コロナ太りが叫ばれる昨今、ヘルシー志向の高まりで糖質ゼロや甘味料ゼロのお酒が人気を集めています。そしてそのさなか、ビッグネーム初の缶チューハイがデビューしていたことをご存知でしょうか。それが「いいちこ下町のハイボール」。潜在ニーズを掘り起こし、新フレーバーも登場した同ブランドの2本を今回はレビューします。
麦焼酎のトップランナーが満を持して新発売
「いいちこ」は、お酒好きの人なら聞いたことがあるでしょう。これは大分を拠点とする三和酒類の看板ブランドで、原材料が大麦であることも大きな特徴。大麦、大麦麹と大分の良質な水からつくられた本格焼酎で、日本はもちろんいまや世界30か国以上で愛され続けています。
名実ともに、三和酒類は大麦をベースとした焼酎のトップランナー。その知見を生かした和のスピリッツ「TUMUGI」や、世界的なバーテンダー後閑信吾さんとのコラボ焼酎「The SG Shochu MUGI」なども手掛けています。
そんな、芋焼酎のスペシャリストである三和酒類の看板ブランドが「いいちこ」。1979(昭和54)年発売のロングセラーでもあります。一方で若い世代からは「知っているけど飲んだことがない」「親世代や祖父母世代が飲んでいるイメージ」などの声があったそう。
そこで、どうすれば「いいちこ」をもっと幅広い世代に飲んでもらえるか検討したときに、「気軽さ」「飲み切りサイズ」がポイントになると考え、さらには缶チューハイ市場の盛り上がりも追い風となり、「いいちこ下町のハイボール」が誕生したのです。
デビューから約半年。味わいを選べる楽しさをプラスしたいという狙いで、2021年2月に発売された第2弾が「いいちこ下町のハイボール GOLDEN BLEND」です。こちらは豊かな香味が魅力の、樽熟成樽貯蔵酒をブレンドしているのが味わいの特徴。デザインは、温かみや力強さを感じさせる世界観となっています。
ヘルシー缶チューハイの新たな選択肢だ!
ここからは、中身の特徴によりフォーカスしていきます。冒頭で触れましたが、アルコール度数は両方とも7%で、スピリッツ(蒸溜酒)ベースならではのヘルシーさもポイント。プリン体、糖質、甘味料はゼロで、香料も使っていない体にやさしい仕様となっています。
次は「いいちこ下町のハイボール」から、液色や香りをチェック。色はほぼ透明で、香りは麦焼酎の甘やかな香ばしさがほんのりと、その奥で柑橘のみずみずしさが少しだけ感じられます。
飲んだ第一印象は、クセはないものの個性はしっかりしているということ。クリアな味が特徴のウォッカや甲類焼酎ベースの缶チューハイよりも芯があり、かといってアルコールのトゲはなくスムース。酸っぱいとまではいかない、かすかなシトラスフレーバーがシュワッとした炭酸にマッチし、すこぶる爽快です。
次は「いいちこ下町のハイボール GOLDEN BLEND」を試飲します。こちらは、樽で熟成させた麦焼酎を25%以上使用しているのが差別化ポイント。大麦のスピリッツを樽で熟成させる工程は、モルトウイスキーでも用いられる製法です。そのため、どこかウイスキーを思わせるフレーバーを感じます。
飲んでみると、確かにウイスキーっぽさが出ていてコクが豊か。燻製とは違うのですが、香ばしくて野性味を演出しています。また、ウイスキーのハイボールほど洋酒のニュアンスはないので、独特のウッディさやスモーキーさ、フルーティさが苦手な人にもオススメです。
今回の2本を比較すると、「いいちこ下町のハイボール GOLDEN BLEND」のほうが大人な味わい。また、どちらも甘くなくて料理全般に合いますが、「いいちこ下町のハイボール」のほうがお造りなど繊細な料理にマッチし、「いいちこ下町のハイボール GOLDEN BLEND」は肉、タレ味、みそ味、中華、燻製などによく合うと思います。
チューハイとは酎ハイ。つまり焼酎ハイボールのことですが、ヘルシー缶チューハイの新たな選択肢として登場した2つの「いいちこ下町のハイボール」、本稿を参考に、ぜひお試しあれ。
【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】