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2023/3/22 21:30

9分半で満充電、価格破壊の折りたたみ式etc. 最新スマホの進化はどこまで進んだ?

毎年2月末にスペインで開催される「MWC Barcelona」は、スマートフォンメーカーにとって2023年の新作を披露する場にもなっています。各メーカーが気合を入れた2023年の新作の中にはスゴイ製品もたくさん見受けられました。それらをいくつか紹介しましょう。

 

背面がカラフルに光る! Unihertz「Luna」

スマートフォンの背面を透明なガラスで覆い、その内部に光るライトを搭載したスマートフォン「Luna」をUnihertzが発表しました。ストライプ状のLEDライトはそのデザインだけでも大きく目を惹きます。ライトの色は自由自在に変更できるので、赤、青、黄色や緑など、自分の好みに設定もできるそうです。でも似たようなスマートフォンはすでに販売されていますよね……そう、2022年7月に発表された「Nothing Phone (1)」を覚えているでしょうか。Lunaの見た目はNothing Phone (1)にソックリ。しかしNothing Phone (1)はライトが白色にしか発光しません。Lunaのほうがカラフルに光るのでより楽しそうです。

↑Unihertz Luna

 

ちなみにMWCのUnihertzブースにはNothingのCEO、カール・ペイ氏が訪問して自分のNothing Phone (1)とLunaを比べてみたとか。Lunaには実はホワイトライトだけのバージョンもあって、Nothing Phone (1)を正しくトレースしたモデルも出しているほど。Lunaはカメラも1億800万画素と3200万画素で、Nothing Phone (1)のデュアル5000万画素よりちょっとだけ高性能。しかし通信方式はLTEのみ、本体重量もかなり重くてたぶん300gくらいあります。果たしてこの「光るスマホ」、正式発売後はどれくらいの人気になるでしょうか?

↑正面から見ると普通のスマホで面白味は無い

 

手が届くお値段に? 折りたたみスマホの価格破壊! Tecno「Phantom V Fold」

折りたたみスマートフォンといえばサムスンの「Galaxy Z Fold4」が日本でも販売されていますが、価格は約25万円とその気になればノートPCも買えてしまうほど高価格です。しかしインドなどでスマートフォンを販売しているTecnoが発表した「Phantom V Fold」はGalaxyより10万円以上安い値段で登場します。早期割引価格だと13万円ちょっと、月々約1万円の1年払いで折りたたみスマートフォンが買えてしまうのです。

↑Tecno Phantom V Fold

 

本体を開くと7.85インチの小型タブレットとなり、閉じると6.42インチ、本体横幅72ミリのスリムな普通のスマートフォンになります。カメラは5000万画素を2つと1300万画素と高性能。弱点があるとすれば本体重量が299グラムとやや重めなこと。残念なことにインドでしか発売されないようなので、日本で入手するのは難しそうです。男女ともセルフィーが大好きなインド向けとあってフロントカメラも3200万画素と高画質な点も見逃せません。

↑閉じてしまえば普通のスマホにしか見えない

 

iPhoneやGalaxyよりスゴイカメラを搭載! Honor「Magic5 Pro」

スマートフォンのカメラの高性能化は、世の中から「コンデジ」をほぼ駆逐してしまいました。でもどのスマートフォンのカメラが一番きれいに写真を写せるのでしょう? その指標としてスマートフォンのカメラの評価をおこなっている「DxOmark」が、2023年3月時点で発売されているスマートフォンの中で最も優れたカメラを搭載していると判断したのがHonorの最新モデル「Magic5 Pro」です。

↑iPhoneよりカメラがスゴイHonor「Magic5 Pro」

 

ちょっと前までスマートフォンのカメラと言えばファーウェイの評価が高かったことを覚えていますか? Honorはファーウェイから分社化して誕生したメーカーなので、カメラ性能もファーウェイ譲りで優れています。Magic5 Proは5000万画素のカメラを3つも搭載し、最大100倍望遠にも対応。夜景も綺麗に撮影できます。DxOmarkの評価ではこのMagic5 Proはすべてのスマートフォンのなかで最高のカメラ性能をマークしており、文句なしに「世界最強カメラスマホ」の栄誉を手にしています。

↑どんなシーンでも美しい写真が撮れるMagic5 Proのカメラ

 

オシャレ感度の高い人に刺さりそうな縦折りスマホ! OPPO「Find N2 Flip」

折りたたみスマートフォンには縦にたたむモデルもあります。このスタイルのモデルはサムスンの「Galaxy Z Flip4」が有名ですが、OPPOからも同じ縦折り式の「Find N2 Flip」が登場しました。本体を開いた状態では6.8インチ画面の普通のスマートフォン。ところが画面の真ん中から折りたたんで使うことができるのです。このまま机の上におけば三脚いらずで写真が撮れますし、動画やSNSを見るのも楽にできます。

↑OPPO Find N2 Flip

 

そして完全に折りたためば手のひらにすっぽりと納まる小さな大きさになります。この状態でも外側には3.26インチの比較的大きな画面があるので、通知を受けたり、閉じたままカメラを起動して5000万画素のメインカメラで自撮りも可能。本体を開かなくてもある程度の操作ができてしまうのです。また紫色の本体もオシャレなイメージですよね(カラバリは他に黒があります)。

↑閉じたままでも使えちゃう欲張りな設計

 

スマホを水で強制的に冷やす水冷モデル! OnePlus「11 Concept」

スマートフォンでゲームをする人にとっての悩みは、食事をするのも忘れてゲームに没頭している最中に、スマートフォン本体の発熱によりゲームの動作が不安定になったり、スマートフォンそのものがシャットダウンしてしまうこと。ハイエンドゲームにその傾向は強く、本体が熱いまま使うとバッテリーの寿命も減りがちです。そこでOnePlusはスマートフォンを水で冷やせるコンセプトモデル「OnePlus 11 Concept」を発表しました。

↑OnePlus 11 Concept

 

スマートフォンの内部に細いパイプを張り巡らせ、さらに超小型サイズのポンプも埋め込むことで、水を循環させてスマートフォン本体を冷やします。背面には実際にパイプが張り巡らされている様が見え、水が流れる動きをLEDライトが表現してくれます。ハイパワーなPCゲームをする人ならPC本体を水で冷やすのは当たり前のことになっていますが、スマートフォンもついに水冷冷却する時代がやってきそうです。

↑背面中央の青いラインが水冷パイプの通っている場所。ライトで光る

 

9分台で満充電、“神”を超えた究極の充電速度! realme「GT3」

スマートフォンの充電速度は年々高速化が進んでいます。日本ではシャオミが「神ジューデン」と名付けた高速充電スマートフォン「Xiaomi 12T Pro」を販売していますが、realmeが発表した「GT3」の充電速度はその「神」を超える速度です。世界最速の240Wの充電に対応し、満充電に必要な時間はわずか9分半。もはやスマートフォンの充電は10分以内で終わらせることができるのです。

↑realme「GT3」

 

GT3の背面はカメラの横の部分が透明パーツになっており、その部分にある四角い枠状のライトを光らせることもできます。Unihertz LunaといいOnePlus 11 Conceptといい、今年のスマートフォンは光らせることも流行りなんでしょうか。GT3に専用充電器を接続すると、画面には「240W」と表示され、バッテリーがどんどん充電されていきます。いずれ250Wや300Wといった、「分充電」できてしまうスマホが登場するのも時間の問題かもしれません。

↑240W充電を試す。見る見るうちに充電されていく

 

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