デジタル
Apple
2022/11/10 10:40

2026年には340万台へ。「中古iPhone」の売り上げが日本で急増

日本のユーザーは長年にわたり、新品のスマートフォンを中古品より好む傾向がありました。が、最近は円安のため新型iPhoneは価格が高すぎて手が届かず、中古iPhoneの売れ行きが伸びているようです。

↑中古で十分?

 

実に32年ぶりの円安もあり、アップルは日本でiPhoneの価格を引き上げています。2022年7月には、公式オンラインストアで約2割アップ。そして9月に発売したiPhone 14も、米国では前モデルと同じ799ドル~(約11万7000円※)ですが、国内では9万8000円~(税込、2021年9月に発売当時の価格)から11万9800円に上がっています。

※1ドル=約146円で換算(2022年11月10日現在)

 

その事情は米国以外の他国でも同じですが、日本の消費者は新品から中古品市場に流れているとの趣旨を、米Reutersが伝えています。

 

日本のリサーチ会社であるMM総研によると、国内の中古スマートフォン販売台数は2021年には15%近く延びて210万台となり、2026年には340万台に達する見通しとのこと。

 

それを裏付けるように、Reutersは「10万円以上もするiPhone 14は高すぎて買えない」として中古のiPhone SE(第2世代)を買う人や、これまで新品ばかり買ってきたが、中古のiPhone 13に買い替えた人を紹介しています。

 

この流れについてアップルはコメントを拒否したとのこと。とはいえ、同社が規制当局に提出した書類には、日本の売上高は円安の影響で前年度(アップルの会計年度は9月24日が末日)より9%減少したと書かれていたそうです。

 

また、中古スマホのECサイト「にこスマ」を運営するBelong社の井上大輔CEOは、最新のiPhoneは多くの消費者にとって「大きな心理的障壁」となる10万円を超えていると指摘。アップルが7月に値上げして以来、平均の売り上げがそれ以前の3倍になったと明かしています。

 

現在も日本でのiPhone人気は高いままのようですが、どれだけ中古品が売れてもアップルには1円も入りません。さらに円安が進めば新品のiPhoneも値上げし続けるのか、それとも方針を見直すのか、今後の展開を見守りたいところです。

 

Source:Reuters
via:iMore