ケンタッキーフライドチキン(KFC)の看板商品、「オリジナルチキン」は、数あるメニューのなかでも不動の人気を誇るキング・オブ・KFC。ふっくらジューシーなチキンにかぶりつくと、スパイスの香りとチキンの旨みが口いっぱいに広がります。KFCの創業者、カーネル・サンダース(カーネル)が1940年に11種類のハーブ&スパイス、圧力鍋を使ったレシピを完成させてから80年以上、いまやオリジナルチキンは世界中で愛されるメニューとなっています。フライドチキンは鶏肉にスパイスと粉を付けて揚げるだけという実にシンプルなメニューゆえに、素材や調理法が味を大きく左右します。今回は、唯一無二のおいしさを誇るKFCのオリジナルチキンのヒミツを調べてみました。
おいしさのヒミツ① 素材へのこだわり
KFCで使用される鶏は約170カ所(2022年3月末時点)ある登録飼育農場で大切に育てられています。健康な鶏はおいしいオリジナルチキンの基本。登録飼育農場では、独自に開発した飼料を使い、さらに、温度、湿度、採光、換気も常にチェックするなど飼育方法にもこだわっています。しかも、一般的に流通している鶏肉は生後50日程度の鶏ですが、KFCで使用するのは中雛と呼ばれる生後36日前後の若鶏です。この時期の鶏肉はやわらかく旨みもありフライドチキンに最適なのだそう。
おいしさのヒミツ② それぞれの店舗で手づくり調理
オリジナルチキンはそれぞれの店舗で手づくり調理されています。おいしいオリジナルチキンをつくるために、調理にもさまざまなこだわりがあります。
チキンの色や匂いをチェックしたら、部位ごとに皮を伸ばし、骨を整え、つなぎ液に浸します。浸す秒数まで細かく決められています。
そして秘伝のハーブ&スパイスを配合した粉をまんべんなくまぶします。この動作と回数も、厳密に決められているんだとか。最後に、圧力釜で最高185℃、約15分かけてじっくり揚げて完成!
と、簡単に説明しましたが、実はオリジナルチキンの調理工程は20にも上ります。かつて、カーネルから直々に調理を教わった人は口をそろえて「チキンへの強いこだわりを感じた」と言いますが、それは今のKFCにもきちんと受け継がれており、世間的に機械化が進んでいる今でさえ、一つひとつ丁寧に、店舗で手づくり調理されているのです。
おいしさのヒミツ③ 世界で3人しか知らない⁉秘伝のハーブ&スパイス
先ほど「秘伝のハーブ&スパイスを配合した粉をまぶす」と書きましたが、この秘伝のハーブ&スパイスこそオリジナルチキンが唯一無二である理由だと言っても過言ではありません。
「フライドチキン」はカーネルのレストランで1932年頃から提供されており、当時も人気のある商品でした。しかしカーネルは、もっとおいしいフライドチキンをつくってお客さまを喜ばせたい!と日々レシピの研究を続けていたのです。スパイスの細かな調合や当時の新製品であった圧力鍋の使用など試行錯誤を重ねた結果、1940年に11種類のハーブ&スパイス、圧力鍋を使ったオリジナルチキンのレシピを編み出しました。実に10年もの歳月をかけて完成させたのです。
1940年に完成したそのレシピは、以来80年以上もの間KFCに受け継がれ、今も変わらずオリジナルチキンのレシピとして使用されています。このハーブとスパイスの配合を知っているのはなんと、世界で3人だけと言われています。種類と配合率はアメリカの本社の金庫で厳重に保管されており、各店舗にも公開されることはありません。
ちなみに、ハーブとスパイスは複数の工場で数種類ずつ調合されてからそれぞれの店舗に届けられ、各店舗でそれらをブレンドして初めて完成します。こうして受け継がれる秘伝の味が、あの魅惑的なオリジナルチキンの味を生み出しているのです。
あらゆる工程に徹底的にこだわることで完成するオリジナルチキンの味わい。カーネルの想いを継承し、変わらぬおいしさを提供し続けています。オリジナルチキンは、本物へのこだわりと誰にも真似できないおいしさを追求する、KFCの姿勢の集大成なのです。