎豆を中心に使うことで、ほろ苦いコクを生み出しました。
【その4】雑味を除いた深煎り豆の豊かなコクと軽快さが絶妙
ダイドードリンコ
ダイドーブレンド バリスタズクラフト ラテ 世界一のバリスタ監修（520mℓ）
151円
ワールドバリスタチャンピオンシップの第14代王者、ピート・リカータ氏が監修。コーヒーのおいしさを引き出す「絹磨き製法」で雑味を取り除いた、深煎りのアラビカ豆を使用。豊かなコクと軽快さが絶妙です。
【中山さんの分析】味はマイルドで口当たりはクリア
「コーヒーのコクを生かしつつ、ミルクでマイルドに仕上げた上品なラテ。口当たりがクリアかつ甘さ控えめで、スムースな味わいです」
【その5】ほんのり香るコーヒーにすっきり甘いミルク感が美味
UCC上島珈琲
BEANS ＆ ROASTERS ミルク好きのラテ（450mℓ）
実売価格183.6円
牛乳に浅煎りの挽きたて豆で抽出したフレッシュなコーヒーをブレンド。すっきり系の甘いミルクにコーヒーがほのかに香る、名前の通り“ミルク好き”も納得の味わい。
【中山さんの分析】ミルクの香りは強いが飲み口はライト
「ミルクが芳醇に香りながらも飲み口はライト。マイルドで重くないカフェラテです。風呂上がりにゴクっと飲みたくなります」
【缶コーヒー編】
ペットボトルコーヒーに負けじと、缶コーヒーも続々と進化！ 新製法・新素材を採用した3本を紹介！
【その1】新感覚のウマニガフレーバー
アサヒ飲料
『ワンダ』X-BITTERブラック（245mℓ）
124円
ブラジルの最高等級高級豆をブレンド。超高温で徹底的に焙煎して生まれた極限の苦味と、その先にある爽快なうまさを体感できます。
【その2】飲んだあとに再びアロマが香る！
コカ・コーラシステム
ジョージア 香るブラック（260mℓ）
120円
猿田彦珈琲が監修。挽きたてアロマ製法による開封時の芳醇な香りと、飲んだあとに鼻に戻ってくるコーヒーの「もどり香」が特徴。
【その3】フルーティなアロマが華やぐプレミアムな味
サントリー
プレミアムボス コーヒーハンターズ セレクション 無糖（275mℓ）
124円
世界最高レベルのコーヒーを追求するコーヒーハンター、川島良彰氏と共同開発。フルーティなアロマが華やぐプレミアムなおいしさです。
文／中山秀明、鈴木翔子（本誌） 撮影／高原マサキ（TK.c） イラスト／勝間田しげる 撮影協力／UTUWA