VAIOは2月18日、新しいモバイルPC「VAIO Z」を発表しました。世界初の立体成型フルカーボンボディを持ち、スピード、スタミナ、強靭性と、1kgを切る驚異的な軽量性の両立を実現した新たなフラッグシップモデルです。直販価格で26万700円から(税込)で、3月5日より発売となります。
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驚異の軽量性とハイスペックの両立を実現した、世界初の「フルカーボンボディ」
VAIO Zの最大の特徴は、重量958gの軽さと機能性とハイスペックを両立している点にあります。その高度なバランスを得るための鍵となったのは、UDカーボンをボディ全体に採用したフルカーボンボディ。UDカーボンはレーシングカーやロケットなど、極限まで軽さが求められる現場で使用されています。また、一般的なクロスカーボンよりも強靭な反面、曲げ加工が難しい欠点を持っていました。しかし、VAIO Zでは15年以上にわたって培ってきたカーボン技術を生かすことで、世界初の立体成型フルカーボンボディの開発に成功したのです。
その結果、最軽量モデル「VJZ14190311B」の重量は958gを実現しています。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、企業のリモートワーク化が進み、モバイルPCを持ち歩く機会が増えていますが、VAIO Zの軽さは鞄に入れて持ち歩くのにとても便利です。
そしてVAIO Zはフルカーボンボディの実現で軽さにこだわりながらも、処理スピードの速さなどスペック面にも妥協がありません。VAIO Zに搭載されたインテルの最新プロセッサである、第11世代Core H35(Tiger Lake-H)は、これまでよりも動作周波数や熱設計電力を向上。フルカーボンボディによりフレキシブルに稼働できる1kg前後の軽量ボディを持ちながら、従来のPCと比較して大幅なスピードアップに成功しているわけです。処理スピードアップにより、起動時や大容量ファイルを開くまでの時間など今まで、ただ待っているしかなかった時間の節約に繋がるようになりました。
特に従来、時間のかかっていた細かな処理が速まったことは大きなメリットと言えるでしょう。2017年9月発売の「VAIO S13」と比較すると、PowerPointで作成したプレゼン資料をPDF化するのにかかる時間は半分で済みます。
同じく処理スピードの向上により、ビデオ会議などでのリモート・コミュニケーションで発生するタイムラグを大幅に縮めることにも成功。従来型のPCでは、音声が遅れるなどの現象が発生することがあり、何度も言い直すようなこともありましたが、VAIO Zならそうしたストレスとは無縁でリモート会議を実施することが可能です。
リモートワークが広まるにつれて、お気に入りのカフェやワーキングスペースなどでも仕事ができるようになりました。「VAIO Z」はそのようなシーンでACアダプターを持たずに外出し、電池残量を気にせず1日の仕事ができることを目指して開発、最長で約34時間のバッテリー持続を実現しています。
VAIO取締役執行役員PC事業本部長の林 薫氏は「大きく重いボディに高性能なプロセッサを搭載すれば、処理スピードが速いパソコンを作ることはできます。1kg未満のボディで実現したことにVAIO Zの価値があるのです」と強調します。
様々なシーンでの使用を想定したモバイルPCにとって、バッテリー容量も重要な要素です。VAIO Zは、フルHD液晶モデルなら約34時間、4K液晶モデルなら約17時間の大容量バッテリーを搭載。タフに使っても極力充電せずに1日のワーキングアワーで使用することができるとしています。
VAIO Zなら、移動中や出先で動画を視聴する際も電池の残量を気にせずに楽しむことができるでしょう。
軽量性と強靭さの両立も実現、ユーザビリティにも優れる
さらに強靭さもVAIO Zの特徴です。リモートワークの機会が増えたことによって、モバイルPCを持ち運ぶ機会が増えたと思いますが、VAIO Zは万一、落としても壊れないほどの強靭さも備えています。
VAIO Zは、VAIO独自の様々なモバイルPC利用シーンを想定した数十項目に及ぶ衝撃耐久性などの試験をクリア。また、アメリカ国防総省制定のMIL規格(MIL-STD-810H)もパスするほどの堅牢性を誇ります。
MIL規格準拠落下衝撃テストでは、持ち運び中やデスクの上からの落下などを想定して、26方向から硬い鉄板の上に落下させる試験を行います。VAIO Zはこれらの試験をクリアしたばかりか、127cmの高さからの落下試験にも耐えられる圧倒的な強度を実現しました。
この堅牢さを手にしたことにより、本当の意味で「どこへでも気軽に」モバイルPCを持ち出せる時代になったと言えるでしょう。
また、ユーザビリティにおいても、妥協のない機能性を誇るのが新生VAIO Z。VAIO User Sensingという独自の認識機能を新たに搭載しています。顔認識および指紋認識を組み合わせ、ユーザーがPCの前に座ればユーザーを認識し、スリープ状態から復帰したり、PCの前から離れると自動でロックする機能です。他にも、キーボードは日本語配列では「かな文字なし」「かな文字あり」「かな文字なしで隠し刻印」の3種類を選択できる(英語配列は隠し刻印の有無で2種類を展開)など、かゆいところに手が届く仕様を設計しています。
発表会に登壇したVAIOの山本千弘社長は、「この7年間、日本のビジネスパーソンの生産性を高めることに徹底的にこだわり抜いたモバイルPCを開発してきました。これまでは難しかった軽量性とスピード、スタミナ、強靭性などを両立させた“VAIO Z”の登場でモバイルPCは新たなステージに突入することは間違いないでしょう」と結びました。
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執筆/内山 慎太郎