想像以上にトガッてるけど好きな人はハマる味
アサヒビールの今年最大のヒット商品といえば、売れすぎて4月20日の発売初日に一時出荷停止となった「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」でしょう。あのボリューミーでシルキーな泡は中身ではなく缶内面に設けた凹凸部が関係していますが、つまりパッケージの開発にも優れた技術をもっているということです。その一端が、このボトル缶にも。
回りくどい説明となりましたが、何が言いたいかというと、飲み手のことを考えた設計になっているということ。口が広いため、ボトルから直接飲んだ際に、缶内部の香りが鼻孔に多く流れやすいのです。これが飲み手にとって、おいしさとなって伝わるというわけです。
本稿では色味を伝えるため、グラスに注いで撮影していますが、グラスに注がなくても豊かな香りを最大限に享受できるのは、広口ボトルならではでしょう。ということで、まずは「アサヒ 和がさね酎ハイ国産ゆず生姜」からひと口。
飲んでみると、落ち着いたボトルデザインからは想像できない攻めた味に驚かされました。舌先から鼻にまで届く、ピリっとした刺激。これはまさに生姜です。例えるなら、普通のジンジャーエールと、アサヒ飲料「ウィルキンソン ジンジャエール 辛口」の違い。あのエッジの効いた辛みに似たインパクトがあり、甘さは控えめ。そのうえで、ゆずがあたたかみのある柑橘感をプラス。はんなりした側面もありながら実にスパイシーで、飲みごたえがあります。
「アサヒ 和がさね酎ハイ国産田熊すだち和山椒」は、辛さは前述「アサヒ 和がさね酎ハイ国産ゆず生姜」よりおとなしめ。その一方香りは鮮烈で、こちらもはっきりとした個性の強さを感じます。和山椒の滋味深く青々としたフレーバーに、芯のあるすだちの柑橘感。甘さはより控えめな印象で、余韻はすっきりとしたクリアな味わいです。
個人的には、崩し割烹、おしゃれ系焼鳥、和バルなどの技アリ和食店で提供される生搾りサワーのような方向性だと思いました。この意欲作を全国のファミリーマートで発売するとは、その挑戦にもアサヒビールの自信を感じますが、これは好きな人は確実にハマる味。辛口ジンジャーエールやクラフトコーラなど、スパイシーなドリンクが好きな大人はぜひ試してみてください。
【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】