春の新製品の季節。2020年の春の新製品をプロが試し、使ってみる「前」の印象と使ってみた「後」の印象、「買い」か「様子見」かなど、使ってわかった本音レビューをお届けします。
※こちらの記事は「GetNavi」 2020年4月号に掲載された記事を再編集したものです。
その1. 所有欲を満たす高品位なデザインのノートPC
【前】スペック的には絶対お買い得→【後】デザインも使い勝手も極上すぎて即買い!
日本HP
HP Spectre x360 13
16万7200円(スタンダードモデル)
最新の第10世代Core iプロセッサーを搭載したコンバーチブル型2 in 1ノート。13.3型モデルでは世界最小のフットプリントを実現したほか、プライバシーフィルター内蔵液晶や4K有機ELなどのカスタマイズにも対応します。
SPEC【スタンダードモデル】●OS:Windows 10 Home●CPU:Core i7-1065G7●メモリ:16GB●ストレージ:512GB SSD●ディスプレイ:13.3型タッチ対応(1920×1080)●サイズ/質量:約W307×H18.5×D194.5mm/約1.24kg
性能も見た目も最高で死角ナシのイチオシPC
HPといえば、コスパの高さが最大の魅力です。本機もそれは同様で、16万円台の価格にも関わらず、CPUにはグラフィック性能に優れたタイプのコアi7を採用し、16GBのメモリや512GBのSSDを搭載。さらに、バッテリー駆動は約22時間を実現するなど、この時点で「買っていい」と断言できるレベル。ですが、本機にはそれに劣らず魅力的なポイントがあります。それは、質感の高さも含めた高品位なデザインです。
デザイン性の高いノートPCというとまず思い浮かぶのがMacBookでしょう。実際、世の「デザインに注力した」というPCには、「MacBookっぽくした」だけのものが多いのも事実です。しかし、ご覧のとおりこのSpectreは違います。キーボード奥側の角が面取りされた独特なフォルムは視覚的に美しいだけでなく、USB Type-C端子を用いる電源プラグがデスクの上で邪魔になりにくいというメリットが。筐体外周を覆うメタル素材のケバくない上品な輝きも、所有欲を存分に満たしてくれます。
この価格でこの満足感、今春、最も「買い」だと改めて断言します!(森)
ウェブカメラのオンとオフの切り替えボタン
テレワークの浸透で増加しつつあるウェブカメラの使用機会。本機は、カメラのオンオフスイッチを側面に装備しています。これにより、見られたくない場面を配信、といった失敗を予防可能です。
手が大きくても安心なフルサイズキーを実現
本機のキーボードは縦横いずれも約19mmのキーピッチを確保。キーストロークも約1.3mmと十分で、しっかりした打鍵感を得られます。Enterキーの位置はやや特殊ですが、すぐに習熟できました。
各種形状に変形する広可動域のヒンジ
ゴツくないスッキリしたヒンジで、360度反転するコンバーチブル型を実現。タブレットスタイルはもちろん、映像コンテンツ視聴やプレゼンなどの用途に適したテントモード(写真)も意外と重宝します!
専用ペンも付属しPDFなどに書込可
1024段階の筆圧検出に対応したガチ仕様なSpectreアクティブペンが標準で付属。PDFへの書き込みなどが可能なほか、メモ書きなどにも使用できます。タブレットモードとの相性は抜群。
その2.ミラーレス派にも使ってほしい一眼レフ
【前】ミラーレス時代に一眼レフって……?→【後】AFと連写が◎で動きモノに強い!
キヤノン
EOS Kiss X10i
実売予想価格14万5000円(ダブルズームキット) ※4月下旬発売予定
2017年発売のEOS Kiss X9iの後継機。基本デザインや画素数は前機種同様ですが、測光&AF性能などが向上したほか、最大毎秒7コマの高速連写や4K動画に新対応。同社の新クラウドサービスimage.canonとの連携性も強化されました。
SPEC●撮像素子:有効2410万画素APS-CサイズCMOS●レンズマウント:キヤノンEFマウント●ISO感度:100~25600●モニター:3.0型、約104万ドット●サイズ/本体質量:約W131×H102.6×D76.2mm/約515g
一眼レフでありながらミラーレス的にも使える
EOS Kissシリーズといえば、エントリー向け一眼レフの代名詞的存在。「スマホやミラーレス機が主流の時代に、いまさら一眼レフ?」なんて邪念は、実機を使った瞬間に吹き飛びました。
光学ファインダーでナマの風景や被写体をリアルに確認しながら遅延なく撮影できることは、スマホやミラーレス機にはない魅力。サブダイヤルなどが追加され、操作性も従来機より大きく向上したうえ、AFや測光、連写などの基本性能も中級機並に進化。暗所や逆光、動体といった難条件でも快適に撮影を楽しめます。ライブビュー時のAFも滑らかに被写体に追従するため、バリアングル液晶を活用して、ミラーレス機のように撮影することも可能な、「おいしいとこ取り」の1台です!(永山さん)
ファインダー撮影でも顔認識機能が使える!
EOS 90Dと同じオールクロス45点AF&約22万画素RGB+IR測光センサーに対応。ファインダー撮影時に顔認識が使えるのも◎。
一段上の操作ができる新ボタンと新ダイヤル
Kissシリーズで初めてAF-ONボタンとサブ電子ダイヤルを搭載。撮影スタイルに応じた、より直感的で柔軟な操作が可能になりました。
その3. ただのシンプル端末じゃない! 必要な機能はきっちり押さえたデキるスマホ
【前】法人需要を狙うシンプル端末?→【後】このカメラなら十分満足できる!
シャープ
AQUOS sense 3
実売価格3万7800円(SIMフリー版)
ミドルレンジ帯の定番となった「AQUOS sense」シリーズの最新鋭機。600番台のSnapdragonやシリーズ初の2眼カメラを搭載し、価格帯を維持しつつ、性能強化を図りました。筐体もわずかに小型化しています。
SPEC●OS:Android 9●CPU:Snapdragon 630●RAM:4GB●ROM:64GB●ディスプレイ:約5.5インチ フルHD+液晶●背面カメラ:1200万画素×2●バッテリー容量:4000mAh●サイズ/質量:約W70×H147×D8.9mm/約167g
かなりシンプルでも必要十分なスペック
本機は「3万円台でちゃんと使える」を体現したハイコスパモデルです。通信面ではDSDVとsXGP(※)に対応しており、今年のPHS停波を踏まえ、法人展開を意識したシンプルな機種という認識だったのですが、実際に使うとカメラの写りが結構イイ。上位モデルの「AQUOS R3」と同じ画質エンジンが使われているとのことで、SNSに投稿する程度の用途なら本機のカメラでも十分満足できます。特に、シリーズ初となるデュアルカメラの片方は画角121度の超広角で、これが風景や建物を撮るのに重宝します。
※:DSDVは、デュアルSIMデュアルVoLTEの略。2枚のSIMを装着でき、両方のSIMで同時に4Gでの待ち受け等が行えます。sXGPは、LTEをベースとした新方式のデジタルコードレスシステムで、同方式に対応することでいわゆる“事業所コードレス”としての利用が可能になります
また、ワンセグは非対応ですが、おサイフケータイや防水には対応。必要最低限の機能をきっちり押さえた点がお見事です。(井上さん)
長く使う前提でも安心して選べる仕様
背面はアルマイト染色により傷が目立ちにくく、MILスペックの耐衝撃性も備えます。OSは2年で最大2回のバージョンアップを保証。
トレンドの超広角撮影に対応
ミドルレンジ機ながら高画質に撮影でき、さらに超広角も対応するイマドキな仕様。マニュアル撮影が可能な点も見落とすべからず!
その4. ユニット交換で使い方自由自在のアクションカメラ
【前】自在な合体変形で色々撮影できそう→【後】撮影機材を小さくまとめられてイイ!
Insta360
Insta360 ONE R
実売価格5万9400円(ツイン版)
各種レンズ付きユニットを利用できるモジュール交換対応アクションカメラ。ツイン版では、4K広角モジュールと360度モジュールが付属します。手ブレ補正技術「FlowState」に対応し、安定した映像が得られます。
SPEC(4K広角モジュール装着時)●最大動画解像度:4000×3000(30fps)●レンズ:16.4mm相当F2.8●動画フォーマット:insv、mp4●バッテリー駆動時間:約70分●サイズ/質量:W72×H48×D32.4mm/約121g
ユニット交換は手間だが今後の可能性にも期待!
2020年早々に発表された本機は、レンズ交換できるいままでにないアクションカメラとして大注目されています。ツイン版では、4K広角レンズと360度レンズがセットになっており、モジュール付け替えによって通常のアクションカメラや自撮りカメラ、360度のVRカメラといった使い分けが可能。さらに手ブレ補正も強力で、安定した撮影が行える点も魅力です。このほか、1型センサーやドローン用のモジュールも発表されており、レンズユニットだけを追加購入できるという、まるでレンズ交換式カメラのような「アクションカメラの新しいシステム」となっています。
各種設定や撮影モードの変更、撮影済みデータの確認などは、コア本体のタッチ液晶モニターで行え、操作も簡単。ただし、モジュール交換は手数がやや多く若干の煩わしさを感じたのも事実。現状は、色々な撮影機材をひとまとめにして、手軽に持ち運べるというのが最大の利点ですが、今後登場するアクセサリーの大容量バッテリーベースやマイクアダプターなどを併用すると、より様々な場面で活躍できそうです。(高松さん)
合体変形で多くのスタイルに対応!
モジュールをひっくり返せば自撮りカメラに。360度レンズでは、全天球映像も撮影可能。手ブレ補正も超強力で、コレ1台あれば、多くの用途に対応できます。
水深5mの防水性能で撮影したまま水中も!
コアやモジュール、バッテリーがバラバラになるのに、水深5mまでの防水性能を実現。水辺や砂浜などでもケースに入れることなく使用できるのはうれしい。
その5. 空間を音で満たすお手軽設置のシーリングライト
【前】スピーカーの位置が天井になるだけ?→【後】お店のような音響で家電もスマート化!
ソニー
マルチファンクションライト
実売価格2万6400円
Bluetoothスピーカー内蔵のLEDシーリングライト。スマホや音楽プレーヤーなどから曲を流すことが可能。ライトは明るさと色温度(電球色や昼白色など)を変更でき、テレビやエアコンを操作できる赤外線リモコン機能も内蔵します。
SPEC●ライト適用畳数:10畳相当●スピーカー実用最大出力:約5W●スピーカー:Φ46mm(フルレンジ)●通信規格:IEEE802.11 b/g/n、Bluetooth5.0(SBC、AAC、aptX LL)●サイズ/質量:Φ520×H111mm/約3.1kg
周囲が音で満たされる天井スピーカーの魅力
天井スピーカーを、工事なしで簡単に設置できるのが「マルチファンクションライト」の魅力。実際に音を聴いてみると、良い意味で「音の出どころ」が特定しにくく、周囲が自然に音で満たされます。これは飲食店などで流れるBGMを聞くときのような感覚です。
製品名のとおり、付加機能も豊富です。内蔵センサーと連動し、「人が部屋に入ってきたら電気をつける」とか、「外出先からスマホで部屋の温度を確認し、エアコンをつける」といったスマートな設定も行えます。また、スマートスピーカーと連携して、音声でテレビやエアコンの赤外線リモコン操作をすることも可能。この1台を設置するだけで、サウンド環境だけでなく自宅の利便性も一気に高まることうけあいです。(湯浅さん)
テレビも映画館的なサラウンド感覚に!
テレビのスピーカーと併用可能。天井から周囲に広がる音と相まって、サラウンド感覚が得られる。aptX LL対応テレビなら遅延も最小限です。
外出先からスマホで家電操作や室温確認
テレビやエアコンの赤外線リモコン操作が可能な専用アプリを用意。外出先から室内の温度・湿度・明るさをチェックすることも可能です。
その6. 片手操作もできちゃう背面アタッチメント
【前】格ゲーでボタンの同時押しがラクそう→【後】左手だけで様々な操作ができてイイ!
SIE
背面ボタンアタッチメント
3278円
PS4用コントローラー・DUALSHOCK 4の背面にふたつのボタンを追加できる別売オプション。中央の有機EL部分を長押しするだけで、すぐに△○×□やLRボタン、十字キーの上下左右を割り当てられます。割り当てボタンを設定しておいたプロファイルは3つまで保存可能。ステレオヘッドホン/マイク端子を備えており、有線ヘッドセットを接続することもできます。
格ゲーからRPGまで多くのゲームが快適に
かなりニッチな製品ですが、格ゲーの「ストリートファイターV」では、背面ボタンに弱中強いずれかのボタンを配置することで、パッドでは難しい同時押しがラクに! 溜めキャラなら、背面ボタンに左右キーを仕込むことで、アナログスティックで溜めを保持しながら必殺技を出す、なんてワザも!
また、格ゲー以外でも、背面の左ボタンに○などを割り当てて、L1、L2、L3も加えた4ボタンとアナログスティックで左手のみの操作が可能に。ゲームによっては片手で楽々プレイできました!(岡安さん)
裏ワザ的なコマンド入力が可能になる!
ストVでは、アナログスティックと十字キーは別扱いなので、溜めを維持しながら必殺技コマンドが成立します。最速で溜め技を発動可能!
レベル上げも片手で操作なら超楽チン!
左手側にボタンを集中させることで、片手での操作も可能。アナログスティックを親指で、ボタンは人差し指、中指、薬指で操作します。
その7. テレビを超えた多機能4K液晶ディスプレイ
【前】夢のある製品だけど実用性はどうか……?→【後】「バーチャル試着」など可能性が無限大!
ファミリーイナダ
AI.Inada.Mirror
価格未定 4月中旬発売予定
カメラ搭載の55V型4K液晶ディスプレイ。健康管理システム「INADA MEDICAL AIクラウド」と連携し、ファッション(バーチャル試着)、運動(ホームフィットネス)、美容(ホームエステ)、健康(ホームヘルスケア)などのコンテンツを利用できます。
SPEC●画面サイズ:55V型●チューナー:BS4K/110度CS4K×1、地デジ×1、BS/110度CS×1●接続端子:HDMI入力×2、USB×3、LAN×1ほか●音声実用最大出力:8W+8W●サイズ/質量:タテ画面W838×H1814×D420mm/約57kg
【私がチェックしました!】
自宅がパーソナルなショッピングサロンやジムに
お洒落したい欲はあるけど、買い物が面倒でいつも同じブランドで済ませてしまう……そんな筆者のような人の救世主になり得るのがこちら。AIが身長・体重などのデータから洋服をレコメンドしてくれ、「バーチャル試着」できます。しかも、気に入った商品は買える!! 運動や美容、健康に関してアドバイスしてくれるのも魅力。どこの攻めたスタートアップかと思ったら、マッサージチェアの老舗、ファミリーイナダで驚きました。
1月末時点で体験できたのは運動のデモ動画のみでしたが、ドクター監修のプログラムを6種搭載し、別売のアクティブメジャー(※)を装着すれば心拍数を計測しながら最適なトレーニングができます。自分だけでは怠けそうな場面も、ガイドを参考にクリアできました。
※:ファミリーイナダのウェアラブルデバイス。実売価格1万4300円
4Kディスプレイは90度回転させてタテ/ヨコ切り替え。内部にはピクセラ製の4Kチューナーを備え、番組視聴のほかNetflixやYouTubeなどにも対応しており、日常使いも可能です。安くはないですが、無限の可能性を秘めた製品。パーソナルなスタイリストやトレーナーが欲しい人はぜひ試してみて欲しいです!!(奈津子さん)
フィットネス初心者や高齢者も安心の運動指導
関西医科大学教授・木村 穣氏監修のトレーニングプログラムを提供。「上半身強化」「腰痛予防」など全6種を用意します。本体カメラで撮った自身の動きを確認しつつ効率的に運動できます。
プロによるスキンケアを動画で丁寧に学べる
肌治療のパイオニア「銀座よしえクリニック」総院長・廣瀬嘉恵氏が監修する、マッサージ術や肌トラブルへのアドバイスなどを提供。動画は本体購入後にアップデートされていくといいます。
頭痛や咳など症状別に問診が受けられる
鳥取大学医学部名誉教授・井上貴央氏が監修する健康プログラムを搭載。頭痛や咳などの症状について問診形式でアドバイスします。提携サイトから医薬品や健康グッズを割安で購入可能。
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