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2016/5/10 18:34

【西田宗千佳連載】Botはどこまで信頼できるのか

「週刊GetNavi」Vol.42-3

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Botとは、機械が人間の代わりに、人間との対話を行うものである。そこで気になるのは、「どのくらいきちんと対話できるのか」ということだ。

 

実際のところ、人間が話す(チャットで伝える)言葉のすべてを正しく解釈することはできない。それは現状のAIの限界であると同時に、人間の会話の「不確実さ」が原因でもある。

 

人は思った以上に、論理的かつ正確に話すことが「できない」。単語を勘違いすることもあるし、言い間違いもある。正しく言葉が出てこなくて「あれ」「それ」で済ませることも多い。論理的に話すには相応の訓練が必要なのだ。普段我々は、そういったいい加減な言葉でも、相手がどう言おうとしているかを推測し、コミュニケーションしている。だがそうなるには、かなりの経験が必要。会ったばかりの人と話が食い違った、という経験は、誰にでもあるはずだ。

 

ユーザーサポートや電話注文対応のプロは、そういう「あいまいな言葉」から、相手の意図を汲み取る訓練をしている。それをAIでカバーするのは簡単ではない。

 

では、Botは役に立たないか……というと、そうではない。複雑な判断が必要な事例はあるが、それが「多い」わけではない。誤解が生じにくい部分、例えばピザの注文やサポートを必要としている内容の大まかな種別分類などならば、Botでも十分にカバーできる。しかも、多くの場合、Botインターフェースでは、Botだけで対処できなかった場合、その案件を人間のオペレーターに引き継ぐようになっている。最終的に人間がやるならBotの意味は薄い……と思われがちだが、さにあらず。やってくる案件の多くをまずBotが受け付け、人の対応が必要なものを「絞る」ことで、人員配置を最適化できる。また、まずBotが対応することで、オペレーターの「対応待ち」をユーザーに強いる場面を減らせるので、ユーザーの満足度は高まる。

 

そして、運用しつつ「Botで対応できなかった事例」が集まることで、そこから対応を学習できる。現在のAIは、事例を大量に集めて、そこから反復学習することで対応を改善していけるのが特徴だ。結果、Botはより賢くなっていき、本当に人間でなければ対応が難しい部分を人間がカバーする、という方向性になっていく。

 

では、それが広がると、ハードウエアの側はどう変わっていくのだろうか? その辺は次回のVol.42-4にて。

 

Vol.42-4は5月16日(月)ごろ配信予定です。

 

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