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2020/9/1 21:30

ハイコスパすぎる「シャオミスマホ」の価格差はどこにある? 2万円台の「Redmi Note 9S」と3万円台の「Mi Note 10 Lite」をすみまで比較

Xiaomi(シャオミ)というブランドをご存知ですか? コスパの高さが支持されて、世界市場でのシェアを拡大している中国のスマホメーカーです。近年はスマート家電や生活雑貨も手掛け、海外では「小米之家(Mi Home Store)」という、おしゃれな専売店も展開し、ファンを増やしています。

 

そんな成長著しいシャオミが日本市場に参入したのは2019年12月。スマホ、リストバンド、炊飯器などを一気に発表して、注目を集めました。第1弾として発売されたスマホは、メインが1億800万画素の5眼カメラを搭載する「Mi Note 10」。ハイスペックながら5万2800円(税別)というお手頃価格でした。しかし、5万円台では “格安” とは言えないですよね。

 

シャオミは第2弾で本気を見せてくれました。2020年6月に発売した「Mi Note 10 Lite」と「Redmi Note 9S」は、どちらも普段使いには十分なスペックを備え、さらに4眼カメラを搭載しつつ、Mi Note 10 Liteは3万9800円(税込)〜、Redmi Note 9Sは2万4800円(税込)〜という激安価格で、われわれを驚かせてくれました。

↑左がMi Note 10 Lite、右がRedmi Note 9S

 

今年の格安スマホ市場を牽引する存在となったシャオミの2モデル。どちらを買うべきかを迷う人もいるでしょう。そこで、買ってから後悔しないように、2モデルをじっくり比較してみました。

 

ディスプレイやデザインで選ぶならMi Note 10 Lite

ディスプレイは、Mi Note 10 Liteが6.47インチの有機ELで、Redmi Note 9Sは6.67インチの液晶を搭載しています。画面サイズはRedmi Note 9Sのほうが大きいですが、画質はやはり有機ELのMi Note 10 Liteに軍配が上がります。加えて、Mi Note 10 Liteは画面内に指紋センサーを搭載していることもメリット。

↑左がRedmi Note 9S、右がMi Note 10 Lite。画面はRedmi Note 9Sのほうが大きいが、Mi Note 10 Liteのほうが明るく、視認性が高い

 

Mi Note 10 Liteはディスプレイの左右に3Dカーブを施すなど、上位モデルのMi Note 10と同じように、見た目も、手にした感触もリッチに仕上がっています。一方、Redmi Note 9Sのフロントパネルはフラットで、ごくフツーのスマホという印象。パンチホール型のインカメラを搭載するなど、価格のわりには工夫が見られますが、Mi Note 10 Liteと比べると、ベゼルが太めだったり、野暮ったい印象は否めません。

↑Mi Note 10 Liteは、上位モデルと同じように3D曲面ガラスを採用している

 

↑指紋センサーを画面内に搭載するという先進的な仕様のMi Note 10 Lite

 

↑Redmi Note 9Sの指紋センサーは右側面に搭載

 

背面パネルの質感もMi Note 10 Liteのほうがいいのですが、Redmi Note 9Sはカメラの中央上部に配置していることが特徴。この左右対称のデザインに惹かれるのであれば、Redmi Note 9Sを選んだほうがいいかもしれません。

↑Mi Note 10 Liteは、上位モデルのMi Note 10のデザインを踏襲。質感もよく、一見ハイエンドモデルに見えなくもない

 

↑Redmi Note 9Sは、安定感のあるシンメトリーデザインを採用

 

カメラのスペックには差はあるが、撮影画質に大差なし

Mi Note 10 Liteの4眼カメラは、メイン(6400万画素)+超広角(800万画素)+マクロ(500万画素)+深度(200万画素)という構成です。一方、Redmi Note 9Sは、メイン(4800万画素)+超広角(800万画素)+マクロ(500万画素)+深度(200万画素)という構成。スペック上の違いはメインカメラで、Mi Note 10 Liteのほうがセンサーの性能が高いと考えていいでしょう。

 

センサーの違いは、画質にどれくらいの差を及ぼすのか? 同じ被写体・シチュエーションで撮り比べてみました。

↑Mi Note 10 Liteで景色を写した作例

 

↑Redmi Note 9Sで景色を写した作例

 

↑Mi Note 10 Liteで夜景を写した作例

 

↑Redmi Note 9Sで夜景を写した作例

 

↑Mi Note 10 Liteで料理を写した作例

 

↑Redmi Note 9Sで料理を写した作例

 

どうですか? 違いはわかりますか? 筆者の目には大きな差はないように見えました。撮影機能にもこれといった違いは見当たらず、インカメラも同じ1600万画素です。どちらの機種を選んでも、カメラの満足度は同等でしょう。ただし、撮影した写真をスマホの画面で楽しむには、有機ELのMi Note 9Sのほうがより明るく見えて、有利だと思いました。

 

パフォーマンスも電池持ちも同等

スマホがキビキビと軽快に操作できるかどうかは、プロセッサーの性能とメモリ(RAM)の容量に依存します。Mi Note 10 LiteのプロセッサーはSnapdragon 730G(最大2.2GHz)で、メモリは6GB。一方、Redmi Note 9SはSnapdragon 720G(最大2.2GHz)で、メモリは6GBまたは4GBから選べます。

 

同じ6GBのモデルを使い比べてみましたが、ほとんど差は感じませんでした。スマホの処理速度を比較するためのベンチマークを測定できる「Geekbench 5」というアプリでも比べてみました。結果は、やはり同等でした。

↑Mi Note 10 Liteのベンチマーク測定結果

 

↑Redmi Note 9Sのベンチマーク測定結果

 

バッテリー容量はMi Note 10 Liteが5260mAhで、Redmi Note 9Sは5020mAh。やはり大差はありません。実際に使ってみても、電池持ちは同等と感じました。

↑パワーやバッテリーを制御する機能は2モデル共通。これはMi Note 10 Liteの画面

 

指紋認証によるアンロックやアプリの起動速度、写真や動画を撮った後に保存にかかる時間など、基本的な機能のパフォーマンスもほぼ同等を考えて差し支えないでしょう。

 

スペックを細かく比べてみると……

最後に、2モデルの価格と主なスペックを比べておきましょう。

Mi Note 10 LiteRedmi Note 9S
価格6GB+64GBモデル

3万9800円(税込)

6GB+128GBモデル

4万4800円(税込)

4GB+64GBモデル

2万4800円(税込)

6GB+128GBモデル

2万9800円(税込)

CPUSnapdragon 730GSnapdragon 720G
ディスプレイ6.47インチ(2340×1080)6.67インチ(2400×1080)
アウトカメラメイン(6400万画素)+超広角(800万画素)+マクロ(500万画素)+深度(200万画素)メイン(4800万画素)+超広角(800万画素)+マクロ(500万画素)+深度(200万画素)
インカメラ1600万画素1600万画素
バッテリー5260mAh5020mAh
指紋認証/顔認証○(画面内)/○○/○
NFC
microSD
ハイレゾ

 

注目すべき違いは3つあります。まず、NFCを搭載しているのはMi Note 10 Liteだけです。ただし、おサイフケータイには対応していないので、Google Payのモバイル決済サービスは利用できません。なので、NFC搭載のメリットを享受できることはほとんどないかもしれません。

↑Mi Note 10 Liteは非接触近距離通信「NFC」に対応。シャオミのウェブサイトでは「Google Pay対応」となっているが、日本では、おサイフケータイに対応していないGoogle Payのモバイル決済サービスを利用できないのが、もどかしいところだ

 

次に、Mi Note 10 LiteのSIMスロットには2枚のnanoSIMしか挿せませんが、Redmi Note 9SのSIMスロットには2枚にnanoSIMに加えて、最大512GBのmicroSDカードも装着できます。動画をたくさん撮る人には、Redmi Note 9Sのほうが便利かもしれません。

↑Redmi Note 9SはnanoSIM 2枚とmicroSDをセットできるトリプルスロットを搭載。ストレージを拡張できること、Mi Note 10 Liteに対する大きなアドバンテージと言える

 

オーディオ性能にも若干差があります。Mi Note 10 Liteはスペックに「ハイレゾオーディオ認証」「HiFi音質」と記されているので、ハイレゾ対応のヘッドフォンなどを用意することで、より高音質で音楽を試しめるはずです。ただし、申し訳ございませんが、筆者は実際に聴き比べたわけではありません。もしかしたら、Redmi Note 9Sの音質でも十分満足できる人が多いかもしれません。

↑Mi Note 10 Liteの底面。どちらのモデルも3.5mm口径のイヤホンジャックを備えている

 

価格を最重視するならRedmi Note 9Sがオススメ!

デザインやスペックでは、Mi Note 10 Liteが若干上回るものの、使用感ではほとんど差はないと言えそうです。同じ6GB+128GBモデルで価格を比べた場合、2モデルの差は1万5000円。これを安いと考えるか、高いと捉えるかは、人によって異なるでしょう。

 

日本で発売される、ほとんどのスマホに触れている筆者の個人的な意見としては、価格を最重視する人は、Redmi Note 9Sを選ぶべきだと思います。この仕様で2万円台で買えるのは絶対的にお得です。買ってから多少不満を感じることがあったとしても、この価格なら後悔しないでしょう。

 

1台のスマホを長く使いたいという人には、Mi Note 10 Liteをおすすめしたいです。格安スマホの価格でハイエンドモデルさながらの質感なので、気持ちよく使い続けられるはずです。ただし、3〜4万円出せるのなら、機種の選択肢はぐっと広がります。おサイフケータイ対応の「OPPO Reno3 A」(3万9800円・税込)や「Google Pixel 4a」(4万2900円・税込)も視野に入れて検討すべきでしょう。

 

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