第5回「ウェアラブルEXPO」が2019年1月16日から18日にかけて開催されました。本記事では、同展示会で興味深かった展示を5つピックアップしてご紹介します。
そもそも、ウェアラブルEXPOの要は、B2B向けのウェアラブル機器やソリューション、技術展示です。メガネ型のスマートグラスや、衣類型のスマートウェアを用いて、産業現場でのマネージメントを効率化しようとする取り組みが大部分を占めています。
そんなウェアラブルEXPOですが、今回は消費者向けのデバイスにも興味深い製品が多数展示されていました。また、小さなディスプレイやARの画面のUIを改善するフォントなどが展示されていたのも特徴的でした。
1)血圧を測定できるスマートウォッチ
オムロンが参考展示していたのが、スマートウォッチ型の血圧計。米国では昨年末に「HeartGuide」という商品名で発売されており、CESでも展示されていたものです。
同機は、いわゆる血圧計がスマートウォッチのバンド部に搭載されており、側面のボタンを押すだけで手軽に血圧を測定可能。スマートフォンと連携し、時計機能、歩数(活動量)、睡眠測定機能、服薬リマインダ機能などが利用できます。
筆者も血圧を測らせてもらいました。オシロメトリック法が採用されており、測定を開始するとバンド部がギュッと腕を締め付けてきます。測定中に腕を心臓の高さに保つのがポイントです。
しかし、この商品。医療機器としての承認が必要になるため、すぐには国内では発売されません。オムロンとしては年内の承認を目標にしたいとのことでした。順調にいけば、2020年頃に登場するかもしれませんね。
2)ウェアラブル向けのフォント
印刷物用などのフォントを提供するFontworksは、ウェアラブルデバイスの極小画面に最適化されたフォントを展示していました。漢字・英数字が約2%縮小され、かなもサイズ調整されています。また、濁点や半濁点や、英数字のアキ・字面などが大きく設計されているのがポイントとのこと。九州大学と共同研究で実験を行い、高い可読性も実証されているといいます。
同フォント「LETS」という定額制のフォントサービスで利用できます。画面付きのウェアラブルデバイスが普及するに連れて、こうしたフォントのバリエーションも増えてきそうな予感です。
3)耳の穴が塞がらない骨伝導イヤフォン
前回のウェアラブルEXPOでもBoCoが展示した骨伝導イヤフォン「earsopen(イヤーズオープン)」が話題になりましたが、その最新モデルに注目。GREEN FUNDING by T-SITEでクラウドファンディングを実施した「WR-5 HK-1002」はイヤーフック型を採用。耳の裏からサウンドが聴こえてきます。試しに装着しみると、フィット感は抜群で、スポーツシーンでも使いやすいだろうと感じました。
ただし、スマートフォンの機種によっては、出力が足りないので「小型高出力アンプ」の利用が必要になることがあるとのこと。こちらのアンプには充電が必要となります。展示員さん曰く”iPhoneなら要らない”そうです。
さらに新製品として、骨伝導スピーカーをこめかみ部分に当てる「FIT BT-1」も展示されていました。こちらは首の後ろにぐるっとバンドを回して装着するタイプです。発売予定時期は4月を目指しているとのこと。
こうした骨伝導イヤホンでは、耳の穴を塞がずに音楽が聴けます。例えば、ランニング中なら周りの音を確認できますし、室内なら電話やチャイムが鳴るのを聞き逃さずに済みます。
4)喉にペタッと貼るいびき解消デバイス
ウェザリー・ジャパンが代理店として取り扱う「Snore Circle(スノアサークル)」の新モデルもユニーク。喉に貼り付け、低周波EMSを発することで”いびき”を解消するというデバイスです。
低周波EMSの刺激は段階を調整可能で、「ほぼ気づかないレベルにも調整できる」とのこと。また、起きている時に使う練習用モードも搭載されています。
使用する際は、まず専用のシールを肌に貼り付けます。シールの表面にはデバイスを貼り付けるためのマグネットが備わっているので、カチッとずれずに張り付けられるというわけです。
ちなみに「Snore Circle」には、イヤホンタイプとアイマスクタイプも存在します。これらは既に購入可能なので、気になる人は調べてみてください。
5)Apple Watchを充電できるバンド
Apple Watchを充電できるバンドなんてものも登場していました。中でも面白かったのが、こちらのバンド。ケース本体を横にスライドさせ、バッテリー部分に乗せられるというものです。
こちらは4月以降、クラウドファンディングサイトに登場する予定とのこと。腕に装着した際は、そこそこごつい印象ですが、腕に巻きながら充電ができる製品は希少です。面白いものが完成すると良いですね。