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2018/6/14 19:00

最新「自動翻訳デバイス」を現地出身の人はどう評価する? スマホで使える「Google翻訳」編

海外旅行で役に立つ翻訳ツールを検証する本企画。オフラインで利用できる「ili(イリー)」や、双方向翻訳に対応する「POCKETALK(ポケトーク)」を取り上げてきましたが、最後のシメは「Google翻訳」です。実際に英語・中国語・韓国語を母国語とする立場の人に協力していただき、使用感について伺いました。

 

ili編はこちら/POCKETALK編はこちら

 

↑左から順に、検証に協力してくれた、リンさん(中国語)、コリンさん(英語)、イムさん(韓国語)の3名

 

さて、「Google翻訳」は皆さんご存知の通り、Googleが提供しているオンラインの翻訳サービスです。無料で使えますし、スマホのアプリも提供されています。翻訳したい言語のデータを予めダウンロードしておけば、オフライン環境でも使用できます。

 

スマホアプリを対話形式で使用する場合には、中央にあるマイクのアイコンをタップすればOK。下部の「日本語」をタップして喋れば、翻訳語のテキストを音声で発話してくれます。

 

――皆さんは、Google翻訳を既に使ったことあると思います。そもそも、Google翻訳の良いところって何でしょうか?

 

↑イムさんは、外国語を学習するという観点で「Google翻訳」を気に入っているようだ

 

「iliやPOCKETALKと違うのは、翻訳したテキストの履歴まで表示されることですよね。あとで見返して自分で言えるようにできる。発音もわかるようになります」(イムさん)

 

――ふむふむ。

 

「海外に行くときって、いくつかの単語やフレーズが分かれば何とかなっちゃうじゃないですか。例えば“すみません”とか“ありがとうございます”とか。そういう言葉の読み方をGoogle翻訳で見れば、覚えやすいし、実際に使いやすかったですね。もちろん、長い文になると読み方が全部表示されなかったりしますけど」(イムさん)

 

――確かに、そうですね。リンさんはどうですか?

 

「Google翻訳は、やっぱり辞書的な使い方をしますね。会話的に使ったことも何度かありますが、音を出して聞かせるというより、画面に表示させた文字を見せるようなイメージ。旅行でカジュアルに使うならiliの方が良いかな」(リンさん)

 

ちなみに、中国では、「グレート・ファイヤーフォール」と呼ばれる検閲システムがあるので、一部地域を除き、オンラインでGoogle翻訳をそのまま使おうとすると弾かれてしまいます。渡航時に使用したい場合はあらかじめ言語データをダウンロードしておくなどの準備が必要です。

 

――コリンさんは?

 

「スマホのカメラに写したテキストを翻訳できる機能も便利だよね」(イムさん)

 

↑やはり英語圏ではメジャーなツールらしい

 

「カメラで撮った場合、自分が知りたい部分だけなぞれば、その部分だけ訳すこともできますからね」(イムさん)

 

Google翻訳では、テキスト入力のほか、音声、撮影、手書きなど、様々な入力方法があります。この点がほかの翻訳ツールとは異なるメリットと言えるでしょう。

 

例えば、読み方が分からない漢字やハングルなどは、読み方を調べるよるも、カメラで読み取ったり、手書きで入力した方が素早く検索できます。音声入力だけのツールと比較すると自由度が高くなります。

 

――普段はどういった方法で入力していますか?

 

「いつもはタイピングして翻訳して、結果を見せたり、スピーカーのボタンを押して音声で聴かせたりしてるよ」(コリンさん)

 

――初対面の人に対してGoogle翻訳を介して会話したことがありますか?

 

「あるある。よく間違っていることもあるけどね。一応会話はできると思う」(コリンさん)

 

「んー、ないですね」(リンさん)

 

↑Google翻訳の経験談を語るイムさん

 

「僕は、たまたま友達になった人とお酒を飲みに行くことになっちゃったことがあって(笑)。とは言え、自分は英語があまり得意ではなかったので、Google翻訳使って会話したことありましたよ」(イムさん)

 

――え、イムさん凄いっすね。ちなみにどのくらいの時間?

 

「たぶん30分くらいでした」(イムさん)

 

――なんと。

 

「やっぱりたまにおかしい訳になるんですけど、それでも言いたいことは大抵伝わるから、なんとかなりました」(イムさん)

 

さて、3人の結論は?

 

――はい、今回皆さんには、「ili」や「POCKETALK」も触っていただきました。この2つと比較すると「Google翻訳」ってどうでしょう? 実際どのツールに一番魅力を感じましたか?

 

↑それでは順にどうぞ

 

コリンさんの結論 → 「やっぱり、イエスとかノーで質問できるときはiliが便利だよね。でもそれ以外のときなら、POCKETALKかGoogle翻訳を選ぶべきだと思う。その2つなら僕はGoogle翻訳の方が使いやすいな。まぁ、極論言うと全部持っているのが一番良いかも(笑)」

 

なんて完璧な回答。企業の広報の方かと一瞬疑ってしまいました(笑)。

 

リンさんの結論 → 「iliは意思を伝えるのが一方通行になってしまうので、私はコミュニケーションを取るという意味ではPOCKETALKが良いかな。Google翻訳は“辞書”という認識なので、ちょっと違うんです」

 

筆者も感じましたが、相手の懐に入り込んで会話したいなら、POCKETALKが魅力的ですね。きっと目新しいデバイスもアイスブレイクになるはず。

 

イムさんの結論 → 「僕は、言語が異なる人と話そうとするのだったらGoogle翻訳を選びます。自分の口で実際に話したいんですよね。翻訳して表示した文を読んで、実際に喋りながら会話を続けたいんです」

 

なるほど、イムさんの意見もわかります。簡単な文法を理解している言語だったら、これがベストかもしれませんね。

 

iliやPOCKETALKは空港のレンタルで利用できるようになりましたし、営業ツールとして企業に採用されることも増えているようです。そして、Google翻訳ならスマホでも使えます。今後海外旅行に行く際、これらの翻訳ツールを携帯することを検討してみてはいかがでしょうか? コミュニケーションを積極的に取れれば、ちょっと楽しく旅できるかもしれませんね。

 

あらためてili編を読みたい人はこちら

あらためてPOCKETALK編を読みたい人はこちら