先日、Windows 7のサポートが終了し、同OSはマイクロソフトからセキュリティ更新プログラムの配信が行われなくなりました。まだWindows 7 PCを使っているなら新モデルに買い替えるべきタイミングというわけです。本記事では前後編に渡って、価格帯ごとに「お買い得といえるスペック」を洗い出し、おすすめモデルをピックアップ。前編では買って損のない「8~15万円台」PCの選び方を、トレンドに合わせて解説しました。
前編に続いて、コストパフォーマンスが注目される「8万円以下」のエントリークラスと、さらに高機能を積んだ「15万円以上」のハイクラスで、「本当に正しい」選び方を紹介していきます。
【8万円以下】必要十分な仕様がわかる人向け
ビジネスにも十分利用可能なエントリーモデルが並ぶ価格帯。ただし、市場には性能的に不十分なモデルも点在するため、推奨スペックを参考にして、比較的快適に使用できるハイコスパモデルを選びたい。
“買い”の推奨スペック
CPU | Ryzen 5以上 |
メモリ | 8GB以上 |
ストレージ | SSD 128GB以上 |
USB Type-C | 1基以上 |
CPUはCore i5相当で、安価なAMDのRyzen Mobile 5が狙い目。メモリは可能なら8GB以上を選びたい。パフォーマンス重視ならSSDですが、容量重視ならHDDも可。USB Type-Cはこの価格帯でも必須です。
【8万円以下その1】光学ドライブを省略しつつ必要十分な性能を確保
CPU | Ryzen 5 3500U |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
USB Type-C | 1基搭載 |
HP
HP 14s-dk0000 スタンダードモデル
実売価格5万7200円
グラフィック性能の高いAMD Ryzen 5 3500Uを搭載したシンプルな14インチモデル。光学ドライブを省略して、薄型・軽量化を実現。ストレージには256GB SSDを採用するなど、必要十分なスペックを誇ります。バッテリー駆動時間は最大8時間30分。
SPEC●OS:Windows 10 Home (64bit)●ディスプレイ:14インチ●バッテリー駆動時間:約8.5時間●サイズ/質量:W324×H21.5×D226mm/約1530g
【オススメ度】S
格安モデルでありながら充実の拡張性で使い勝手は抜群
CPUをAMD Ryzenにしたことで、中級機とほぼ同じ性能でありながら大幅なコストダウンを実現。USB 3.1端子を2基、USB Type-C端子1基、さらにHDMI端子まで備えるなど拡張性が高く、価格以上の性能を発揮できます。
【8万円以下その2】Officeソフト付きでも8万円以下のお買い得モデル
CPU | Ryzen 5 3500U |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
USB Type-C | 1基搭載 |
レノボ
ideapad S340
実売価格7万5933円
AMD Ryzen 5 3500Uを採用した格安モデル。非光沢のフルHD液晶とDolby Audio対応ステレオスピーカーを備え、様々なコンテンツを楽しめます。マイクロソフトのOffice Home & Business 2019を搭載しても8万円以下と高いコスパが光ります。
SPEC●OS:Windows 10 Home (64bit)●ディスプレイ:14インチ●バッテリー駆動時間:約11.0時間●サイズ/質量:W322.7×H17.9×D230.5mm/約1550g
【オススメ度】S
Office作業を中心に行うビジネスマンにオススメ
ビジネスシーンで用いるなら入れておきたいOfficeソフトですが、この価格帯で同梱されているモデルは極めて少ない。本機は、映像編集のような高度な作業を行う予定がなければ、十二分に満足できるスペックとなっています。
【8万円以下その3】LTEモジュールの搭載にも対応したCeleronモデル
CPU | Celeron 3867U |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 240GB SSD |
USB Type-C | 非搭載 |
マウスコンピューター
m-Book J322XN-S2
6万9080円~
インテルCeleronプロセッサー 3867Uを搭載する13.3型モデル。多彩なカスタマイズに対応し、このクラスでは珍しくLTEモジュールの内蔵を選択できます。メモリやSSDなどの増設にも対応しており、予算に合わせた構築が可能です。
SPEC●OS:Windows 10 Home (64bit) ●ディスプレイ:13.3インチ●バッテリー駆動時間:約6.5時間●サイズ/質量:W324×H22.5×D234mm/約1500g
【オススメ度】A
高い拡張性を誇り、好みのスペックにカスタム可能
特徴である多彩なカスタム性だけでなく、4K出力可能なHDMI端子やD-Sub端子を装備しているので会議でのプレゼンなどにも使えます。USB以外にも、SDカードリーダーやLANポートを備えます。
【8万円以下その4】ビジネスユースに適したTPMチップ搭載モデル
CPU | Ryzen 3 3200U |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 128GB SSD |
USB Type-C | 1基搭載 |
レノボ
ThinkPad E595
実売価格5万600円
AMD Radeon Vega 3グラフィックスを内蔵するAMD Ryzen 3 3200Uを採用した15.6型モデル。機密データを暗号化するTPMチップを搭載しており、ビジネス用途に好適です。テンキー付きのキーボードを備え、使い勝手にも優れます。
SPEC●OS:Windows 10 Home (64bit) ●ディスプレイ:15.6インチ●バッテリー駆動時間:約9.3時間●サイズ/質量:W369×H19.95×D252mm/約2100g
【オススメ度】A
ビジネスシーンでの対面プレゼンに好適
15.6型フルHD IPS液晶は、発色が良く、反射も抑えられており、対面してのプレゼンなどに向きます。USB Type-Cによる映像出力はもちろん、HDMI出力にも対応。客先のモニターにも対応しやすい。
【8万円以下その5】本格的なゲームができる格安17.3型モデル
CPU | Core i5-9300H |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
USB Type-C | 1基搭載 |
Acer
Nitro 5 AN517-51-A58U5
実売価格9万4160円
第9世代インテル Core i5-9300Hプロセッサーを搭載した17.3型ゲーミングノート。フルHD解像度で、広視野角なIPS液晶を採用します。グラフィックスはGeForce GTX 1050を装備。映像編集などの用途にも適しています。
SPEC●OS:Windows 10 Home (64bit) ●ディスプレイ:17.3インチ●バッテリー駆動時間:約7時間●サイズ/質量:W403×H26.9×D280mm/約2580g
【オススメ度】B
話題のeスポーツに参戦できる十分なスペックを有する
設定予算の8万円を多少はみ出してしまいますが、ゲーミングPCがこの価格帯で購入できるのは超破格。メモリの差し替えなどの、カスタマイズは行えませんが初心者向けのモデルとしては満足できます。
【8万円以下その6】Officeソフトを搭載する格安PC
CPU | Celeron 3867U |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 500GB HDD |
USB Type-C | 非搭載 |
Dynabook
dynabook EZ15/L
実売価格7万3700円
省電力性に優れたインテル Celeron 3867Uを搭載するスタンダードノート。500GBのHDDやOffice Personal 2019を備えるなど、装備が充実しています。
SPEC●OS:Windows 10 Home (64bit)●ディスプレイ:15.6インチ●バッテリー駆動時間:約8時間●サイズ/質量:W379×H23.9×D257.9mm/約2300g
【8万円以下その7】最安クラスながら装備は充実!
CPU | Core i3-7020U |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 1TB HDD |
USB Type-C | 非搭載 |
デル
Inspiron 15 3000
実売価格4万2878円
インテル Core i3-7020Uと1TBのHDDを搭載した格安スタンダードノート。光学ディスクドライブを備え、DVDの視聴なども可能です。
SPEC●OS:Windows 10 Home (64bit)●ディスプレイ:15.6インチ●バッテリー駆動時間:非公開●サイズ/質量:W380×H22.7×D258mm/約2180g
【8万円以下その8】軽量でスタイリッシュなデザインが魅力
CPU | Core i5-8265U |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
USB Type-C | 1基搭載 |
Acer
Swift 3 SF314-56-H58U/S
実売価格7万6870円
第8世代のCPUを搭載し、バッテリー最大駆動約12時間を誇るモバイルノート。14型クラスでは約1450gと軽めで、指紋センサーも備えます。
SPEC●OS:Windows 10 Home (64bit)●ディスプレイ:14インチ●バッテリー駆動時間:約12時間●サイズ/質量:W323×H17.95×D228mm/約1450g
【15万円以上】動画編集も画像加工にも対応
15万円を超えるとハイパフォーマンスな機種が増え、クリエイター向けモデルなども現れてきます。このクラスは、ディスプレイ性能やモバイル性能にこだわったモデルなどが多く、個性的な機種が揃います。
“買い”の推奨スペック
CPU | 第8世代Core i7以上 |
メモリ | 8GB以上 |
ストレージ | SSD 512GB以上 |
ディスプレイ | 4K |
CPUは最上位のインテル Core i7以上、メモリは多くのアプリを開いてもスムーズな8GB以上がマスト。作業効率の上がる大容量SSDは欠かせず、高付加価値なディスプレイだと望ましい。
【15万円以上その1】4K液晶に6コアCPUを搭載するハイエンドモバイル
CPU | Core i7-10710U |
メモリ | 8GB |
ストレージ | SSD 512GB |
ディスプレイ | 4K |
VAIO
VAIO SX14 VJS14290111B
実売価格32万7580円
4K解像度の14型ワイドディスプレイを搭載して約1043gという超軽量ボディを実現。CPUには6コア仕様の第10世代Core i7を採用しつつ、冷却機構を含むVAIO独自のチューニングにより、性能を限界まで引き出しました。
SPEC●OS:Windows 10 Home (64bit)●バッテリー駆動時間:約8.2時間●ディスプレイ:14.0インチ(3840×2160ドット)●サイズ/質量:W320.4×H17.9×D222.7mm/約1043g
【オススメ度】S
第10世代のCPUを用いたヘキサコアプロセッサーをいち早く搭載
6コア最大12スレッドによる処理が可能な第10世代Core i7に独自のチューニングを施し、最高性能の処理速度を実現したハイエンドモバイル。超高精細な4K液晶も備え、外出先へデスクトップPCに比肩する性能を持ち出せます。
【15万円以上その2】シーンや用途に合わせ変幻自在に姿を変える
CPU | Core i7-1065G7 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB SSD |
ディスプレイ | 4K |
HP
HP Spectre x360 13 パフォーマンスプラスモデル
21万4280円~
タブレットとしても使えるコンバーチブル型で世界最小となる13インチモデル。CPUにインテル Core i7-1065G7を搭載するほか、インテル Optane メモリーH10も備え、OSが約10秒で起動する高速動作を実現しました。
SPEC●OS:Windows 10 Pro (64bit)●バッテリー駆動時間:約10時間●ディスプレイ:13.3インチ(3840×2160ドット)●サイズ/質量:W307×H18.5×D194.5mm/約1220g
【オススメ度】S
洗練されたデザインと堅牢性を両立したハイエンド機
天板はなんと500kgf加圧に耐える堅牢性で、満員電車などでの持ち運びでも安心。モニターは高精細なだけでなくAdobe RGB100%の広色域を再現可能で、コントラスト比10万:1と、超高性能です。
【15万円以上その3】有機ELの美しい画面と高性能が光る
CPU | Core i7-9750H |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 1TB SSD |
ディスプレイ | 4K |
富士通クライアントコンピューティング
LIFEBOOK AH-X/D3
実売価格 26万6266円
明るさを自動調整する有機ELディスプレイを装備した15.6型モデル。写真や動画の編集に適したインテル Core i7-9750Hプロセッサーを備え、大容量SSDも搭載。
SPEC●OS:Windows 10 Home (64bit)●バッテリー駆動時間:約4時間●ディスプレイ:15.6インチ●サイズ/質量:W361×H27×D244mm/約2000g
【15万円以上その4】頑丈さと高性能を兼備したモバイル
CPU | Core i7-10510U |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 512GB SSD |
ディスプレイ | フルHD |
パナソニック
レッツノート SV9 CF-SV9PFNQR
実売価格32万9800円
BDドライブを内蔵しつつ軽量で、バッテリー最大駆動20時間を誇るモバイルノート。Core i7-10510Uプロセッサー搭載で、快適にデータ通信可能なLTEにも対応。
SPEC●OS:Windows 10 Pro (64bit)●バッテリー駆動時間:約20時間●ディスプレイ:12.1インチ●サイズ/質量:W283.5×H24.5×D203.8mm/約1169g
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構成・文/アイダックデザイン