大手ビールメーカーも参入して、ますます盛り上がりを見せるクラフトビール。消費者の選択肢も増えて、こだわりの味を気軽に楽しめるようになってきました。一方で、地域の市場やコミュニティを活性化させるための手段としても、クラフトビールは注目されています。
2020年8月1日に発売された「GARDEN ALE(ガーデンエール)」もそのひとつ。アパレルブランドのアーバンリサーチによるキャンプ施設「TINY GARDEN(タイニーガーデン)蓼科」、長野県茅野市のブルワリー「8Peaks BREWING(エイトピークスブルーイング)」らが共同開発した1本です。誕生の経緯とともに味わいをレポートしていきましょう。
アーバンリサーチのキャンプ場はビール企画も地元コミュニティも創造
GARDEN ALEは、アーバンリサーチが手がけた宿泊施設・TINY GARDEN 蓼科によって開催されたクラフトビールのワークショップ「BEER CLUB」によって生まれました。このTINY GARDEN 蓼科は、長野県・八ヶ岳のふもと、標高1250mの蓼科湖畔という絶好のロケーションにあります。詳細はこちら。
4800坪の敷地に、テントサイトや棟貸しスタイルのキャビンのほか、地元食材をふんだんに使った料理が楽しめるカフェ、ハイセンスなアウトドアギアを扱うショップ、さらには温浴施設も完備しています。
また、場内にはワークステーション棟やデッキが設えられたマルチスペースを備え、アクティビティやクラフト体験、ワークショップなどが盛んに開催。そのイベントのひとつがBEER CLUBだったというわけです。キャンプ場がハブとなって、地元・長野県のビール醸造家とビール愛好家のコミュニティが誕生しました。
八ヶ岳の食と自然を愛するクラフトビールブランドが参画
ワークショップで生まれた商品企画を実際に製品化したのが、八ヶ岳山麓でクラフトビールを醸造している8Peaks BREWINGです。代表の齋藤由馬(さいとうゆうま)さんは、清酒メーカーやクラフトビールメーカーで修業を重ねた後、2018年に同ブランドを立ち上げました。ちなみに八ヶ岳山麓はおよそ80年前に、日本で初めて大手ビールメーカーによるホップの栽培が行われた土地のひとつだそうです。
代表作はモルトの優しいコクが印象的な「ヤイヤイペールエール」、フルーティな香りと軽快なキレが特徴の「メタウィートエール」、国産柚子の皮を使った夏季限定の「アチーラ セゾン」などです。
ビール造りのコンセプトは、「ここのビールを飲むために八ヶ岳に来たといわれるような存在になる」こと。地元の食材や自然によく合う、すっきりとした苦みのある、香り高いビールが持ち味です。
華やかな香りとコクが秀逸。キャンプ場やBBQで飲みたい!
8Peaks BREWINGやビール愛好家、地元の飲食店など約30名が集い、クラフトビール醸造企画がスタートしたのが2020年1月。そこから数多くの議論と試作検討の末に「GARDEN ALE」が完成しました。
同商品は八ヶ岳のふもと、標高1250mの白樺に囲まれたフィールドを舞台とし、「蓼科で、キャンプ場で飲みたい最初の一杯」というイメージで造られています。
原材料はイギリスで製造された麦芽をベースに、4種のホップとアイリッシュモスが使用されています。アイリッシュモスはナデシコ科に属する草丈10cmほどの常緑多年草。伝統的なビールの製法でよく登場する原料で、ビールの濁りを取り除く清澄剤として使われます。麦芽比率や副原料の使用量の関係で、GARDEN ALEは日本の酒税法上の分類では発泡酒になります。
実際に飲んでみると、みずみずしい柑橘系のフレーバーと、すがすがしいビター感が同居。苦みの中に、爽やかさ、ジューシーさ、酸味などがバランス良く調和し、4種のホップがそれぞれの特徴を引き出し合っている印象です。
麦の甘味も豊かで、飲みごたえはしっかり。それでいてほど良いキレがあって爽快感も高く、アルコール5.2%なので重くなくゴクっと飲めます。
適度な味の濃さと華やかな香り、シャープなのどごしがあり、バーベキューなどの香ばしいシンプルな料理はもちろん、スパイシーな料理などにもぴったり。カラッとした清澄な空気の中でのバーベキューやガーデンパーティを、心地良く彩ってくれるでしょう。
GARDEN ALEは8月1日から発売していて、現在ではTINY GARDEN 蓼科のほか、「蓼科高原カントリークラブ」や茅野市のそば店「そば傍」で飲むことができます。また、アーバンリサーチが運営する飲食店舗の一部でも提供予定とのことなので、あわせて要チェックです!
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