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2022/3/29 11:30

ビジネス向けモバイルノートPCはどう選ぶべき? 最新「HUAWEI MateBook 14」でポイントを探る

ここ数年でリモートワークが身近になり、会社だけでなく自宅やカフェ、コワーキングスペースなどで仕事をする機会が増加。仕事をする場所が決まっているときはどんなノートPCでも問題なかったのですが、場所を移動して作業するとなると、ビジネス向けのモバイルノートPC選びもちょっと変わってきます。

 

そこで、3月に登場したばかりのスタンダードなモバイルノートPC「HUAWEI MateBook 14」を例に、モバイルノートPC選びで重視したいポイントやトレンドを紹介していきます。

 

最初に見るべきポイントは「画面サイズ」「基本性能」「軽さ」

モバイルノートPCを選ぶうえでの基本となるのが、①「画面サイズ」②「基本性能」③「軽さ」の3つ。ここでは「HUAWEI MateBook 14」を例に、この3つのポイントをどういった基準でチェックすればいいのか解説します。

↑HUAWEI MateBook 14は3月18日に発売されたばかりのモバイルノートPCです

 

①画面サイズの主流は13.3~14型

一般的なノートPCだと、15.6型の大きなサイズが主流。画面が大きくて見やすいのですが、そのぶん本体サイズは巨大化し、重量も重たくなりがちで、モバイルノートPCには向いていません。

 

そのため、モバイルノートPCの主流は13.3~14型となっています。HUAWEI MateBook 14は、モバイルノートPCとしては大きめの14型を採用。作業のしやすさと持ち歩きやすいサイズ・重量を両立しているモデルです。

 

HUAWEI MateBook 14に関して言えば、うれしいのは、14型ながらも13.3型クラスに匹敵するほどコンパクトになっていること。これは画面周囲のベゼルを細くすることで実現しています。見た目がスタイリッシュというだけでなく、サイズ面でも有利になるデザインです。

↑狭額縁デザインを採用することで、14型ながら本体サイズをギリギリまでコンパクト化

 

②基本性能はCPU、メモリー、ストレージで決まるので要チェック

PCの基本的な性能は、CPUとメモリー、そしてストレージでほぼ決まります。とくにモバイルノートPC向けのCPUはここ数年で大きく性能が向上しており、5年前の製品から買い替えると、一番驚くポイントかもしれません。

モデル名HUAWEI MateBook 14
CPU第11世代インテル Core i5-1135G7 プロセッサー
メモリー8GB/16GB
ストレージ512GB NVMe PCle SSD
ディスプレイ14型(2160×1440ドット、アスペクト比3:2)画面占有率90%、輝度300ニト、タッチ操作対応(16GBメモリーモデルのみ)
通信Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1
インターフェイスUSB Type-C(充電、ディスプレイ出力、データ転送)、USB 3.2×2、HDMI、ヘッドホン出力/マイク入力
キーボードバックライト付き日本語キーボード
その他指紋認証一体型電源ボタン、720P HD埋め込み型カメラ、スーパーデバイス
サイズ約幅307.5×奥行き223.8×高さ15.9mm
重さ約1.49kg
OSWindows 11 Home

↑HUAWEI MateBook 14の主なスペック。CPUやメモリー、ストレージなどは、スペック表から読み取れます

 

具体的には、5年前であれば、ミドルクラスの製品に多く採用されていたのがCore i5-7200U。これは2コアCPUで、1つのCPUの中に2つの頭脳が搭載されています。これに対し、HUAWEI MateBook 14が搭載しているのは、Core i5-1135G7。こちらは4コアCPU、つまり4つの頭脳が搭載されていることになります。動作クロック当たりの性能向上もありますので、実際は2倍以上の性能が期待できるでしょう。

 

複数のアプリを同時に使うことが増えた現在は、このCPUの性能が快適さに直結します。アプリを立ち上げる間の待ち時間が短縮され、アプリを終了しなくても別のアプリがサクサクと動く。たったこれだけのことでも、作業の効率は大きくアップするはずです。

 

続いて、軽く見られがちなメモリーですが、多くのアプリを同時に利用する場合にはとくに威力を発揮します。各アプリが必要とするメモリー量が増えていることもあって、今は最低でも8GBは必須。16GBあれば、とりあえず困ることはないといった基準になっています。デスクトップPCと違い、モバイルノートPCは後からメモリーを増量するのが難しいことが多いだけに、なるべく多いものを選んでおきたいところです。

 

ファイルを保存するストレージは、快適性を考えればHDDではなく、SSDを選びましょう。今はSATA接続とNVMe対応のPCIe接続の二択ですが、PCIe接続の方が、多くの場合、ファイルの転送速度が2倍以上高速。主流もPCIe接続となっていますのでよほどの理由がない限り、PCIe接続を選ぶのが無難です。

 

容量は、512GB以上がおすすめ。256GBでも当面問題はありませんが、メインPCとして使う場合、多くのアプリをインストールするほか、データもどんどん増えていきます。最低でも数年間は容量不足に悩まないためにも、512GBあると安心です。

 

以前からノートPCを使っている人であれば、「そこまでの性能は必要ない」と思われるかもしれませんが、リモート会議中にオフィスアプリを起動し、作成した資料を画面上で共有しながら説明する、なんていうのはよくあるシーン。性能の低いPCでも同じことはできますが、資料表示まで時間がかかる、アプリが突然落ちてしまうなどのトラブルの原因ともなります。それだけに、性能の余裕は大切です。

 

メーカー側でもそうしたニーズに応えるためか、HUAWEI MateBook 14のように、Core i5-1135G7、8GBもしくは16GBメモリー、512GB SSDを内蔵した、トレンドど真ん中のモデルも展開されています。

↑インテルのCore i5を搭載したモデルは、このようにシールが貼付されています。HUAWEI MateBook 14には、4コア/8スレッドのCore i5-1135G7を搭載。ミドルクラスのCPUながら、性能はかなり高いです

 

③軽さは1kg以下が理想だが、用途によっては1kg以上でもOK

モバイルノートPCの要ともいえる軽さ。本来であれば移動時の負担にならないよう、1kgを切っているのが理想ですが、これは常時携行して1日中外出している人向けの話です。作業場所を移動するくらいで、移動時間より利用時間の方が圧倒的に長いのであれば、そこまで重量にこだわる必要はありません。

 

とはいえ、2~3kgもある重たいノートPCを持ち運ぶのは非現実的です。

 

HUAWEI MateBook 14を見ると、重量は約1.49kg。超軽量というわけではありませんが、自宅内での移動、コワーキングスペースに持ち出す、出張時にカバンに入れていくといった用途であれば、十分な軽さです。これはひとつの目安にしてもいいでしょう。

↑重量は約1.49kgと決して軽くはないですが、片手で保持して移動するくらいは余裕です

 

モバイルノートPC選びの基本は以上の3つです。この基本を押さえつつ、さらに「あったほうがうれしい」ポイントを次に見ていきましょう。

 

HUAWEI MateBook 14に見る、モバイルノートPC選びでさらに気にしたい4つのポイント

スペック表からわかる情報だけで製品を選ぶと、実物が手元に届いたときに「思っていたのと違う……」となってしまいがち。もちろん、店頭で実物を見て買えばそんな食い違いは減らせますが、長期間使ってみなければ実感できない部分もあります。

 

こういった実際に使ってみないとわかりにくい部分を、HUAWEI MateBook 14を例にチェックしてみましょう。

 

チェックポイント1 アスペクト比と解像度

画面のサイズはスペック表ですぐにわかりますが、実感しづらいのはアスペクト比と解像度。一般的なのは16:9/1920×1080ドット(フルHD)で、画面サイズに関係なく、多くのノートPCで採用されています。

 

16:9は一般的なテレビと同じ比率で、見慣れているぶん受け入れやすいのですが、アプリを使い始めると少々不満に感じることがあります。横幅に比べて縦幅が圧倒的に狭いのです。

 

PDFの書類を見開き表示にしたら左右の余白が大きい、エクセルの表で表示できる範囲が狭いなど、もうちょっと何とかなってくれるといいのに……と思うでしょう。とくに書類関係を扱うことが多いビジネスシーンでは、感じやすいはずです。

 

HUAWEI MateBook 14は、解像度2160×1440ドット、アスペクト比3:2という液晶を採用。フルHDと比べて解像度が高いうえ、縦の比率が大きめとなっているため、書類を無駄なく表示できるのがメリットです。

 

また、純粋に解像度が高いため、表示できる情報量も多いです。これは、Excelファイルを開いてみるとよくわかるでしょう。

↑Office on the webのExcelを使い、テンプレートの請求書を表示してみたところ

 

1920×1080ドットでは、テンプレートの請求書の27行目までしか表示できなかったのに対し、2160×1440ドットのHUAWEI MateBook 14では、43行目まで表示。必要な情報が1画面にすべて収まっています。

 

チェックポイント2 バッテリー

外出先で利用するときに心配なのが、電源問題。電源が借りられる場所であればACアダプターで充電できますが、どこでも借りられるわけではありません。また、コンセントのある席が限られていることも多いでしょう。

 

そんなときでも安心できるのが、長時間バッテリー駆動が可能なモデル。1日中電源のないところで仕事をするなら、8時間以上が最低条件です。余裕を考えれば、10時間以上が目安となります。

 

HUAWEI MateBook 14のバッテリー駆動時間は、しっかり使える約12.9時間以上(JEITA2.0基準)。しかも、付属のACアダプターで急速充電を行なえば、15分で約2.5時間利用可能となるため、短時間しかコンセントが使えないといったときでも安心です。

 

なお、付属のACアダプターはUSB Type-CでPD対応なので、Androidスマートフォンなどほかの機器にも利用できます。

 

チェックポイント3 インターフェイス

モバイルノートPCは、自宅はもちろん、意外と外出先でも外部ディスプレイやマウスなどの周辺機器に接続する機会が多いはず。

 

そのときに重要なのが、インターフェイスの種類。USB Type-C対応の機器が増えてきたといっても、今でも主流はUSB Type-Aなので、USB Type-Aも搭載しているのが1つ目のポイントといえるでしょう。

 

2つ目は、HDMI。USB Type-Cからディスプレイ出力が可能な場合も多いですが、HDMI入力のある機器との接続には、変換ケーブルが必要です。その点、HDMIをもつモバイルノートPCであれば、先方のHDMIケーブルを借りるだけでよく、ピンチを切り抜けられます。

 

HUAWEI MateBook 14のインターフェイスを見ると、USB Type-A×2、USB Type-C、HDMIを装備しており、しっかりと対応できています。とくにUSB Type-A×2は、マウスのほかにUSBメモリーなども同時に使えますから、実用的な構成といえるでしょう。

↑右側面には、USB Type-A×2を装備。マウスとUSBメモリーなど、複数機器を接続できます

 

↑左側面は、USB Type-CとHDMI。間にあるのはヘッドホン出力です

 

ちなみに、HUAWEI MateBook 14に搭載されているUSB Type-Cは、USB機器の接続のほか、充電、ディスプレイ出力にも対応。USB PDに対応した外部ディスプレイとType-Cケーブルで接続すれば、充電とディスプレイ出力を1本でまかなうことも可能です。

 

チェックポイント4 生体認証やWi-Fi 6などの付加機能

必須ではないものの、あると便利な機能が生体認証。顔認証や指紋認証ができると、周囲に人がいる状態でパスワードを入力する機会が激減し、のぞき見でパスワードがばれてしまう危険が小さくなります。とくに屋外で使う機会が多い人には、安心の機能でしょう。

 

また、通信機能も重要。Wi-Fi内蔵は当然として、最新のWi-Fi 6に対応しているかがポイントです。最近はWi-Fi 6対応のルーターも低価格化してきているので、今はまだ導入していなくても、将来性を考えれば対応しておいて損はありません。さらに、外での利用が多いというのであれば、4Gや5Gといったモバイル通信に対応したモデルを選ぶのも手です。

 

これ以外にも、操作性を重視したければ指で画面に触れて操作できるタッチパネル、アプリからの意図しないカメラ利用を防ぐカバーなどもあると便利です。

 

HUAWEI MateBook 14は、このうち指紋センサーとWi-Fi 6、そしてタッチパネルが搭載されています。また、カメラは少々特殊で、ファンクションキーの中央部分に埋め込まれているタイプ。撮影の角度が急になる、膝に乗せて使うと顔が映らないといった難点もありますが、別途カメラを用意しなくてもリモート会議などに参加できるのは心強いです。

↑必要なときだけポップアップできるカメラを装備。不要なときはしまえるのがユニーク

 

↑電源ボタン一体型の指紋センサー。電源オン時に指を置いておけば、自動でサインインできます

 

 

HUAWEI MateBook 14は性能や使いやすさにこだわった、実用性の高い1台

モバイルノート選びのポイントをいくつもそろえたHUAWEI MateBook 14ですが、実際使ってみて感じた最初の印象は、モバイルノートPCとは思えないほど広い画面だということ。14型という数字以上に広く、アプリが利用しやすく感じました。16:9では表示できる情報が少なく、デッドスペースができてしまうのが、知らないうちにストレスになっていたようです。

 

操作性の面でいうと、大きなタッチパッドが魅力。ポインターの移動もスクロールも自在にできるため、小さいエリアを何度も指でこする必要はありません。

↑かなり大きなタッチパッドを装備。余裕をもってポインターの移動ができます。なお、キーボードの配列は英語ですが、こちらは試用機のため。製品版ではフルサイズ日本語キーボードです

 

さらに、メモリー16GBモデルであれば、画面にタッチパネルが搭載されています。ポインターを移動してボタンをクリック、また元の位置にポインターを戻して……なんていう作業は必要なく、直接画面上のボタンにタッチすればOKです。モバイルノートPCだと画面とキーボードの距離が近いため、意外とこの操作方法が便利。タブレットPCでないならタッチパネルは不要だ、と考えている人こそ、使ってもらいたいです。

 

なお、バッテリー駆動時間が長くて重量も約1.49kgと重ためというと、本体は分厚いようなイメージがありますが、HUAWEI MateBook 14の厚みは約15.9mm。かなりスリムなので、カバンへもしまいやすいです。

↑モバイルノートPCらしい薄型デザイン。本体に手を置いて長時間作業しても手首が痛くなりにくいでしょう

 

1kgを切るような軽量モバイルノートPCと比べてしまうと重たいうえに、特徴の少ないデザインは武骨な印象を与えがちですが、そのぶん性能や使いやすさにこだわっているのがわかるはず。ビジネスモバイルノートPCとして実用性の高い、魅力的な1台といえるでしょう。

 

懐にやさしいコスパの高さも製品選びの重要ポイント

HUAWEI MateBook 14は実売価格で14万4800円(税込)~と、そこまで高くありませんが、メインPCとは別のセカンドPCとして欲しいと考えると、もう少し安い方がうれしいのは事実です。

 

そこで、アスペクト比3:2やタッチパネルといった特徴にそこまでメリットを感じない、というのであれば、「HUAWEI MateBook D 14」という選択肢もあります。

 

解像度が1920×1080ドットのフルHD、タッチパネル非対応、メモリー 8GBと若干見劣りしますが、CPUはCore i5-1135G7、SSDもPCIe接続の512GBと、HUAWEI MateBook 14と同等で、実力は負けていません。

 

もちろん、モバイルノートPCであるとうれしい指紋センサーやカメラはしっかりと搭載しています。

↑画面がフルHDとなるため、それに合わせ横幅が若干大きめ。ただし奥行きは短くなっています

 

しかも、重量は約1.38kgと少し軽くなっているため、軽さ重視で選びたいという人もこちらを選ぶとよさそうです。

 

価格は12万9800円(税込)。HUAWEI MateBook 14よりも買いやすく、しかもデザインはほぼ同じで、安っぽさはありません。アルミ筐体による堅牢性も同等ですから、モバイルノートPCとして、安心して持ち歩けるでしょう。

 

なお、見た目はHUAWEI MateBook 14とそっくりですが、ユニークな点として、画面が180度まで開きます。机で向かいに座った相手に画面を見せやすいほか、180度開いた状態でスタンドに立て、マウスとキーボードを接続してデスクトップPCライクに使う、といった活用も可能です。

↑画面が180度まで開くので、周囲の人全員に画面を見せるというのもやりやすいです

 

モバイルノートPCとしての重要ポイントはしっかりと押さえつつ、価格も抑えられているという良モデル。コスパを重視するなら、HUAWEI MateBook D 14を選んでも後悔しないでしょう。

 

ここまで、モバイルノートPCの選び方を見てきましたが、各ポイントを押さえながら10万円台半ばくらいで手に入るHUAWEI MateBook 14は、かなり理想的な製品といえるでしょう。一方で、よりコスパの高さを追求するならHUAWEI MateBook D 14を選ぶと、満足できるはず。今回挙げたポイントを参考にしながら、欲しい機能と価格帯を考えて、さまざまな製品と比べて検討してみてください。

 

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撮影/ヒゲ企画