あんな夢、こんな夢いっぱいあるけど
「ラーメン」と双璧をなす人気メニューが「炒飯」だ。特徴は、ゴロゴロッと贅沢に入ったチャーシュー。ラーメンに使っているものと同じで、35~40分下茹でしてからしょうゆをベースに5~10分甘じょっぱく煮て完成させる。
↑塊で仕入れた肩ロースを使い、余分な脂はしっかりと掃除
具材は大胆に使いつつも品数は最小限に、そして調理は丁寧に。卵はご飯とともに強火で熱を通してふんわり香ばしく仕上げ、味付けは塩こしょうにうまみ調味料と日本酒を数滴。きわめてシンプルながら飽きのこない、止まらないンマさのチャーハンだ。
↑「炒飯」600円。具材は大きめのチャーシューと卵で、ねぎは入らない潔さ。そのぶん、紅しょうがのシャキッとピリッとしたアクセントがたまらない。やさしい味のみそ汁もナイスなパートナーだ
「松葉」は飲む店としても使える。つまむなら「焼餃子」がイチオシだ。多い日には35皿ほども出る人気のサイドメニューで、味に深みがありながらも重くないのが魅力である。
↑具材には豚ひき肉、にら、キャベツ、長ネギが入る。以前はしょうがとにんにく入りだったが、いまは入れなくなったのだとか
比較的にあっさりとした餃子ではあるものの、味付けは複層的。しょうゆ、塩、日本酒、紹興酒、ごま油などを多彩に使い、タレがなくそのまま食べても十分なおいしさに仕上げている。食事のおかずにも、酒のつまみとしても大活躍間違いなしだ。
↑「焼餃子」400円。ジューシーな肉とシャキシャキ野菜のメリハリが絶品
そして、お酒としてぜひオーダーしたいのが「チューダー」だ。これもファンにはおなじみの傑作。宝焼酎を三ツ矢サイダーで割った、「トキワ荘」住人が溺愛したオリジナルチューハイのことである。
↑「チューダー」350円。サイダーのフルーティーな甘みに、熟成感のあるコク深い焼酎のうまみがマッチ。至福のペアリングをぜひお試しあれ
これらの美酒美食をよりおいしくさせてくれるのが、店内に飾られた写真や色紙の数々だ。レジェンドのお宝に加え、先達をリスペクトする先生方のサインも多く、同店が世界中の人から愛されていることがよくわかる。
↑白黒の写真は、1952、1953(昭和27、28)年の「松葉」だそう。当時の「ラーメン」は45円、「やきめし」は70円だった
同店は1950(昭和25)年ごろ創業で、前回の東京オリンピックが開催された1964(昭和39)年にいまのビルに建て替えられたという。そしてトキワ荘にゆかりの深い店としては、現存する唯一のスポットなのだとか。まさに生きる伝説。
↑店主の山本麗華さん。手にはあのせぇるすまんが、「ホーッホッホッホッホーッ!!」と笑っている
「まんが道」などで描かれる商店街のにぎわいこそ失ったかもしれないが、ここにはどこかぬくもりが感じられる。それはきっと、「松葉」には未来を夢見た若者の希望がいっぱい詰まっているからだろう。訪れた暁には、あんな夢、こんな夢を、いっぱい思い描き語り合ってほしい!
撮影/我妻慶一
【SHOP DATA】

松葉
住所:東京都豊島区南長崎3-4-11 PINE LEAF 1F
アクセス:都営大江戸線「落合南長崎駅」A2出口徒歩8分
営業時間:11:00~15:00 17:00~20:30(日によって変動あり)
定休日:月曜(祝日の場合は営業、翌日休み)
【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】
↑突如「ドーン!!!!」と現れる、黄色と赤で構成された、ザ・街中華のルックス。これでいいのだ。都営大江戸線の落合南長崎駅または、西武池袋線の椎名町駅からも行ける ↑1952(昭和27)年から1982(昭和57)年にかけて存在した「トキワ荘」がミュージアムとして復活。当時の場所とは若干違うが、近所の公園に建てられた ↑右上にあるグレーの部分が落合南長崎駅で、中央右のアパートのイラストが「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」。その少し左の(18)が「松葉」だ ↑「まんが道」より。左下の方が当時の鈴木伸一(ペンネームは風田 朗)先生だ。「松葉」の随所には、各マンガにおけるゆかりのシーンが。貼ったのはお店の方ではなく、ファンだとか ↑「ラーメン」600円。固ゆで卵やワカメがのるタイプの、まさに昭和なラーメンだ ↑山海の恵みがバランスよく調和したスープに、キレのあるしょうゆダレ。歯切れのよいストレート麺もしっかり絡み、思わず「ンマーイ!」と叫びたくなるおいしさだ ↑塊で仕入れた肩ロースを使い、余分な脂はしっかりと掃除 ↑「炒飯」600円。具材は大きめのチャーシューと卵で、ねぎは入らない潔さ。そのぶん、紅しょうがのシャキッとピリッとしたアクセントがたまらない。やさしい味のみそ汁もナイスなパートナーだ ↑具材には豚ひき肉、にら、キャベツ、長ネギが入る。以前はしょうがとにんにく入りだったが、いまは入れなくなったのだとか ↑「焼餃子」400円。ジューシーな肉とシャキシャキ野菜のメリハリが絶品 ↑「チューダー」350円。サイダーのフルーティーな甘みに、熟成感のあるコク深い焼酎のうまみがマッチ。至福のペアリングをぜひお試しあれ ↑白黒の写真は、1952、1953(昭和27、28)年の「松葉」だそう。当時の「ラーメン」は45円、「やきめし」は70円だった ↑店主の山本麗華さん。手にはあのせぇるすまんが、「ホーッホッホッホッホーッ!!」と笑っている