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2019/7/23 19:00

【いまさら聞けない】「5G」が実現する未来と抱える課題

世界中で「5G(第5世代移動通信システム)」が話題となっています。2019年は「5G元年」とも一部の報道では言われていますが、次世代通信方式がいよいよ私たちの生活にやって来ようとしています。その前に5Gについておさらいしておきましょう。

 

5Gの特徴

総務省によると、5Gの特徴は大きく分けて3つあります。

①最高伝送速度10Gbpsの「超高速」2時間の映画をダウンロードするのにLTEなら5分かかっていたところを、5Gならわずか3秒で実行できます。
②1ミリ秒程度の「超低遅延」遠隔でロボットを操作することも可能に。
③1㎢あたり100万台の機器に接続できる「多数同時接続」IoT(モノのインターネット)の実現。家電やセンサーなどありとあらゆる機器がネットに接続できるようになります。

 

5Gによってこれまで通信上の制限から不可能だったことが実現可能になると大きな期待が寄せられています。が、5Gを導入するには課題もあり、日本のみならず世界各国がその対応を迫られています。

 

課題と解決策

5Gは高い周波数帯を利用していますが、なかでもミリ波帯の28GHz帯の電波は4G(第4世代移動通信システム)で利用していた周波数帯よりも直進性が高く減衰しやすいという特徴があります。壁などの遮蔽物があると電波が通じにくいんですね。なので、例えば建物内の窓付近ではスマホで通信できても、廊下やトイレなど建物の奥に行くと電波が届かず使えなくなることもあります。また、5Gは4Gに比べて電波の届く距離が短いとも指摘されています。

 

これら5Gの電波に関連した課題への対策としては主に「中継する基地局の増設」「建物に反射板を設ける」「受信端末のアンテナの改良」があります。

 

解決策①「中継する基地局の増設」

直接的な対策として中継基地局の増設があります。景観を悪化させないよう公共インフラであるバス停に設置したり電柱に取り付けたり、様々な方法が取られます。

 

5Gの基地局設置で先行する中国では、中国電信と公共バスを運営する成都公交集団が共同で道路やバスターミナルに基地局を設置。日本では東京電力パワーグリッド(東電PG)、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルネットワークらが共同で電柱に基地局を設置する取り組みを進めています。既存の電柱に取り付けるのであれば、景観を毀損することなく場所を確保できますね。

 

解決策②「建物に反射板を設ける」

↑Metawaveが開発する5Gテクノロジー「SABER」(出典: 同社の公式サイト)

 

米国スタートアップMetawaveが開発したメタマテリアル反射板は波長に対して非常に小さな構造体をアレー状に配置。反射波の方向も調整可能であり、基地局から見通しが悪い場所に反射波を誘導することができます。これにより、5Gエリアを拡大することが可能となります。

 

反射板はビルの壁面にも設置可能で、基地局がない所もしくは電波の弱い場所をカバー。2018年11月には東京でNTTドコモと共同で実施した実証実験に成功しています。

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