iliは、棒状のデザインをしており、3つのボタンがあります。正面にある丸いボタンを長押しして、ピッと音がしたら、翻訳したい文章をなるべく簡潔に標準語で述べます。話し終わったあと一呼吸おいて指を離すと、認識したテキストを翻訳し、音声で発してくれます。
なお、一度翻訳した言語は、前面のメインボタンを押すと翻訳後の言語、サイド下ボタンを押すと翻訳前の言語で再生されます。相手が聴き取れなかった場合や、繰り返し使う場合に便利です。
ーー第一印象はどうでしょうか?
「とてもよいデザインをしてるね。ポケットにサッと入れられて持ち運ぶのに便利そうだ」(コリンさん)
「すごい軽い!」(リンさん)
デザインについては、皆さんとても良い印象でした。
多少カタコトになることがあっても、言いたいことは伝わった
さて、実際に日本語をそれぞれの言語で訳してみて、意思疎通が取れるか確認してもらいました。検証したテキストは[料金はいくらですか?][禁煙席はありますか?][試着してもよいですか?][日本語を話せるひとはいますか?]など。
ーーまず、中国語はどうでしょうか?
「完璧ですね。何を言っているのか充分伝わりました」(リンさん)
ーー続いて、韓国語は?
「ほぼ完璧です。でも[試着しても良いですか?]について、[試着]が直訳されると韓国語では、ちょっと不自然な感じになりました。口語だとあまり使わないので」(イムさん)
その後、[これを着てみても良いですか?]など、聴き方を工夫すると、より自然に翻訳された。
ーー最後に、英語は?
「うん、分かったよ。ただ[料金はいくらですか?]と尋ねると、英語の場合、それがfeeなのかpriceなのか場面で異なるから、気をつけた方が良いね」(コリンさん)
なるほど、[このチケットの料金はいくらですか?]のように、聴き方を工夫すると良さそうです。
このように、その言語でどういう表現がより自然なのかということ。そして同じ単語でも複数の表現に分かれることがあるということ。これらの影響で100点の翻訳ができないこともありました。しかし、「とりあえず伝わればOK」という観光旅行向けのツールなので、多少の誤差は気にせずに使って大丈夫そうです。
もし、翻訳した音声を聴いて、相手が変な顔をしていたら、日本語の言い回しを変えて、何度か試してみると良いでしょう。