グルメ
2016/10/19 21:49

店名に「番」が付いた町中華を巡る旅ーー「十三番」が色気づくと「サーティーン」になる? 花田兄弟ゆかりの「十番」って?

一番、二番、三番、五十番……。なぜか中華料理店には、店名に「番」を付けた店が多い。これらの店を便宜上「番付中華」と称し、それらの店を巡って実際に食べ続けることを趣味とする人がいる。35歳独身・職業不詳のSさんだ。今回は、そんなSさんのガイドのもと、七番から十三番までの「番付中華」を「その情報、いる?」というエピソードとともにお届けしよう。

 

【ガイドするのはこの人!】

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Sさん

35歳独身・職業不詳。47都道府県の蔵元の日本酒を飲むことに凝り始めたが、沖縄には蔵元がないと誤解して挫折。以来、違う趣味を持とうと、3年半にわたって「番付中華」巡りを行う。現在では、さらに首都名のついた飲食店巡りを行う日々を送る。

 

縁起がいいのに実は意外に少ない「八番」

ーー前回の「六番」までに続いて、「七番」。これはありそうですね。

 

Sさん その「中華六番」からさほど離れていない小岩に、「中華料理七番館」があります。「六番」の居酒屋的要素に対し、「七番館」はちょっとレストランのような雰囲気がありました。近くに大きな公園があるからか、ファミリー層に向けた感じで、小さいお子さんでも入りやすいメニュー構成でしたね

↑家庭的な面持ちで入りやすそうな「七番館」
↑家庭的な面持ちで入りやすそうな「七番館」

 

ーーそして、「八番」。日本では「八」は末広がりで、縁起が良い数字なので、結構ありそうですね。

 

Sさん 実は、「八番」は意外とないんですよ。これは板橋本町にある「八番」。環七沿いにあるお店なのに「八番」です。このお店には「八番ラーメン」というメニューがあったので頼んでみたら、異様に野菜が盛ってあるタンメンでした。確かに野菜が器の横に「八」のように広がっている印象がありました。まあ、こじつけですが……。

↑写真が暗くてわかりづらいが、環七沿いにある「八番」
↑写真が暗くてわかりづらいが、環七沿いにある「八番」

 

苦肉の策で選んだつなぎの「九番」

ーーさらに、「九番」。「九」も縁起の悪い数字と見る人もいるから、あまりなさそうな……。

 

Sさん はい。確かにないんですよ。でも、悔しいから満北亭という国道沿いなどにあるラーメンチェーンがあるんですけど、東大和市にある、その「砂川九番店」を苦肉の策で行ってみたものです。

 

ーー苦肉の策……。

 

Sさん まあ、あとできちんとした「九番」が見つかるまでのつなぎですね。

↑苦肉の策で食べに行った「港北亭砂川『九番』店」
↑苦肉の策で食べに行った「港北亭砂川『九番』店」

 

相撲の花田兄弟ゆかりの「十番」

ーーそして、「十番」。

 

Sさん 一番最初に自分が通っていた「中華十番」は、写真を撮っていなかったんですけど、東中野にある「十番」は撮っています。

 

ーーこれは有名なお店ですよね。相撲の花田兄弟が通っていたという。

 

Sさん 仲が良かった時代の花田兄弟の写真が飾ってありました。有名店だけあって、味が少し複雑で、凝った感じがしましたね。

↑行列も出来る有名店「十番」
↑行列も出来る有名店「十番」

 

「十一番」はたどり着くまでが大変すぎて……

ーーそして、「十一番」。

 

Sさん 「十一」は阿佐ヶ谷と荻窪の間くらいにあるお店ですね。ネットで探して行ってみたんですけど、なかなか見つからなくて。たどり着くまでが大変だったので、食べた味を覚えてないんです

 

ーーどこに意義があるのか、だんだんわからなくなってきますね……。

 

Sさん そうですね。そして、「十二番」なんですけど、これが意外とない。そんなに縁起が悪い数字ではないと思うんですけど、今のところまだ見つけられてないんです。

↑店名がかすれているのも風情がある「十一番」
↑店名がかすれているのも風情がある「十一番」

 

「十三番」から派生した「サーティーン」

ーーそして、こちらの「十三番」は?

 

Sさん 八王子にあるお店ですね。中華料理店の「十三番」が始まりだったと思うんですけど、後に親類経営の「めしや&居酒屋 THIRTEEN(サーティーン)」を別棟に開店させています。

 

ーー英訳するなんて、ちょっと色気づいているのでしょうか?

 

Sさん どうなんですかね……。こちらの「THIRTEEN」では食事をしてないんですけど、メニューに「とんかつ」などが書いてあるのが見えました。メニューのほうは、特に色気づいていないみたいですね。

↑町中華にモダンな印象が加わった「十三番」
↑町中華にモダンな印象が加わった「十三番」

 

↑町中華にモダンな印象が加わった「十三番」
↑「十三番」から派生したとおぼしき「THIRTEEN」

 

次回もSさんの案内のもと、たくさんの「番付中華屋」をご紹介していこう。お楽しみに!