「週刊GetNavi」Vol.48-3
Amazonの「Echo」やGoogleの「Google Home」、シャープが開発中の「ホームアシスタント」などは、いわゆるAIを使ったホームゲートウェイ、と総称できる。そうした機器は、なにができてどう便利なのだろうか?
まずできるのは「情報の提示」だ。スマートフォンでも、声で検索キーワードを指定したり、天気予報などのサービスにアクセスして明日の天気を教えてもらったり、ということはできる。それがそのまま可能、と考えてもらっていい。スマートフォンと違うのは、「機械に対して語りかける」のではなく、部屋のどこかにいる家族に語りかけるように、少し大きめの声で、自由な場所で、自由な方向を向いて語りかけていい、ということだ。命令を与えるまえに「OK Google」などのコマンドワードをいう必要はあるが、制約はそのくらいだ。やっていることはスマートフォンとまったく同じなのだが、これらのホームゲートウェイには、部屋の中の声を効率的に拾えるよう、より広い面積をカバーできるマイクが組み込まれている。「部屋の中で使う」ことに特化して作られているわけだ。とはいえ、部屋をまたいで使うのは現実的ではない。だから、「一部屋に一つ」置いてもらうことを想定し、低価格にしている、という部分がある。
海外で特に注目されているのは「音楽」との連携だ。前回のコラムで述べたように、そもそもこうしたホームゲートウェイは、ネット対応のスピーカーとしての機能を持つ。だから、SpotifyやAmazon Prime Music、Google Play Musicなどのストリーミング系音楽サービスと連携するのが基本である。例えば、台所で両手がふさがっている時に「誰々のプレイリストをかけて」といえば、そのアーティストのプレイリストが再生される……といった形で使えるわけだ。
また、ネットサービスも音声エージェントを想定したものが増えつつある。例えばGoogle Calendarは、EchoとGoogle Homeの両方に対応しており、音声でこの後の予定を確認したり、予定を追加したりできるようになっているし、出掛ける時間を教えてくれるようにもなっている。アメリカでは、ドミノピザの注文アプリが音声に対応し、声で注文できるようになっている。満足いく完成度のサービスはまだ少ないようだが、スマートフォンでの音声対応が当たり前になるなら、ホームゲートウェイにも同時に対応していくことになる。特にショッピングや予約系は、ホームゲートウェイでの利用が増える可能性は高い。
そして、なにより本命視されているのが「家電機器の制御」だ。ただしこちらについては、国内での方向性と海外での方向性には違いがある。
どう違うかは、次回のVol.48-4で詳しく説明したい。
※Vol.48-4は11月14日(月)更新予定です。
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