「信用スコア」という言葉を聞いたことはあるでしょうか? 「信用スコア」とは、融資履歴や購買履歴などの個人のデータをクラウド上で収集・分析し、その人が「信用できるかどうか」を数値化したものです。以前から個人情報がローンやクレジットカード審査の判断材料に使われてきましたが、昨今の「信用スコア」の活用先は融資だけにとどまりません。例えば、スコアの高い人は、ホテル宿泊時のデポジットが不要になったり、レンタルサービスを保証金なしで利用できたりするのです。
こうした「信用スコア」がすでに浸透し始めているのが中国です。点数が高いと家電やスマホなどを保証金なしでレンタルできるほか、空港で専用の出国レーンを使用できたり、他国のビザが取得しやすくなったりといった特典があります。また高スコアのユーザーのみが参加できる婚活サイトなどもあり、進学や就職、結婚にも影響を及ぼすシステムとなっています。
日本での導入もすでに始まっており、ドコモやヤフーなどが続々とサービスを発表しています。なかにはAIがデータを分析し信用度を測るサービスも存在します。様々な情報を収集・分析となれば、まさにAIの得意分野。日本でも「信用スコア」が浸透し、AIに格付けされる日がやってくるかもしれません。
【本編に入る前に、信用スコアの基礎意識】
Q1:「信用スコア」の計算方法は?
A:学歴やローンの支払い状況、SNSでの発言など、個人のデータからスコアを算出
中国の場合、学歴や職歴、株式や住宅などの資産情報だけでなく、ネットショッピングの購買履歴やSNSでの発言などから算出されます。さらに、犯罪歴、裁判記録、賠償金の支払い状況などが使用されることもあります。
Q2:導入するメリットは?
A:保証金なしで家やクルマが借りられる
点数が高ければ、与信審査が簡略化され、保証金なしでクルマや家が借りられます。そういった特典があるため、料金の未払いが減る、返却がきちんと行われるなど、サービスの利用状況の改善も期待できます。
Q3日本での導入は、まだ先?
A:ドコモ、ヤフーなどが続々と参画
すでに日本でも導入が始まっており、ドコモ、ヤフー、LINEなどがサービスを発表しています。個人向けの融資以外にも、飲食店の予約にスコアを活用したり、信用度の高いユーザーにネットショッピングでの「あと払い」機能を提供したりしているサービスもあります。
あらゆる個人情報から信用度を計る「信用スコア」。近年日本にも導入の動きが見られますが、はたしてその仕組み、メリットとは?