グルメ
2020/12/26 11:00

アリ? ナシ? 2020年ヒットした「オートミール」を鍋のシメにしてみた。一番美味しかったのは?

今年ヒットしたのが「オートミール」という食材です。巣ごもりによる、いわゆる「コロナ太り」を防ごうと、お米の代わりにカロリーの少ないシリアルを使う人が増えたためですが、『日本食糧新聞』によると、オートミールを含む「シリアル類」は前年比で約40.6%も消費が伸びたそうです。

 

シリアルと聞けば「コーンフレークとかのアレね!」となんとなくわかるにしても、そのカテゴリーに入るオートミールを説明できる人は意外と少ないのでは? そこで今回は、オートミールを紹介しながら、寒い時期に欠かせない料理「鍋」のシメにオートミールを使うとどうなるかを検証! 参加したのは、フードライターの中山秀明さん、編集部員・野田、カメラマン・我妻と筆者の4名で試食しレビューします。

↑本企画のために、複数のカルディを巡りましたが、品薄で入手するのに難儀しました。「順次入荷する」とのことでしたが、保存しておけることもあり、まとめ買いする人が多いのかもしれません

 

コレステロールの上昇を抑えるオートミール

↑お米と同じ穀物で糖質を含む食品なのに、ダイエット食にもよく使われるオートミール

 

まず、オートミールとは何かを説明します。「太りにくい」「ダイエット食に使われる」というイメージがあるオートミールですが、燕麦(えんばく)の胚芽などの部分を無精製で含む全粒穀物で、一般的な穀類よりも食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。ただ、お米と同じ炭水化物。糖質を含んだ栄養バランスに優れた食品です。しかし、なぜオートミールが「太りにくい」のか。

 

これには理由があって、米や麦などの精白された炭水化物(穀物についている皮をとり、白く加工したもの)から糖質をとると、人間の体内で血糖値が急激に増加し、さらにそれを下げるためにインスリンが分泌されます。一方で、インスリンには脂肪を溜め込もうとする働きもあるため体内で悪循環となり、栄養を摂りすぎてしまう。エネルギーを消費しないと、どんどん太っていってしまうというわけです。

↑左上の2つが精白された米と小麦粉。右がオートミール

 

オートミールは精白されていないため、体に取り入れても血糖値の急激な増加はないと言われています。また、オートミールの糖質は体内に入った後も緩やかに上昇するため、インスリンも急激な分泌がないから太らない。さらにオートミールにはコレステロールの上昇を抑える食物繊維も多く含んでいることから、一般的な炭水化物よりも「太らない」と言われています。

 

オートミールを含むシリアルのカテゴリーには、穀物加工品の総称でコーンフレーク、グラノーラ、ミューズリーなどがあります。どんな穀物由来か、どんな加工方法かによって種類分けされており、カルディのような輸入食材屋には、様々なシリアルが販売されています。これまでオートミールは豆乳を加えた甘いおかゆとして、アーモンドミルクなどを加えフルーツを乗せて食べ方などが定番でした。しかし、「お米代わりになんでもできるじゃん!」と知った人は海苔巻き、パン、クッキーなど、様々な料理に取り入れているようです。

↑今回、鍋のシメに使うオートミール「オドラムズ クイックオートミール」540円(税込・カルディ価格)

 

少々堅苦しい話が続きましたが、今回はアイルランドのメーカー「オドラムズ クイックオートミール」を使い、鍋のシメに食してみます。

 

「水炊き」のシメにオートミールを使ってみた!

↑シンプルで素材の味を活かす鍋「水炊き」

 

最初にごく一般的な「水炊き」からいきます。水炊きは、鍋に水を張り、だし昆布を一定時間移した後、沸騰していない水の状態から鶏もも肉を投入。鶏スープが取れたところで野菜類を加え、お好みのつけだれ(ポン酢など)でいただく定番鍋です。シンプルさがゆえ、オートミールと鍋との相性を如実に感じられるかも!?

「水炊き」のシメにオートミール・レシピ

【材料】
・水炊きの残りつゆ……150ml
・オートミール……50g
・卵……1個
・小ネギ……適量

【作り方】
①鍋の残りつゆにオートミールを入れ1~2分弱火で煮る
②卵を割り入れ、好みの硬さになるまで火を入れて完成

 

ーーまず、「水炊き」というシンプルな鍋のシメに、オートミールを入れてみたわけですが、素直に美味しいですね。先入観ではもっとパサパサするのではないかと思っていましたが、ほのかに弾力があります。

 

中山秀明さん(以下、中山) 僕もパサパサしそうなイメージを抱いていましたけど、十分美味しい。オートミール自体に甘味があり、スープにもとろみを与えてくれてなかなか良いですね。

 

編集部員・野田(以下、野田) 僕はオートミールの前情報を知っていたので、ある程度の味はイメージできていましたけど、糖分がもっとお菓子っぽいかなと思っていました。確かに甘いんですけど、スープにちゃんと合っています。お米の代用にもなりそうだし、普通に鍋のシメとしてアリだと思いますね。

 

カメラマン・我妻(以下、我妻) なんか穀物っぽさが前に来るというよりも、鍋の具の一つにもなりそうな感じで、普通に美味しいです。僕だったら、オートミールを鍋の最後のシメで使うのではなく、具の一つとして途中で入れてしまうかも(笑)。そして、最後のシメはやはりお米を入れる、という。そんな感じの使い方をイメージしましたね。

 

「豆乳鍋」のシメにオートミールを使ってみた!

↑「豆乳鍋」

 

水炊きに入れたオートミールは満場一致で「アリ」の結果になりましたが、次に鍋を変えてみることにしました。もはや定番の一つと言っても良いほどに定着している「豆乳鍋」。このシメにオートミールを入れて食べてみます。

 

今回は、キッコーマンの「濃厚豆乳鍋つゆ 香る鰹だし」を使用。豆類とオートミールの相性は良さそうですが、さらにトッピングとして、食物繊維が豊富なケロッグのシリアル「オールブラン」を追加。つまり「追いシリアル」をするという寸法ですが、これがどういう味を生み出すか期待大!

↑豆乳鍋のトッピングに使う「オールブラン ブランリッチ」(ケロッグ)。食物繊維を含んだ小麦ブランのシリアル

 

↑スティック状で「鍋のシメにオートミール」にアクセントを与えてくれるそう

 

「豆乳鍋」のシメにオートミール・レシピ

【材料】
・鍋の残りつゆ……150ml
・オートミール……50g
・オールブラン(シリアル)……適量

【作り方】
①鍋の残りつゆにオートミールを入れ1~2分弱火で煮る
②好みの硬さになるまで火を入れ、最後にオールブランを加えて完成

 

ーー豆乳の丸い口当たりに、やはりオートミールは合いますね。また、オールブランを加えたことで、香ばしさが出たような気もします。

 

中山 そうですね。すごく美味しい。ただ、オールブランの味のほうが前に出ちゃって、せっかくのオートミールが負けてしまった感じもしました。全然悪くはないんですけど、せっかくなので、シメの前半はオートミールだけ。そして、シメの後半でオールブランをトッピングする。この2段階で楽しむのが良いんじゃないかと思いました。

 

我妻 見た目的には綺麗に見えないですけど(笑)、かなり美味しい。先ほどの水炊きよりは、豆乳鍋などの濃いめの鍋のほうがオートミールに合うような気がしました。僕、デブの思考なんで(笑)。

 

野田 そうですね。僕も水炊きよりも、豆乳鍋のほうが違和感なく食べられました。オールブランとの組み合わせも結構アリですね。オートミールは鍋のシメになんでもイケてしまうのかな。

 

「キムチ鍋」のシメにオートミールを使ってみた!

↑コク、辛味、旨味たっぷりのキムチ鍋

 

寒い日、ガツンと食べて温まりたいときには持ってこいの「キムチ鍋」。コリアン由来のキムチ風味なので、韓国食品のメーカー・モランボンの「キムチチゲ用スープ」を使用。キムチの辛味、豚肉のコクがふんだんに詰まったスープにオートミールを入れ、最後にチーズを乗せてまろやかさも出してみるという寸法です。

「キムチ鍋」のシメにオートミール・レシピ

【材料】
・鍋の残りつゆ……150ml
・オートミール……50g
・ミックスチーズ……適量

【作り方】
①鍋の残りつゆにオートミールを入れ1~2分弱火で煮る
②好みの硬さになるまで火を入れる
③ミックスチーズをちらし、溶けたところで完成

 

野田 僕、今回のラインナップの中ではキムチ鍋のシメにオートミールというのが一番美味しく感じました。

 

我妻 僕もそうです。オートミールの違和感を全く感じなくて、「普通に美味しい具だな」と思いながら食べられるそうに思いました。チーズも合っているしすごく美味しい。今回の中では僕も一番好きですね。

 

中山 韓国に行って「こういう名物鍋があるんですよ」と、今回のキムチ鍋にオートミールが入ったものを出されたら「へぇ。美味しいな」と普通に食べられそうなくらい違和感はありませんでした。

 

ーー個人的には水炊きのようなシンプルな鍋にオートミールを加えるほうが良いと思ったのですが。

 

中山 どちらかというと僕は逆ですね。水炊きに加えたオートミールも美味しかったですけど、やはりキムチ鍋のような濃い目の鍋に加えたほうが、逆にオートミールの個性が際立つように思いました。

 

オートミールは濃い目の鍋のシメに合う?

ーー普段皆さんがよく好んで食べる・作る鍋を教えてください。

 

中山 僕はここ数年ずっと好きなのは「カレー鍋」ですね。カレー鍋に餃子を入れるっていう。なぜ餃子かというと、餃子ってある意味、中に入っているものが肉団子じゃないですか。その肉団子を覆っているものが小麦粉の皮なので、なんとなくシメの麺みたいなものも一緒に楽しめるという。それと、ソーセージも入れるんですけど、餃子にしてもソーセージにしても結構いい出汁が出るんですよ。

 

我妻 それは僕もやります。僕は「チーズ鍋」が好きなのでよくやるんですけど、そこにウィンナーを入れたり、あとスパムを入れたり。スパムも良い出汁、良い脂が出ますよ。ただ、これを水炊きのようなシンプルな鍋でやると、味を台無しにしそうなので、やはり濃い目の鍋でやるべきだと思いますけどね。

 

野田 僕はもつ鍋が好きで、そのせいかやっぱり濃いめの鍋が好きですね。そういう嗜好があるからかもしれないですけど、やはり今回の中ではキムチ鍋にオートミールを入れるのが一番好きでした。

 

ーーやはり水炊き+オートミールが一番良いと思ったのは自分だけのようですね(笑)。

 

我妻 いや、水炊きにオートミールが合わないわけではないです。ただ、仮にお米を鍋に入れた場合、鍋そのもの味よりもお米のほうが前面にくる感じがありますよね。その点オートミールのほうが鍋の味を生かしてくれるから良いなと思うんですけど、そう考えると水炊きより濃い目のガツンとくるもののほうが、オートミールの役割が出る気がするっていう。

 

中山 あと、参鶏湯、火鍋、タイスキなどもオートミールが合うように思いましたね。薬膳系の鍋ってことですね。比較的繊細な和食系の鍋のシメにオートミールが美味しくないわけではないんですけど、なんとなく薬膳やスパイスを使ったアジア、エスニック系のほうが合う気がします。全般的に言うと鍋のシメにオートミールを使うのはすごく良いと思いました。

お米や小麦類に比べて、オートミールの糖質がどれほどなのかはわからないですけど、今多くの人たちが「ダイエットに効く」ということで食べていますよね? それが正しいのだとしたら、やはり鍋のシメには良いんじゃないかと思います。美味しいですし、罪悪感なく食べられますし。それと、お米のように炊かずに、乾燥の状態から鍋に入れて1〜2分で食べられるのも良いですね。万能な食材だと思いました。

 

野田 鍋のシメって、お米、ラーメン、うどんなどいろいろありますけど、僕は断然麺類派だったんです。でも、今回のオートミールが想像以上に良かったですよ。なので、今日は帰りにカルディに寄って買って帰ろうと思います(笑)。

↑今回、一番人気となったキムチ鍋でのオートミールシメ。あなたはどんな鍋にオートミールを合わせたいですか?

 

冒頭でも触れた、オートミールの人気の理由がよくわかる結果となりました。鍋だけでなく、米、小麦代わりの様々な料理にも転じられるオートミール。今回は鍋のシメとしてオートミールを活用しましたが、その奥深い魅力をさらに引き出すべく、様々な料理に転じる実験をしてみたいと思いました!

 

撮影/我妻慶一

 

 

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