本連載ではGetNavi web編集長・山田佑樹が日々の生活で愛用している品々を紹介していきます。
【#愛用品 63:PFU「スキャンスナップ iX500」】
●起
処分しようと思って、なかなか捨てられない持ち物がある。今日紹介するスキャンスナップもそのひとつだ。雑誌担当時代はガンガン使っていたのだが、ウェブを担当するようになって、そして在宅勤務するようになって、いよいよ紙の出番がなくなってきてしまった。昨今はリアルで会うことが少なくなり、名刺をスキャンする役割もあまりない。
●承
だったら、心置きなく処分できるんじゃ?と妻からも言われるのだが、なかなか重い腰が上がらない。というのも、スキャンは僕にとって尊い行為なのだ。「スキャン=尊い」とはまた意味不明だが、そのロジックはこう。
●転
企画をまとめたラフができたとき、原稿を入稿するとき、校正紙に赤字を入れて送るとき、それらの紙たちはスキャンスナップを通過して、次のステージへ羽ばたいていった。単にアナログデータがデジタルになるのではなく、ワクワクしたり、ホッと胸を撫で下ろしたり、もしくは苦悩したりといった、喜怒哀楽も一緒に吸い込んで。記事制作過程に節目を作ってくれる存在。だから、尊い。
●結
効率面や稼働面でいえばなくても不便さはないのだが、編集業を見守ってくれた相棒を手放すのは名残惜しい。かけがえのないものを捨ててしまうような感覚。一度も交換していないのに壊れないローラー、A3原稿も余裕で結合してくれる正確さ、イレギュラーな形状や紙質の名刺でももろともせずにスキャンするパワフルさなど、愛すべき点を挙げればキリがない。
というわけで現時点でも、リビングの棚(我が家の一等地)で、来るべき出番を待ち構えてくれている。うん、やっぱり捨てられない。
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