一番、二番、三番、五十番……。なぜか中華料理店には、店名に「番」を付けた店が多い。これらの店を便宜上「番付中華」と称し、それらの店を巡って実際に食べ続けることを趣味とする人がいる。35歳独身・職業不詳のSさんだ。今回は、そんなSさんのガイドのもと、番付中華を巡る企画の最終回。前々回、前回と同様、推測をもとにした脱力系の情報とともに十四から百までの番付中華事情をレポート致します。
【ガイドするのはこの人!】
Sさん
35歳独身・職業不詳。47都道府県の蔵元の日本酒を飲むことに凝り始めたが、沖縄には蔵元がないと誤解して挫折。以来、違う趣味を持とうと、3年半にわたって「番付中華」巡りを行う。現在では、さらに首都名のついた飲食店巡りを行う日々を送る。
板橋では「十八番」VS「18番」がアツい?
ーーさらに、「十四番」から続けていきたいところですけど、ここまで来ると、だんだんなくなってきそうですね……。
Sさん 実際、「十四番」はいまだ見つけられてないんです。府中にあるという情報を仕入れた「十五番」は、行ってみたんですけど、閉店になっていました。さらに「十六番」も八丈島にあるらしいですけど、行けてないんです。そして、「十七番」もいまだ見つけられていない状態ですね。
ーー全滅ですか……。ただ、「十八番」になると、かなり多いイメージですね。
Sさん はい、結構あります。自分が行ったのは板橋にある「十八番」ですけど、同じ町に2軒の「十八番」があるという。1軒目の「十八番」は、今まで自分が行っていた番付中華によくある感じのお店でした。例によって「十八番ラーメン」というメニューがあったので、注文しようと思ったら「すみません、今やってないんです」と……。
ーー店名を冠したメニューが、やっていない……。
Sさん 残念でしたけど、さらにこの「十八番」から200メートルくらい離れた場所に、もうひとつの「十八番」があって。こちらは算用数字の「18番」。
ーー珍しいですね。
Sさん 両方に行った上での推測ですけど、たぶんお互いに関係ない「十八番」だと思うんですよ。だから、もしかしたら、板橋では「十八番」と「18番」がシノギを削り合っているかもしれない。
「十八番」以降は急に飛んで「五十番」になる
ーー「十八番」以降もあるんですか?
Sさん もちろんありますよ。「二十番」「二十一番」「三十一番」などもあるらしいですけど、残念なことにまだ行けていません。自分が行った範囲だと、急に飛んで「五十番」ですね。
ーー「五十番」も多いですよね。「一番」と並ぶくらいでしょうか?
Sさん 神楽坂に有名なお店があるし、歌舞伎町にもある。ただ、自分が行ったのは本蓮沼の「味の五十番」で、これはキレイなお店でした。自分は餃子とラーメン、ビールしか頼んでいないからわからないですけど、本格的な中華料理のメニューもあったので、かなり立派なお店だと思います。
ーーでも、五十番以降になると、細かく刻んだ数字のお店は少ないですよね。
Sさん 確かに「五十三番」「五十七番」などのお店はなさそうですよね。自分が行った店ですと、次が「七十番」。これは北千住にあるお店で。やはり昔からずっと地元にある感じのお店で、ずいぶんと流行っていました。
ーーさらに行くと……?
Sさん 次が「中華八十番」。もう飛び飛びになってしまいますけど、大久保にあるお店ですね。やや狭いお店で、やはり昔ながらの町中華でした。
「三十一番」にフラれて「百番」に出会う
ーーそしてそろそろ「百番」あたりになってきそうですね。
Sさん そうなんです。「百番」もかなりあります。この写真の「百番」は話がやや複雑で、横浜の瀬谷のあたりにあるお店なんです。その界隈に「三十一番」があると知って、当初はそれを狙って行ったんです。だけど、その日は連休中で、残念なことに「三十一番」が閉まってたんです。だからこちらのお店はカウントせず、しょうがないから近所をプラプラ歩いていたらたまたま「百番」があって。「おぉ!」と思って入ったという。だから、瀬谷には番付中華が2軒あるということですね。ただ、例によって「三十一番」にフラれた挙げ句の「百番」だったので、味はあまり覚えていないんです……。
Sさんによれば、「番付中華」と同時進行で「首都が付いたお店巡り」も行っているという。次回は番外編として、Sさんに「首都の名が付いたお店」を案内してもらおう。お楽しみに!