デジタル
2021/1/1 18:30

2021年、「5G」が大化けするために不可欠な「3つのパートナー」

世代高速通信の「5G」が本格的に始動したことで、関連市場にも新しい風が吹き込んでいる。5Gであることが前提になる2021年以降、社会に起こるだろう変化をここで予測しよう。

 

【解説してくれた人】

 

モバイルライター・井上 晃さん

モバイル製品に精通するライター。自宅で、Oculus Questを使ってリズムゲームやイラストを楽しむ。

 

【その1】5G×VR

2021年のVRは映像がより高精細化。5Gが普及することで、ライブストリーミングなどの提供基盤も整い、新たな体験が生まれていく!

 

VRの高解像度化を次世代通信が支える

ここ数年で個人向け機器が普及し、VRは身近な存在となった。その次なるトレンドは、高解像度化だ。解像度が限られたディスプレイでは、仮想空間の映像にドットなどの粗が目立ってしまい、どうしても臨場感に欠けた。

 

しかし、次世代のデバイスでは、これが目立たなくなり、さらにHDRにも対応するなど、進化を遂げそうな兆しがある。例えば、20年10月に発売されたOculus Quest 2も、従来機よりも大きく解像度を向上している。また、同年1月に米国で開催した技術見本市「CES」で参考出品されたパナソニックの有機ELVRグラスは4K・HDRをサポートしていることで話題となった。

 

↑パナソニック/HDR対応 UHD眼鏡型VRグラス(仮)/価格未定

 

↑Facebook/Oculus Quest 2/実売価格3万7180円〜。ディスプレイの解像度が約1.5倍になり、初代よりも精細な映像が楽しめる

 

こうしたVR用のコンテンツ供給には、5Gが貢献する場面も出てくる。高解像度が進めば進むほど、通信量は膨大になるためだ。従来はこうした大容量の通信にはどうしても有線ケーブルが必要だった。例えば、有線ケーブルが引きにくいスポーツやライブの会場などの屋外施設から、高解像度の360度映像などをライブストリーミング配信するといった場面では、Wi-Fi 6や5Gの高速な無線通信の力が不可欠となろう。

↑スポーツ観戦では選手や審判がウェアラブルカメラを装着。すると、彼らと同じ目線で、これまでにない臨場感あるVRスポーツ観戦が可能に

 

↑ライブ視聴では会場の特等席からVRでライブを視聴できる。また、リアルタイムにCG合成を行うことで、いままで見たことのない演出も

 

【ネクストヒットの理由】
VRはワイヤレス化がヒットのカギを握る

「ケーブルに縛られず、美しい映像世界に入り込めることで、VRの没入感や汎用性が高まります。高速・低遅延な5Gが普及すれば、VRクラウドゲーミング等の実現にも近づきます」(井上)

↑プレイする場所が限られやすいVRゲームは、ワイヤレス化で課題が一気に解決する

 

【その2】5G×Arm PC

2021年は、高性能で省電力性に優れると言われるARMベースのPCが存在感を強める。消費電力を抑えやすく、5Gとの相性もピッタリだ。

 

スマホの頭脳の設計図がPC市場でも力を発揮

「Arm(アーム)」についてを知らなくとも、多くの人がすでに恩恵を受けている。スマホに組み込まれたSoC(システムオンチップ)が、このArm社が設計したアーキテクチャーのライセンスを使っているからだ。スマホ市場で高性能化&省電力化を果たした設計が、PCに逆輸入されるのだ。

 

Armベースの製品は数年前からあったが、マイクロソフトやアップルがモバイルPCに採用したことで話題に。今後は、5G通信対応型が登場すると予測でき、外出先でも有線と変わらない環境で仕事を行えるようになるだろう。

 

↑アップルが搭載するM1チップはArmがベース。MacBook Airのほか、13インチ MacBook ProとMac miniが新搭載。ラインナップ拡充も期待される

 

↑2019年10月発表のSurface Pro Xは、クアルコム社の技術を採用した「SQ1」なるArmベースのSoCを搭載。2020年10月に「SQ2」にアップグレード

 

【ネクストヒットの理由】
新型プロセッサーと出会うことで5G対応PCがより実用的に

「5Gに対応したノートPCはすでに登場していますが、高速通信使用時は電力消費量が大きく、スタミナが課題に。省電力なArmプロセッサーは、5Gの普及とともにその存在感を強めそうです」(井上)

 

【その3】5G×格安スマホ

安価なMVNOでも5G通信サービスがスタート。通信速度においては、大手キャリアのそれに劣る部分はあるが、安価に利用できる点で注目だ。

 

大手キャリア以外でも5Gの選択肢が登場

最新ハイエンドスマホを、大手キャリアの大容量プランで運用するという従来の5G のイメージはすでに変わりつつある。安価な端末が増え、MVNOの5Gプランを含んだ選択肢が生まれているからだ。

 

5G対応のSIMフリースマホはすでにミッドレンジ帯が中心に。例えば、11月に発売した「TCL 10 5G」は4万円ほどの価格ながら5G通信をサポートしており、背面カメラも4基を備える。

↑TCL 10 5G/実売価格3万9800円。国内向けTCLブランドの製品としては初の5G対応モデルで、バンド「n77」「n78」に対応

 

通信プランでは「mineo」が5G通信オプションを提供。「IIJ」も法人向けサービスで5G対応プランを提供している。

↑mineo(マイネオ)は、オプテージが提供するMVNOの通信サービス。2020年12月1日よりトリプルキャリアに対応した「5Gオプション」の提供を月額200円で開始

 

【ネクストヒットの理由】5G黎明期ゆえの“お試し”に格安モデル&プランが◎

「真の意味で高速大容量な5G通信を利用するには、大手キャリアのプランのほうが適していますが、対応エリアが限定的などの課題も。安価に試せるMVNOの5Gプランも注目です」(井上)