サムスンが2025年後半に発売予定の新しいXR(拡張現実)ヘッドセットについて、アップルのVision Proを上回る高性能ディスプレイを搭載するという噂が報じられています。

韓国の電子業界誌「The Elec」によると、サムスンの初のXRヘッドセット「Project Moohan」には、1.3インチのOLEDoS(OLED on Silicon)マイクロディスプレイが採用される見込みです。ピクセル密度は約3800ppi(pixels per inch)とされており、アップルのVision Proに搭載されている1.42インチ・3391ppiのソニー製OLEDoSパネルよりも高精細になると伝えられています。
このOLEDoSとは、シリコン基板上にマイクロOLEDを蒸着する技術です。非常に高い解像度をコンパクトなサイズで実現できるため、没入感の高いAR/VR体験に最適とされています。
ただし、Vision Proに比べてディスプレイのサイズが小さいため、視野角がやや狭くなるとみられています。ピクセル密度が高いことは魅力的ですが、複合現実体験を快適に楽しむにはシームレスな広い視野が重要であり、この点はやや懸念されます。
サムスンは、ソニーおよび自社グループのSamsung DisplayからOLEDoSパネルの供給を検討しているようです。現時点ではソニーが主要サプライヤーになる見込みとされていますが、ソニーは高い技術力を持つ一方で、生産能力の増強には慎重であり、アップルからの増産要請も断ったと報じられています。
もともとサムスンは2023年にXRヘッドセットを発売する計画でしたが、Apple Vision Proの仕様を受けて計画を見直し、より高性能なハードウェアの採用を決めたと伝えられています。
初期出荷台数はおよそ10万台規模にとどまる見込みで、発売直後は供給が限られる可能性があります。ただし、市場の成長に応じて安定した供給体制を整え、売れ行き次第では増産も視野に入れているようです。
数か月前にも同様の報道がありましたが、その後大きなトラブルもなく、発売準備は順調に進んでいるようです。今年7月に開催される「Galaxy Unpacked」で正式に発表されると噂されていますが、できるだけお手ごろな価格で登場してほしいところです。
Source:The Elec
via:Wccftech