ついこの前までTシャツを着ていたはずが、気づけば真冬の寒さに凍えている……。なぜでしょう。年末だからです。皆さん知ってましたか?知ってますね。さあ、年末となれば、去りゆく今年を振り返るしかありません。移り変わりの早いSNS、デジタルサービスまわりで、私が気になったキーワードからあれこれ語ってみたいと思います。
【キーワードその1】
「#誰でもダンス」のTikTok
今年の流行といえば、何を置いても「TikTok(ティックトック)」でしょう。昨年の記事の予測が当たってよかったよかった。と、独り言はさておき。
「TikTok」は中国の大手企業Bytedanceが提供するショートムービーアプリです。投稿の時間は15秒(一部のユーザーは60秒)で、BGMに合わせて踊ったり、歌に合わせて口パク(リップシンク)したりする自撮りの動画がメインです。2018年7月時点でグローバルの月間アクティブユーザー数は2億人にも上っており、8月1日(米国時間)には同ジャンルの「musical.ly(ミュージカリー)」を統合したため、ユーザー数は上昇し続けています。
TikTokのアプリをインストールしていない人でも、YouTubeやTwitterなどのサービスに表示される広告で、TikTok画面を見たことがあるのではないでしょうか。TikTokは一般のユーザーだけでなく、Perfumeがガチのダンスを披露したり、DA PUMPが「U.S.A.」を踊ったりと、芸能人の投稿も見られます。
若い世代から火が付き、今や幅広い世代の投稿が見られるようになったTikTokですが、面白い現象があります。それは、楽曲のリバイバルです。TikTokでは、とある楽曲に振り付けて誰かが投稿すると、それがブームになり、こぞって真似をする傾向があります。1983年のラッツ&スターが大ヒットさせた「め組の人」はご存じですよね。この楽曲を2010年に倖田來未がカバーしたのですが、そのサビに合わせて「めっ」などの決めポーズを撮るムービーが大人気。最近はドラマでも80年代をフューチャーしたものがヒットしていますが、ここにもリバイバルが起きているのです。
エイベックスやAWAとの業務提携も発表したTikTok、2019年は音楽業界へも大きな影響を及ぼしそうです。
【キーワードその2】
Facebookの情報流出とInstagramストーリーズ
2018年はFacebookにとって試練の年でした。情報流出問題が次々と明るみになったからです。3月にマーク・ザッカーバーグ氏が謝罪したのは、約8700万アカウントの情報流出問題です。そのデータは、イギリスのデータ分析会社の手に渡り、アメリカ大統領選挙での選挙運動にも利用されたと言われています。
6月には、Facebookが複数の大手デバイスメーカーとデータ共有パートナーシップを結んでいることが報道されました。9月にはシステムに脆弱性が発見されたとして、対象の5000万、そして予備的措置でさらに4000万のアカウントのログイン情報をリセットしました。そして12月14日には、最大680万のアカウントがスマホに保存している未投稿写真を外部に流出させられた可能性があることを明らかにし、謝罪しています。
一時は「#DeleteFacebook」というハッシュタグを掲げ、Facebookの退会を促す動きも活発化していました。Facebookの個人情報問題に関しては、2019年も治まりそうにありません。
一方、2018年も好調に飛ばしているのがInstagramです。あまり知られていないのですが、Instagramは2012年にFacebook社に買収されており、どちらもFacebook社のサービスとなっています。
Instagramは、24時間で消える「ストーリーズ」が非常に好調で、2018年11月にFacebookが行った「Instagram Day Tokyo 2018」では、日本の利用者が1日に投稿するストーリーズの数が、サービス開始以降の2年間で20倍に増加したことを発表しています。6月にはフィードから、9月にはストーリーズから買い物ができるショッピング機能もサポートしました。ファッションやコスメの情報をInstagramで得ている人はかなり増えており、タップするだけでECサイトへ遷移できる機能とあって、かなり期待されています。まだ実際の販売効果は明らかになっていないので、2019年に注目すべきポイントです。
【キーワードその3】
「○○ペイ」のスマートペイメント
まだ記憶に新しい「PayPay」の「100億円あげちゃうキャンペーン」。皆さんは何か買いましたか?PayPayで支払うと20%還元、さらに抽選で10万円相当が戻ってくるとあって、家電やIT商品など高額な品を我先にと購入する人たちが続出。開始からわずか10日間でキャンペーンは終了しました。
すると、後を追うように「LINE Pay」が「Payトク」キャンペーンで20%還元をスタート。こちらは最大5000円相当の付与となるので、PayPayほどの盛り上がりにはならないかもしれませんが、PayPay祭りに乗り遅れた人には朗報です。これらのキャンペーンは、スマホによるQRコードでの支払いが注目される機会になりました。
QRコード決済には、PayPay、LINE Payのほか、Origami Pay、楽天ペイといったサービスがあります。ユーザーにとってはNFCを搭載していない端末でも決済ができるという利便性があり、店舗側は設備投資が最小限に抑えられるといったメリットがあります。2020年の東京五輪に向けて、2019年はますますキャッシュレスへの動きが加速していきそうです。なんとなくセキュリティに不安があって使っていないという人も、周囲の様子を見ながら使ってみてはいかがでしょうか。
来たる2019年は、2018年で流行ったものが引き続き気になる年になりそうです。強いて言うなら、静止画から動画へのシフトがさらに加速しそうですね。Instagramが始めたIGTVや、LINE LIVEや17 Liveなどのライブ配信サービスにも注目です。ギガが足りなくならないように、Wi-Fiスポットをチェックしておきましょう!