−−メチャカリが2015年9月にリリースされてから3年以上が経過していますが、反響はどうでしょうか?
澤田氏:当初は、服が好きな若い子が、服を取っ替え引っ替え借りるのに使うと想定していましたが、実際は少し違いました。蓋を開けてみると、洋服が好きな子より、ファッションにあまり貪欲じゃない層にウケているとわかったんです。
例えば、20代後半で都内在住、オフィスで勤務している女性。狭いクローゼットで、ファストファッションを半年に1回買って着古したら捨てる。でも職場では偉い人の前でプレゼンテーションしたりもするような人。あとは、お母さんもそうですね。普段着はこだわらず自分の服もあまり買わないけれど、参観日だったり、ご両親に会うときにちゃんとした格好もしなくてはいけない。
澤田氏:忙しいけれど、毎日同じ服は着たくない。そういう人達に人気が出たんです。半年前の服はトレンドが過ぎているから恥ずかしくて着れない、と考える人でもそれなりのトレンドを押さえて、新品の綺麗な服を着れますからね。
こうした結果は、いい意味で想定外でしたね。既存の店舗販売とのカニバリを防げました。
−−昨年チャットボット機能が導入されましたが、どういった意図があったのでしょうか?
澤田氏:洋服が大好きな人なら、自分でコーディネート組めるんですよね。でも、我々の顧客層は言ってしまえば「忙しい人」。ファッションの知識はあるかもしれないけれど、そんなことに時間を使いたくない、あるいはそもそも知識がないという人もいるかもしれません。そういった人達に対して、洋服のコーディネートを提案するための機能を追加しました。
「オフィスカジュアル」とか「ママコーデ」とか、用途によって「こんな組み合わせはどうですか?」ってレコメンドします。割とご好評いただいていまして、100%これのおかげかどうかは判断できないのですが、同機能のリリース以降、サービスの継続率も向上しています。
動画配信サービスって、観たい動画がなければやめますよね。我々も一緒で、商品は1万種類以上あるし、在庫も何十万ていう規模で動いているけれど、欲しいアイテムを見つけてもらわなければ意味がない。お客様が欲しいと思う商品を適切にレコメンドしてあげるのが重要なんです。それもECサイトの提案みたいな淡白なものじゃなくて、人間味のあるアプローチでやりたい。「パーソナライズスタイリングAIチャットボット」という機能は、それを実現したものです。
もちろん、今が100点満点だとは思っていないので、今後はもっとこの機能の精度を高めていかなくてはいけません。
−−最後に、メチャカリの上手な使い方を教えてください。
澤田氏:実は「セットアイテム」というのがあります。1点だけど上下セットみたいなやつです。つまり実質2点ですね。実は常に何点かそういうのを用意しています。メチャカリのベーシックプランだと一度に3点までしかアイテムを借りられませんが、これらを上手く使えば実質6点まで借りられます。
あとは、冬場には定価1万円のコートなども出ていますし……夏場には浴衣も出ます。単価の高い季節ものを狙うのもお得ですよ。まぁ、うちとしては儲からないんですけどね(笑)。
−−ありがとうございました。