EcoFlowは、大容量・高出力のポータブル電源「EcoFlow DELTA 2 Max」(以下、DELTA 2 Max/税込25万4100円)を発表。販売を開始しました。EcoFlow DELTA Max(以下、DELTA Max)の後継機となる本機は、容量や充電時間、寿命などの面で従来機を上回っていて、まさに順当な進化を遂げた一台といえます。この記事では、その概要をお届けします。
寿命は業界平均の6倍! 多くの面でスペックが進化
DELTA 2 Maxは、多くの面で従来機を上回るスペックを誇っています。下の写真をご覧ください。
この表を見るとわかるように、DELTA 2 Maxの性能を従来機と比べると、複数の点で進化が見られます。特にサイクル数(寿命)は飛躍的に向上しており、従来機の3.75倍に。EcoFlowの発表によれば、ポータブル電源のサイクル数の業界平均は500回だそうで、本機はその6倍もの寿命を誇っていることになります。これだけの進化を達成できた理由は、バッテリーの素材として、EVにも使われるリン酸鉄リチウムを採用したことだそうです。
容量は従来機から微増となる2048Wh。同容量のエクストラバッテリー(別売り)を最大2台追加接続することが可能なので、4096Whまたは6144Whに拡張できます。
出力は、定格では最大2000Wですが、X-Boost機能を使えば最大2400Wにもなります。メーカーの発表では、この出力によって一般的な家電製品の99%以上に対応しているとのこと。ポートは合計15口もついているので、一度に多数の電化製品へ給電可能です。
充電入力は、最大1500Wに対応しています。満充電にかかる時間は101分です。また、ソーラーパネルからの充電では、最大1000Wの入力に対応。日照の状況にも左右されますが、最短2〜3時間で満充電できます。なお、ACとソーラー同時のデュアル充電も可能で、最大となる2500W入力で充電した場合は約60分で満充電になります。
重さは従来機より1kg増していますが、他社の同クラスの製品と比較して、約30%軽量だと、EcoFlowは発表しています。
業務用途や本格的なアウトドアでの活躍を想定
EcoFlowが販売するポータブル電源のなかでも、ハイエンドモデルに位置するDELTA 2 Max。本機は主に、DIYやキッチンカーなどの業務用途や、車中泊を伴う本格アウトドアといった利用シーンを想定した製品です。
本機の発表会には、米国製スクールバスやベンツトランスポーターなど、多彩な車の内装を手がけるバンライフビルダーの鈴木大地さん、アウトドアインフルエンサーのYURIEさんが登壇。鈴木さんはDELTA 2 Maxからの給電で動く工具を使って、手作りのベンチを作るパフォーマンスを披露しました。
車中泊しやすいように改造した愛車のバンと共に、アウトドアを楽しんでいるというYURIEさんは、仕事を兼ねた福島県への旅で、DELTA 2 Maxを使ったといいます。その感想は「これまでに使っていたEcoFlow RIVER 2 Proよりパワーがあるから、日常で使っている家電などをそのまま使えて、家ごと持ち運んでいるような感覚だった」とのこと。「10日間くらいの長旅にも堪える、力強い相棒だと感じた」そうです。
ポータブル電源の出荷台数は発電機を上回った
発表会には、神奈川県の三浦半島を中心に活動している、根岸辰也さんのキッチンカーが登場。根岸さんは、発電機とポータブル電源の違いを語りました。
「キッチンカーの電源というと、発電機をイメージされる方が多いと思います。でも発電機を使っていると、音や匂いが気になるんです。その点、ポータブル電源は静かだし無臭なので、使いやすいですね」(根岸さん)
EcoFlowのプレゼンテーションでも、発電機とポータブル電源の比較に関する話題が出ました。発電機は天候などの外環境に左右されることなく、ガソリンさえあれば無尽蔵にエネルギーを供給できます。一方のポータブル電源は、音や匂いがなく軽量で、環境にもやさしいなど、発電機にはない長所を武器に、近年市場を急拡大しています。
実際、出荷台数では、2022年以降ポータブル電源が発電機を追い抜きました。EcoFlowによる考察では、発電機とポータブル電源はお互いに異なる性質を持った相互補完の関係だといいますが、発電機にない長所を持つポータブル電源が、新たなニーズを開拓しているのは間違いないでしょう。その市場を牽引するEcoFlowの取り組みには、今後も要注目です。