今後のAndroidスマートフォンでハイエンド機種に採用されるプロセッサー「Snapdragon 8 Gen 3」は、CPUとGPU性能の向上、ハードウェアによるレイトレーシング機能、生成AIなど多くの機能が注目されています。サムスンの次期スマートフォン「Galaxy S24」シリーズには、その高速版が搭載されるかもしれません。
しかし、実際にSnapdragon 8 Gen 3を搭載した「Xiaomi 14 Pro」で検証したところ、確かに前モデルのSnapdragon 8 Gen 2より性能は上がっているものの、消費電力も増えたと報告されています。
リーカーのGolden Reviewerは、Xiaomi 14 ProでSPECint06ベンチマークを実行し、「Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy」つまりGalaxy S23シリーズに搭載された高速版のSnapdragon 8 Gen 2と比較しました。
Tested CPU in #Snapdragon8Gen3 #Xiaomi14Pro
Now I'm concerned.
Performance is great, the best we've seen so far from any Android SOC, it's 13% faster than Snapdragon 8 Gen 2 For Galaxy.
However power consumption has gone up 28%, and efficienty down 11%.
Now this is quite scary pic.twitter.com/6LBKL7k9W2— Golden Reviewer (@Golden_Reviewer) November 19, 2023
その結果、前者(Snapdragon 8 Gen 3)の性能スコアは13%上回ったものの、消費電力も28%アップ。そして効率スコア=消費電力あたりの性能は11%低下したと述べています。
それに対して、通常版のSnapdragon 8 Gen 2は性能スコアは低いものの、効率スコアは上記の2つを大きく上回っています。
これは、Snapdragon 8 Gen 3がSnapdragon 8 Gen 2と同じ4nmチップ、つまり回路線幅が4nmのままであることが原因かもしれません。回路線幅が小さくなれば性能と消費電力がアップする傾向がありますが、回路線幅そのままで性能を上げれば、消費電力も大きくなりやすいわけです。
こうした変更は、スマホが熱くなりやすく、バッテリー持続時間が短くなるなど、さまざまなデメリットにつながり得るもの。もしも十分な冷却システムがなければ、サーマルスロットリング(動作速度を落として故障を防ぐ仕組み)が発動し、スマホの動作がモタついたり、ゲーム表示が遅くなる可能性があるでしょう。
Xiaomi 14 Proは大型のベイパーチャンバー(金属製の放熱部材)を搭載しているため、熱を抑えることが容易なはず。サムスンのGalaxy S23シリーズも優秀なベイパーチャンバーを搭載しており、次期Galaxy S24シリーズも十分な性能が発揮できると期待したいところです。
Source:Golden Reviewer(X)
via:Wccftech