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2022/10/19 20:00

アイリッシュウイスキーの革命児だ! 味もデザインも次世代を感じさせる「ロー アンド コー」をレビュー

お酒のカテゴリーでますますアツいのがウイスキー。2014~2015年の朝ドラ「マッサン」などをきっかけに日本でもいっそう加熱していますが、これは世界的な一大トレンドとなっています。特にジャパニーズウイスキーやスコッチのシングルモルトが絶好調ですが、アイリッシュウイスキーの人気も見逃せません。

↑日本でも、アイリッシュウイスキーはきわめて伸長しているカテゴリーとなっています

 

そこで今回紹介するのが、この9月6日から日本での発売を開始した「ROE & CO」。発表会に参加してわかった商品特徴や、テイスティングの感想、おすすめの飲み方、レシピなどをお伝えします。

↑アイリッシュウイスキーにも追い風が吹くなか、日本上陸したのが「ROE & CO(ロー アンド コー)」です。700mlボトルで参考価格は4000円強

 

18世紀に設立した伝説の蒸溜所がルーツ

アイリッシュウイスキーはその名の通り、アイルランド産ウイスキーのこと。世界五大ウイスキーのひとつであり、ピート(泥炭のことで、スモーキーフレーバーの要となる)を焚かない、3回蒸溜(基本は初溜と再溜の2回)が伝統的とされているためスムースでやわらかな飲み口のタイプが多い、というのが特徴です。また、ウイスキーのスペルを「WHISKY」ではなく“E”を入れて「WHISKEY」と表記することもアイリッシュならでは。

↑「ROE & CO」も「WHISKEY」表記です

 

伝統を重んじながらも、「ROE & CO」は革新的な手法に満ちあふれているのが魅力。出自からしてユニークで、開発がスタートしたのは2007年と近年ですが、ルーツは18世紀までさかのぼります。

 

それは1757年。ピーター・ローという実業家が、ダブリンに「トーマス・ストリート蒸溜所」を設立したことに端を発します。その後1832年に、一族のジョージ・ローが受け継ぎ「ジョージ・ロー・アンド・カンパニー」へとリブランド。やがて1887年にはヨーロッパ内で最も大きな蒸溜所として名を馳せます。当時、世界のウイスキーは6割がアイリッシュだったとか。

 

しかし第一次世界大戦に伴う経済の低迷や、取引先の米国における禁酒法など、受難の時代を迎え1926年に蒸溜所は閉鎖。こうして長年眠っていましたが、隣接する「ギネス」のセントジェームズゲート醸造所が敷地の一部を購入することに。やがて数十年後にはアイリッシュウイスキーのリバイバルが起こり、蒸溜所を新設するとともに「ROE & CO」ブランドが誕生したのです。

 

ブランド名は先達である2人の「ROE」と、コラボレーション・コミュニティー・カクテルの3つに共通する「CO」への思いを込めて名付けられました。また、同商品はアイルランドのカクテル文化をリードする5名のバーテンダーが監修しているのも特徴。

↑教えてくれたのは、ブランドアンバサダーのリッキー・コーエンさん。日本生まれのアメリカ育ち。現地のレストランでキャリアを積み、帰国後はバーテンダーも経験し現職に

 

洒落たデザインにも先人へのオマージュが関係していた

ちなみに、やけにイケてるボトルのデザインも先達へのオマージュです。これは、ジョージ・ローの時代に建てられた蒸溜所のランドマークのひとつでもある「セントパトリックタワー」がモチーフ。丸みを帯び、斜めに流れるボトルは塔の形を、緑青(ろくしょう)のラベルは酸化した銅の屋根の色を表現しています。

↑「ROE & CO」のボトル

 

↑「セントパトリックタワー」と、建設当時から隣に植えられている洋梨の木

 

また、塔の隣に植えられている洋梨の木も「ROE & CO」を語るうえで欠かせないアイコン。デザインとしては、木製のコルクキャップと、ボトルの底にあしらわれたくぼみの形が、この洋梨を表現しています。

↑洋梨へのオマージュである、木製のコルクキャップ

 

↑ボトルの底には洋梨の実をかたどったくぼみが

 

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