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2022/7/3 19:00

噂の“元が取れる”工場見学「キリン一番搾りツアー」へ。やっぱし、ビール好きの聖地でした

ここしばらくはコロナ過で飲食店やアクティビティなど閉じていた店舗や施設がありましたが、徐々に再開し始めています。今回紹介するビール工場見学もそのひとつで、訪れたのは「キリンビール 横浜工場」。再開に伴い一部バージョンアップもしたということで、レポートします。

 

↑「キリンビール 横浜工場」。京急線「生麦駅」が最寄りです

 

試飲だけでない体験

筆者が参加したのは「工場だけの特別体験。キリン一番搾り おいしさ実感ツアー」という、約90分のテイスティング付き見学体験。基本的にはサイトからの事前予約制となり、20歳以上は1人500円(19歳以下は無料。試飲はソフトドリンク)。休館日の月曜日(月曜が祝日の場合は営業し、翌平日が休館日)を除く、10~15時で実施されています。

 

館内に入ってすぐのところは、工場見学者以外も楽しめる「ノミモノ・ラボ」になっていて、ビールの醸造工程や現在と過去の商品群など様々な展示がズラリ。ここだけでもかなりの見ごたえがあり、開始時間より早く着いても暇を持て余すことはないでしょう(「ノミモノ・ラボ」見学は10時~最終ツアーの出発時間まで)。

 

↑「ノミモノ・ラボ」入口。見学後に立ち寄るのもオススメです

 

↑「ノミモノ・ラボ」にはビール造りのシミュレーションなどもあり、触れて体験できるのも特徴

 

ツアーは、キリンビールの歴史やビール造りなどについての映像を楽しむシアター上映からスタート。過去の資料を効果的に活用した映像美が臨場感あふれる音響とともに楽しめ、130年以上におよぶ同社のモノづくりを学べます。

 

↑麒麟麦酒(現キリンビール)の前身、ジャパン・ブルワリー・カンパニーは1885年の設立。同社はのちに、あのトーマス・グラバーも重役を務めました

 

上映後は、ビールの原料となる水、麦芽、ホップについて学ぶコーナーへ。横浜工場の水は、山中湖に水源を持つ丹沢・相模湖水系の水源から取水したもの。これを工場内でさらに磨き、雑味のない仕込み水として活用しています。

 

↑見学はツアーガイドの解説付き。細部まで学べるうえ、随時質問にも答えてくれます

 

麦芽とホップは実物を見られるうえ、麦芽は試食を、ホップは香りをかぐこともOK。麦芽もふだんはなかなか目にしないでしょうし、ホップは毬花(まりばな)のまま触れられます。これだけでも貴重な体験といえるでしょう。

 

↑毬花の内部にある黄色い粒状のものは「ルプリン」という樹脂。これがホップの苦みや香りを生み出します

 

次は仕込み室へ。ここには9つの仕込み釜があり、プロジェクションマッピングを活用したダイナミックな演出とともに工程を学べます。

 

↑巨大な仕込み釜の内部は、プロジェクションマッピングで投影

 

映し出されるのは、「一番搾り」の仕込み工程。ざっくり解説すると、砕いた麦芽を煮込むともろみ(おかゆ状になったお酒のもと)になり、それをろ過槽に流し込むことで澄んだ麦汁を抽出していきます。

 

↑仕込み室の次は、「一番搾り」がなぜおいしいのかを体験するコーナーへ

 

「一番搾り麦汁」と「二番搾り麦汁」の違いがわかる

「一番搾り」といえば、名称の由来となった麦汁がおいしさの要。CMなどでおなじみの「一番搾り麦汁」です。この麦汁がなぜおいしいのかを深く理解できるのが次の体験コーナー。「一番搾り麦汁」と「二番搾り麦汁」を飲み比べることで、違いを実感できるのです。

 

↑左から「一番搾り麦汁」と「二番搾り麦汁」。色だけでも濃さの違いがわかります

 

「一番搾り麦汁」とは、もろみがろ過されて自然に流れ出る最初の麦汁のこと。「二番搾り麦汁」と比べると、甘みやうまみが濃厚ながら、渋みが少なく上品であることがわかります。そして次は発酵を知るコーナーへ。

 

↑工場では仕込み釜同様に巨大なタンクを用いて発酵や貯蔵を行います

 

麦汁からビールにするには、ホップを添加し酵母を加えて発酵させる工程が欠かせません。その発酵を、ガイドの解説とインタラクティブな映像体験で詳しく学べるのがこちら。

 

↑画面上にしずくの形で手をかざすと、麦汁に含まれる糖分を酵母が食べ、炭酸ガスとアルコールに分解。なるほど、これはわかりやすい!

 

その次はパッケージングの工程を見学。タップマルシェやタッピ―というサーバー用のペットボトルに詰めたり、賞味期限を印字したり、空き缶を洗浄したり、箱に詰めたりといった動作がベルトコンベアとともに流れていく様を見ることができます。

 

↑様々な商品がここから出荷されていきます。ある意味、最も工場見学っぽいコーナーはここかもしれません

 

工場造りたての「一番搾り」を3種飲み比べできる

最後はお待ちかねのテイスティング。ビールをおいしく提供するための知識や技術を習得した「ブルワリードラフトマスター」が、「一番搾り」のために開発された特製グラスで極上の一杯を注いでくれます。

 

↑ここはビール工場なので、当然のごとく醸造したて。おいしい条件が揃いに揃っています

 

「一番搾り」を片手に着席すると、工場見学オリジナルの柿の種も。見学でビールが飲みたい衝動にかられているところ、これはますます嬉しい配慮。さらに杯が進むこと間違いありません!

 

↑麦のうまみとホップの爽やかな苦み、上品に広がる香りが絶妙。ビール酵母を使ったチーズ風味の柿の種も抜群の愛称です

 

そしてビールを味わいながら、そのままツアーガイドによる「一番搾りおいしさ実感セミナー」へ。「一番搾り」ブランドのラインナップから、「一番搾りプレミアム」と「一番搾り<黒生>」も並べて飲み比べ、それぞれの魅力を堪能するという贅沢な体験です。

 

↑左から「一番搾り」「一番搾りプレミアム」「一番搾り<黒生>」。ビールの風味を感じやすい、チューリップ型のグラスに注いでもらえます

 

テイスティングシートを見て飲み比べながら、色、味わい、香りなどの違いを実感。「一番搾りプレミアム」は、東北産ホップ「IBUKI」の清々しく華やかな香りが印象的。「一番搾り<黒生>」は、ロースト麦芽の甘やかなコクが心地良く広がります。

 

↑売店もあり、「一番搾り」を中心に様々なグッズやフードが充実。お土産はここでゲットしましょう

 

なお、今回の見学で学んだ「一番搾り」ですが、味覚センサー「レオ」の研究や開発とともにデータを提供する「AISSY(アイシー)」が分析したレポートによると、驚きの結果が出たとか。それは、国内のメジャーなビールのなかでも甘み、苦味、うまみ、コクの数値が高く、バランスを意識した深みのある味わいが特徴であること。

 

↑「ノミモノ・ラボ」にて。「一番搾り」は2021年にリニューアルし好評を得ていますが、データ上でもそのおいしさは確かということでしょう

 

工場見学はほかにも、参加者だけが楽しめるオンライン工場見学の二次元コード付きコースターがもらえたり、キリンのLINE登録で「一番搾り」特製グラスがその場でもらえたりと、魅力は盛りだくさん。

 

↑見学を振り返ると、満足度抜群の工場見学であることを実感(左上のクラッカー「ルヴァンクラシカル ノントッピングソルト」は、ビールを飲み比べる際に口をリセットするためのもの)

 

料金500円で、ビール造りを五感で学べる体験型の工場見学に、計4杯の造りたてビールテイスティング、柿の種とクラッカー、オンライン工場見学の二次元コード付きコースターと、とにかくボリューム満点。間違いなく元が取れる内容となっています。

 

また今回は横浜工場のレポートでしたが、北海道千歳、仙台、取手、名古屋、滋賀、神戸、岡山、福岡と全国9工場でも体験できます。キンキンのビールがおいしい季節、装い新たにバージョンアップしたキリンの工場見学へ、ぜひ行ってみましょう。

 

 

【PLACE DATA】

キリンビール 横浜工場

住所:神奈川県横浜市鶴見区生麦1-17-1

アクセス:京浜急行線「生麦駅」より徒歩約10分

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】