3月30日に首都圏・関信越エリアの1都9県で先行発売された、アサヒビールの新商品「アサヒ ビアリー」。アルコール度数1%未満の“微アル”という、消費者のライフスタイルの変化に合わせた新しい提案です。本稿では、「アサヒ ビアリー」のスペックや開発された背景、そして実際に飲んでみた、味わいをレポートしていきます。
「脱アルコール」の新製法で本格的な味わいを実現
2020年12月から、アサヒビールでは「スマートドリンキング」を提唱しています。これは2021年6月までに各商品の純アルコールグラム量を開示するほか、2025年までにアルコール度数3.5%以下の商品構成比20%を目指すという具体的なアクションとともに、お酒の飲み方の多様性を提案する取り組みのこと。
同社が目指すのは、お酒を飲める人、飲めない人、あえて飲まない人など、誰もがそれぞれのシーンや気分に合わせて、自分のペースでドリンクを楽しめる世界の実現。その取り組みの背景には、お酒に関しての世界的な潮流も影響しています。
さらに海外では、自らすすんで低アルコール・ノンアルコールを選ぶ「ソバーキュリアス」がトレンド。健康志向をはじめとする多様な考え方を受け入れ、「節度を持って自律的にアルコールと向き合う」というスタイルは、今後日本でも広がっていくことが予想されます。とある統計によると、すでに日本人の成人のうち半分はお酒を飲まないとか。そこには下戸で飲めない人だけでなく、飲めるけど自主的に飲まない人も多く含まれています。
ただ、日本でソバーキュリアスが一般的になるには、課題があります。それは、日本国内で現在発売されているノンアルコール飲料・低アルコール飲料の満足度の低さ。アサヒビールの調査によると、およそ8割もの人が「ノンアルコール飲料」に味や飲みごたえで物足りなさを感じているという結果が出たそうです。そこで、低アルコールを実現しつつも、高い満足度を得られる商品として、「アサヒ ビアリー」が開発されたのです。
「アサヒ ビアリー」の商品コンセプトは、本格的なビールのようなおいしさを、シーンやペースに合わせて自由に楽しめる、ということ。そのために「脱アルコール」という新しい技術が採用されています。ざっくりいうと、普通のビールから、アルコール分だけを取り除くという製法です。
まずは100%ビール由来原料を使用して、香り豊かでコク深いビールを醸造します。それからじっくりと時間をかけて、アルコール分だけを蒸溜して除去していくのです。そうすることで、ビールが本来持っている発酵による複雑な香りや、本格的な麦のうまみをキープ。きめ細かな泡もそのままで、上質なビールの飲みごたえを楽しめます。
ちなみに「アサヒ ビアリー」は法律上の区分では、ビールではなく炭酸飲料。アルコール度数を0.5%にした理由は、試作段階でいろいろと飲み比べた結果、味の評価が最もよかったからだそうです。
想像以上の飲みごたえ。料理にもよく合う
そんな、脱アルコールの新技術によって生まれた「アサヒ ビアリー」。第一印象として、黒を基調としたパッケージデザインが上質さを感じさせます。そしていよいよ、缶を開けて飲んでみることに。
ん? 明らかにこれまでのノンアル系のビールよりも飲みごたえがあります。ベースがれっきとしたビールだからか、0.5%のアルコールが効いているからなのか、とにかくノンアルとは一線を画す“ビールの存在感”があります。
グラスに注いでみると泡立ちもパワフルで、爽快感やのど越しも十分。一般的なビールに比べれば、麦のうまみや苦味といった輪郭はおとなしめですが、水っぽいとか味が薄いという印象はなく、ゴクゴク飲めるライトでやさしいビールといったニュアンスです。
せっかくなので、フードとのペアリングも試してみました。今回はビールと相性のいい揚げ物ということで、みそかつを用意しました。
「アサヒ ビアリー」の爽快感が肉や油のジューシー感を適度にリセットしてくれるのはもちろん、みそだれの甘じょっぱさと麦のうまみが調和して好相性です。繊細な和食から濃厚な洋・中の料理まで、しっかりマッチすると思いました。
「アサヒ ビアリー」は350ml缶で価格は税抜181円。一度ビールを作ってからアルコールを抜いていると考えれば、納得の値段といえるでしょう。まず関東の1都9県で販売されて、6月29日から全国で発売予定です。休肝日を設けたいけどノンアルでは物足りないという人、ビールは好きだけどすぐに酔ってしまうという人などは、ぜひ試してみてください!
【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】