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2021/6/14 5:50

販路拡大で爆売れ中! 伝説のホップ「SORACHI1984」担当者が語る日本のビールの可能性

ホップで選ばれるようになれば、ビールはもっと楽しい

冒頭で述べた通り、今春リニューアルした「サッポロ SORACHI1984」。どこが進化したのかを聞くと、国産ホップの使用比率がアップしたことだといいます。

↑「ソラチエース」は北海道空知郡上富良野町産を一部使用。メインはアメリカ産ですが、その理由は日本産の絶対数が足りていないから

 

「国産の『ソラチエース』比率を上げていくのが私たちの使命の一つ。年々上がっているのですが、おかげさまで『サッポロ SORACHI1984』の販売数量も増えています。去年は共同契約の生産者さんの圃場(ほじょう。畑のこと)に植えて、今年から収穫していく活動も。そうやって、いつか日本産100%の仕様で届けることを夢見て今後も増やしていきます」(新井さん)

↑左が一般的なホップで、右が「ソラチエース」。ホップの球花(きゅうか)が大きいのも「ソラチエース」の特徴です

 

改めて、最新版を飲んでみました。やはり「ソラチエース」ならではの個性は健在。ハーバルで華やかな香り、柑橘系のジューシーな苦みの中に、ウッディな爽快感や南国的で陽気なニュアンスも。

↑泡立ちも良好。海外のホップに負けないジューシーな苦みがありながら、繊細なオリエンタルフレーバーがあって非常に好みな味わいです

 

筆者が個人的に気になっていたのは、最近セブン-イレブンでも見かけるようになったこと。聞けば5月から取り扱いがスタートし、「サッポロ SORACHI1984」の売り上げはさらに絶好調とか。そこで、セブン-イレブンのPBとのオススメペアリングを聞いてみました。

 

「繊細系から濃厚系まで様々なおつまみに合うと思いますが、意外性があってぜひ試していただきたいのが、セブンプレミアムのアップルマンゴーや、アップルマンゴーを使ったアイスです。というのも、以前『モザイク』というマンゴーのような香味特性をもつホップを使った限定商品「SORACHI1984 SESSION」を造ったことがあり、非常に互いの魅力を引き立て合う相性の良さだったのです」(新井さん)

↑「まるで完熟マンゴー」(税込138円)を合わせてみました。たしかに、マンゴーのトロピカルな余韻がビールの爽快な苦みと合わさって、双方がよりボリューミーなおいしさに

 

新井さんに今後の取り組みを聞くと、最近では有名な実演販売士・レジェンド松下さんによる商品紹介動画をYouTubeでアップするなど、ブランドの接点を増やしているとか。また、情勢を見ながら外食でもユニークな飲用体験を提案したり、北海道色の強いお店で訴求する活動をしていくそうです。

 

「長期的な夢は、ワインがシャルドネなどの品種で選ばれているように、ビールがホップの種類で選ばれるようになること。これは海外のビール先進国でもそれほど実現されていませんが、いつかホップの代表格に『ソラチエース』があるとうれしいですね。以前、キリンビールさんとコラボイベントを行いましたが、多くの造り手や生産者さんと協力しながら、ホップの魅力や可能性を伝えていきたいです」(新井さん)

↑「サッポロ SORACHI1984」の公式サイト。新たに、ホップに関する詳細なコンテンツが加わりました。2020年に植えた「ソラチエース」が育つ様子も見られます

 

まだまだ続くであろう家飲み需要と、家庭向けクラフトビールの消費拡大。「サッポロ SORACHI1984」を飲んだことがない人は、ぜひ一度お試しを。

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