実業家のイーロン・マスク氏がツイッターの買収を完了してから、同社は大騒ぎとなっているようです。新たにCEOに就任した同氏は、パラグ・アグラワル前CEOほか複数の幹部を解雇するとともに、社内で大規模なリストラの準備を始めたとの報道もありました。
さらに最新の報道では、従業員が異常な長時間労働を命じられたり、有料サブスクリプション「Twitter Blue」の特典だった「広告なしの記事」が消滅したと伝えられています。
週84時間労働
米CNBCは、ツイッターの管理職はマスク氏の厳しい締め切り(ツイッターのシステムを変更する期限)を守るため、一部の社員に1日12時間、週7日働くよう指示したと報道。
この命令は残業代や慰労金、雇用保障についての話もなく行われたそうです。また、締め切りまでに仕事を完了させることは、ツイッター社内でのキャリアを左右する問題だと見られているとのこと。
恐怖と不信が渦巻くなか、多くの社員は職場の問題について社内システムで連絡を取り合うのを止めたうえ、Slackチャンネルのいくつかは沈黙してしまったと言われています。
「Twitter Blue」の消滅
Twitter Blueの特典の1つである「広告なしの記事」は、米国にある300社以上のパブリッシャーと「Ad-free Articles」という契約を結ぶことで、購読者は広告なしの記事が読めるというもの。ツイッター社がパブリッシャーに広告収入とほぼ同額を支払い、その代わりにユーザーは広告なしで記事が読むことができました。
しかし、ツイッター社は契約していたパブリッシャーに、この機能をなくすと通告する電子メールを送ったそう。テックメディアThe Vergeは、入手したメールを転載しています。
それによれば「2022年10月31日の営業終了時をもって、Ad-free Articlesを廃止することを決定しました」とのこと。これにより「会員の皆さまにさらなる価値を提供することにリソースを集中します」と述べられています。
実際、つい数日前まではあった「広告なしの記事」の説明ページは消滅している様子。
「Twitter Blue」は日本で提供されていません。しかし認証バッジを有料にするとの噂もあり、遅かれ早かれ、マスク氏のCEO就任の影響は日本にも及ぶかもしれません。