人と暮らしをワインで結ぶライフスタイルメディア「WINE OPENER」から、ワインが楽しくなる基礎知識をお届けします。
本格的なレストランでワインをボトルで注文すると、ソムリエからホストテイスティングを求められます。初めてなら緊張しますし、ソムリエの問いかけになんとなく返事をしている人もいるのではないでしょうか?
今回はスマートなホストテイスティングのやり方をご紹介します。ぜひお試しください!
この記事でわかること
なぜレストランでホストテイスティングをするの?
レストランでホストテイスティングをする理由は、注文したワインが健全な状態か、異常がないか確認するためです。
ホストテイスティングは、もともとは毒味として浸透していました。中世のヨーロッパで、自分の城に敵対する国の客人を招待する際に、毒がないことを示すために行われてきたからです。そこから派生し現代では、注文したワインの状態に異常がないかチェックするための動作となっています。
大切なゲストに振る舞うワインに問題ないかを事前に確認するために、ホストテイスティングは欠かせません。
ワインのテイスティングを行うときの手順
ホストテイスティングをスマートに行うために、手順を把握しておきましょう!テイスティングの手順は覚えてしまうと難しいものではありません。ぜひ気軽にチャレンジしてみてください。
1.注文したワインを確認する
注文したボトルワインが届いたら、ソムリエと一緒にワインの銘柄と年代を確認しましょう。ワインは、タイプやヴィンテージ、そして熟度によって色や風味が異なります。そのため、注文どおりのワインか確認することが大切です。
2.色を見る
ワインの銘柄と年号に間違えがなければ、テイスティング用のワインがグラスに少量注がれます。ワインににごりや異物がないか確認しましょう。
■ポイント
色を見るときは、ワインの種類によって見方を変えると、色が判別しやすくなります。
赤ワインの場合は、グラスを45度傾けたときのグラスとの境目を、白ワインの場合はグラスを傾けずに真横から見るようにしましょう。
また、白いテーブルクロスなどを背景にすると、にごりや異物を確認しやすいです。
3.香りを試す
見た目に問題がなければ、香りの確認に移りましょう。スワリングして香りを試します。スワリングとは、グラスを回して空気を含ませることです。ワインに酸素を含ませることで、味や香りの変化を早める目的があります。スワリングは、2~3回程度で十分です。
■ポイント
香りを試すときのポイントは回し方です。利き手によって回す方向を変えましょう。右利きなら反時計回り、左利きなら時計回りに回してください。
グラスが回しにくかったら、テーブルにグラスを置いたまま持ち上げずに、足部分を持って回すと安定します。もし、ワインがグラスからこぼれそうになってもゲストの服を汚さずに済むでしょう。
香りを試して異臭を感じなければ、味わいのチェックに進みましょう。
4.味わいを確認する
いよいよ味の確認です。ワインをひと口含んで味や風味に異常がないかを確認します。
ホストテイスティングをしていて不快な味を感じたらソムリエに相談してください。味に問題がなければそのまま飲み込んでからソムリエに「大丈夫です」と伝えましょう。
ホストテイスティングでこんな場合はどうする?
ホストテイスティングでは、困ったシーンに出くわすこともあるでしょう。テイスティングをしていて慌てないために、シーン別の対処法について紹介します。
好みの味ではなかった場合
テイスティングでは好みのワインを選ぶわけではありません。基本的に、香りや味が好みではなくても交換できないことが一般的です。
このようなことを避けるため、あらかじめソムリエにゲストや自分好みのワインの味を伝えておくと良いでしょう。ワインが体質に合わず飲めない場合は、食事を楽しむためにも事前に相談することをおすすめします。
香りや味に異常を感じた場合
もし、テイスティングをしていて香りや味に異常を感じたらソムリエに伝えましょう。そのままにせず、その場で確認してもらうことが大切です。不快な臭い(ブショネ)だと思われたら、交換できます。
実際にテイスティングをしていて、「カビ臭いかも」と気になるようでしたら、控えめに伝えると角が立ちません。カビ臭いとは伝えず「このワインは、もともとこういう香りでしょうか?」と聞いてみてください。
とはいえ、テイスティング前にソムリエが異変に気付いた場合は、ボトルを交換するなど配慮してくれるでしょう。
ワインのブショネについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
ホストテイスティングを断りたい場合
ホストテイスティングをしなければならないと思っていませんか?ホストテイスティングは、自信がなければ断れます。
また、かしこまらず気軽にワインを楽しみたいときもありますよね。そんなときは、ソムリエに「お任せします」と伝え、ソムリエにチェックをお任せしてしまいましょう。
最初はテイスティングをしたいけれど、2本目からはテイスティングが不要なときもあるかもしれません。2本目からはソムリエにお任せする方法もあるので気負わずワインを楽しんでください。
まとめ
レストランにおけるホストテイスティングは、異常の有無を確認してゲストに不快な思いをさせないためのもの。
好みの確認ではなく、きちんと注文どおりのワインか、見た目・香り・味に問題がないかチェックしましょう!
その点だけ注意すれば難しく考えなくても失敗しないはずです。