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2022/6/13 11:15

iPhone用クラウドゲームアプリ解禁なるか、英政府がアップルとGoogleを「反競争的」と認定

マイクロソフトのクラウドゲーミングサービス「Xbox Cloud Gaming」はAndroid用アプリが用意されていますが、iPhoneやiPadでは専用アプリがなく、ウェブブラウザー(Safari)を使って遊ぶことになります。なぜ、そうした形になるかといえば、アップルが実質的に(後述)他社のクラウドゲーミングアプリをApp Storeで公開することを禁じているからです。

 

英国の規制当局が、こうしたアップルのクラウドゲームアプリ禁止や、すべてのiOSのブラウザーアプリに自社開発のWebKitエンジンを使うよう義務づけていることにつき、反競争的(独占禁止法に違反する疑いがある)との報告書を発表しました。

 

これは英国の競争・市場庁(CMA)がアップルとGoogle両社に対するさまざまな反トラスト法(独占禁止法)関連の苦情について1年にわたり調査を実施し、発表したものです。その結果は、両社とも競争を制限しているとのこと。

 

まず、前提知識として「App Storeでの、クラウドゲーミングアプリの実質的禁止」について。はじめアップルはXbox Cloud GamingやGoogleのStadiaなどを一律に不許可としていましたが、後に方針を変えて条件つきで許可しています。

 

ただし、その条件とは「個別のゲームごとに(ストリーミング用のクライアント)アプリをApp Storeに公開すること」「個別のゲームごとに、更新ごとに審査を通すこと」「アプリ内でのDLCやアイテム課金、月額課金などにはアップルのApp内課金(手数料30%)を使うこと」など。

 

それに加えて個別のゲームごとにApp Storeページを作り、スクリーンタイムやペアレンタルコントロールも用意することなど厳しすぎるため、MSはこれに反発。最終的にはApp Storeの審査を受けなくていいブラウザー経由での提供になった次第です。

 

またアップルは開発者にiOSやiPadOS用の独自Webブラウザーを作ってApp Storeで公開することを許可していますが、自社開発の描画エンジン「WebKit」を使ったものしか承認しません。このためiPhone用のChromeも中身はSafariとほぼ同じであり、その一方でApple Payとの連携などの、Safarが使える一部機能もブロックされています。

 

さて、英CMAはアップルとGoogleともに、モバイル端末OSやアプリストア、Webブラウザーを含む市場に対して支配力を行使でき、モバイルエコシステムの「実質的な二重独占状態にあることが判明した」と述べています。

 

アップルについては、第1にクラウドゲームサービスの排除が、開発者と消費者の双方に害を及ぼすと結論づけています。

 

「App Storeでのクラウドゲームサービスの出現を阻止している」としつつ、同社にとって「ゲームアプリは重要な収入源であり、クラウドゲームはアプリ配信におけるアップルの強力な地位を脅かす存在となりうる」とのこと。この分野の成長を妨げることで「モバイルユーザーがクラウドゲーミングの恩恵を十分に受けられなくなる危険性をはらんでいる」と指摘されています。

 

またiOS用ブラウザーでのWebKitの使用義務づけも、「このエンジンの能力により速度と機能の両方が制限されている」ことが競争を邪魔しているとの結論です。さらには、Webアプリ(ブラウザー上で動作するアプリ)についても「機能を著しく阻害し、消費者と企業からこの革新的技術の恩恵を完全に奪っている」とのことです。

 

もしもアップルがこれを受けて方針を変更すれば、iPhoneやiPadでのクラウドゲーミングアプリも解禁され、Safari以外のブラウザーも高速化するなど、機能が豊富になるかもしれません。アップルがどう反応するのか、続報を待ちたいところです。

Source:CMA
via:9to5Mac